平凡な高校生は世界最強?に転生しました

いちごオレ

目覚め Part2

「ハァ〜、めんどくせぇな〜」

 ものすごく憂鬱になりながらもオレは学校へ歩いていた。
 この国……フロイスト王国では貴族は6歳になると学校へ行かなければならない。一般市民もたまにはいるが学費の問題など様々な理由からほとんど貴族のお坊ちゃんやお嬢様だけだ。
 オレもその中の1人だ。オレの父さんはカイル・ルーテンブルクといい、この国では王族の次に偉い公爵という爵位を持っている。
 爵位は、公爵>侯爵>伯爵>辺境伯>子爵>男爵=騎士爵という順番で偉い。
騎士爵というものは、主に騎士団長だけが持っているものだが、稀に受勲されたときに貰うこともある。
 そんなわけで、今後この国を引っ張って行く存在として威厳を持った行動をしないといけないのだか、オレはそういうめんどくさいことが大嫌いなのだ。そして、そのめんどくさいだらけの学校はオレにとって地獄のような場所なのだ。
 いつも通りオレが落ち込みながら登校していると、

「よっ、なに朝から辛気臭い顔してんだよ」

 めちゃくちゃテンションの高い親友が来た。朝からイラつく野郎だなコイツは

「てめぇ、分かって言ってんだろ?」

 オレが少し魔力を可視化してそう言うと

「すまんすまん(汗)冗談だよ」
「ったく、二度と言うんじゃねーぞ」
「はいはい。そんなことよりジーク、さっきので周りの子達が怯えちゃってるよ?」
「はっ!忘れてた!」
「しょうがないな〜、【我が求めるは癒しをつかさどる水の力 冷静クール】これでよしっと」
「ありがとな、ギル」
「いやいや、これも王としてのつとめだよ」

 威張りながらそんなことを言う親友。本当は「アホか」と言ってやりたいのだか事実なので仕方がない。コイツはフロイスト王国第2王子のギルティア・フロイストなのだ。
 オレがコイツとあったのは5歳のとき、国中の貴族を集めた王子のお披露目パーティで会った。
 最初の印象はというと最悪だった。2人とも公爵家と王家の子という位の高い家でプライドも高かった。そのせいで会えばいつもケンカをしていた。普通なら公爵家でも王家に歯向かえば打ち首の刑なのだがギルのお父さん、つまり王様は
『ハッハッハッハー、王族にケンカ売るとかおもしれーな。それに喧嘩するほど仲がいいってことだろ、好きにさしとけ』
 との事だった。そしてどちらかから言うまでもなくオレ達は親友になっていた。
それからというものオレ達は何をするにしても一緒だった。
 そして今日は、これからオレ達が通うことになる国立第一魔術学院中等部の入学式だ。ギルが楽しそうにしていたのはそのせいかもしれない。

「なぁ、どっちが首席だと思う?」

 などと当たり前のことをギルが聞いてきた。

「そんなの決まってるだろ?オレだよ」

 オレは自信満々でそう言った。何故かって?そりゃあ、初等部では毎回オレが学年1位だった(ギルは毎回2位)からな。首席はオレ以外有り得ん。

「じゃあ、どっちが首席か賭けてみようか」
「いいぜ、負けた方がお昼奢りな」
「おっけー」

 そんなことを話していると、掲示板が見えて来た。さてさてさーて、どっちが首席だ?

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1位  ジーク・ルーテンブルク   300点/300点

2位 ギルティア・フロイスト   295点/300点

3位 ルーシェ・カロライナ    293点/300点

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 よっしゃぁぁぁああ!!

「ごちそうさまです」
「……嘘だぁぁぁー 」

 落ち込むギルを放っておいてオレは教室へと向かうのだった。


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