平凡な高校生は世界最強?に転生しました

いちごオレ

学園長

 オレ達は今、地獄にでもいるのだろうか。そう錯覚させるほどジジイの攻撃は一方的だった。
 まぁ、オレが闘えば圧勝できるのだが。目立つことはしたくないので、他のヤツらが倒されてからしようと思っている。だが、攻撃しないと周りから非難を受けそうだから少しは攻撃をする。どれも手加減をしてだがな。
 そんな超余裕なオレの傍ではギルが苦しそうにしていた。

「な、なんていう強さなんだ。これでは全滅してしまう。くそっ!」

 王子としてこの国の民をどうにかしたいらしいが、予想以上にジジイが強くて手をこまねいているらしい。
 うーん、ギルがこんなに悩んでるんだし、そろそろやっちゃおうかな?
 オレがそんなことを考えていると、闘いの音が止んだ。

「ふぅ、いくら弱くてもこれだけの数が一気に迫るとめんどくさいのう」

 そう言って伸びをするジジイだが、疲れた様子は見てとれない。つまり、オレ達を挑発していると言っていいだろう。

「残りはお前さんら2人じゃの。えーっと、確かそっちのお前さんは王子で隣は公爵家の嫡男だったかの?これまた面白い、将来この国のNO.1とNo.2が残るとは」

 いかにも怒りを誘うような言い方でそんなことを言うジジイ。ギルはさっきからずいぶんお怒りのようだ。剣を握っている手からあまり血の気を感じない。

「やはり、どの時代でも偉い者は他者を犠牲にしてまでずる賢く生きるもんじゃの」
「黙れぇぇぇぇぇぇぇえええ!」
 
 その言葉に痺れを切らしたのか、ギルはジジイに向かって走り出した。

「ハァ、世話が焼ける幼馴染みだぜ」

 オレはそう言うとギルに強化魔法をかけてやった。
 確かこの魔法って、魔力を込める量によって教科の度合いが変わってくるんだよな。ちょっと多めに込めとくか。

身体強化フィジカルブースト

 そう唱えるとギルの身体が少し光った。すると、先程よりもスピードが早くなったことに少しギルは不思議そうにしたが、すぐに目の前の敵に集中した。
 それから10分くらいギルとジジイは闘っていたが、結果はギルの負けだった。でも、最初の方は本気を出していなかったジジイも途中から本気だったし、他のやつよりはいい感じだったと思う。
 そして、とうとうオレだけになってしまった。

「お主、なぜ2人で攻めてこんだ?王子1人では敵わんことくらい、分かっておったじゃろ?」
「フッ、愚問だな。そんなの決まっているだろ?2人で勝つより、1人で勝った方がカッコイイからだよ」

 飛びっきりのキメ顔でオレは言った。だが、無反応なジジイ。おい、何か反応しろや!恥ずかしいだろ!

「ほっほっほっほ、面白い小僧じゃの。ワシに勝てると思っとるのか?」
「あぁ、当たり前だろ?てめぇ何かに負けるかよ、学園長さん」
「!?」

 オレがそう言うとジジイ改め学園長は目を見開いて驚いた。

「どうして分かったのじゃ?ステータスは見れないようにしてあったはずじゃが?」
「さーな。あんたがオレに勝ったら教えてやるよ」

 そう言うとオレは魔法の詠唱を始めた。ジジイは詠唱の邪魔をするためにオレに近づいてきた。だが、オレは最初から魔法を使うつもりはない。使うとしても無詠唱で発動できるから、詠唱せずにいきなりジジイの後ろに発動させるだろう。
 なら、なぜ詠唱しているかって?そんなの相手を誘き出すために決まってるだろ。接近戦が得意なジジイに遠距離からの魔法で勝っても面白くない。なのでオレは魔法使いと思わせ接近してもらう。そして、ジジイに攻撃をしてもらいながらも詠唱を続け、ジジイが戦闘不能になるくらいの魔法を使う、という作戦だ。これならズルくないだろう。おっと、もう詠唱が終わったな。じゃあ撃つか。

地獄の業火インフェルノ
「なんじゃと!」
 
 オレはこの闘技場一帯を埋め尽くす火魔法を使った。もちろん倒れている生徒にはバリアを張ってある。ジジイは悲鳴もあげることが出来ずに死んでしまった。
 えっ!しんじゃったの!?ヤバい、炎が完全に消える前にどうにかしないと…………そうだ!蘇生すればいいじゃん!

完全蘇生パーフェクトリバイバル
「あれ?ワシはいったい」

 よし!成功だ。まぁ、死んでなくても回復魔法かけるつもりだったし、かける魔法が変わっただけで予定とあまり誤差はない。

「学園長はオレの魔法で気絶したんで回復魔法をかたんだよ」

 ホントは死んだんだけど、そんなこと言ったらどうなるか分からないので、気絶ということにした。

「そうじゃったか、確かにあの魔法はワシでは耐えられんのう」

 どうやら死ぬ少し前の記憶はあるらしい。とゆーか、なかったらもう一度闘わないといけなさそうだから面倒だったに違いない。
 負けて残念そうだが、少し嬉しそうにするジジイはほっといて。オレは倒れている生徒の安否を確認すると、時空魔法で身体の傷をなかったことにした。
 何で回復魔法じゃないかって?だって、回復魔法だと流した血が戻らないから、気を失ったままだったりするからな。それなら身体の傷の部分の時間を巻き戻してやった方が良いだろう。
 あと、目を覚ますように少し電流を流してやった。ジジイは少し驚いていたが全員が起き上がったことを確認すると、観戦席までジャンプをした。
 普段は流れ弾の魔法が飛んで来ないように結界が張ってあるが、オレの魔法で壊れたらしい。後で直しておこう。

「自己紹介がまだじゃったの。ワシはこの学園の長、ダンブル「何やってるんですか、学園長」うげっ、お主は1年主任のマーリン」

 学園長が自己紹介をしていると、若い女の先生がきた。名前はマーリンと言うらしい。

「また、新入生と闘ったんですか?まったく、道理で入学式なのに誰もいなかったんですね」

 呆れたようにマーリン先生は溜め息をついた。

「1年生の皆さんは今すぐ体育館に行ってください。予定よりだいぶ遅れていますが入学式をします」

 そう言うと学園長を引きずってどこかに行ってしまった。
 オレ達はマーリン先生の指示に従い体育館に行った。そして、無事入学式が終わった。


「平凡な高校生は世界最強?に転生しました」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く