異世界生活は突然に〜いきなりチートになりました〜

カズヤ

領地運営は突然に⑦

俺は窓の外を見ながらカシンへ質問する。

「なぁカシン、今回移籍を申し出ている者の中に怪しい者はいないか?」

「怪しい者というか、俺が探して来た冒険者以外、つまりブランの旦那に付いて来た奴らは皆、冒険者として登録するのは建前で、全員兵士を希望しとるんですわ。」

「何だって!?兵士希望?金が目的じゃないって事か?」

俺達の計画では、冒険者達をまず集めてその中から優秀な人材を兵士として軍へ引き抜こうと考えていた。
しかしその場合、大きな問題があった。

冒険者の収入は基本的にクエストの報酬で決まる。優秀な人材であればある程、高難度のクエストへ参加出来、収入も跳ね上がる。
軍の給料は毎月決まった額を支給する。

そうした場合、冒険者から軍へ移籍の際にどうしても給料が下がる可能性が高くなるのだ。

勿論、兵士としての給料を高く設定すればその問題は解決する。
しかし今度は別の問題が起きてしまう。

毎月安定してより高い給料が入るとなると今度は冒険者のなり手がいなくなってしまうのだ。

冒険者は街の活性化の為に無くてはならない存在である。
一般的な魔獣討伐に軍を動かす訳にもいかない。

だから俺はまず冒険者を集め、その中から俺達の目的に賛同してくれる奴を探そうと思っていた。

しかし今回集まった連中は高い収入が期待出来る冒険者ではなく、兵士を希望しているというのだ。

「ブランに話を聞く前に少し調べておきたい。リンを呼んでもらえるか?」

リンは周辺の領地を調査している。

しかし今のこの異常な状況を早く片付けない事には何とも気持ちが悪いので急遽呼び戻して調査をして貰う事にした。

「後、彼らには軍用の宿舎を案内してくれ。それとキールと協力して彼らの登録を頼む。ハリーに手伝って貰っても構わない。」

ハリーはカシンと共に外務の仕事を行なっている。
カシンが主に対外的な仕事をして、ハリーは事務担当である。
ただ今日まではカシンが人材募集に奔走していた為、アリシアを手伝って貰っていた。

この人数を1度に登録するのはキール1人では流石に厳しいだろうと思い、カシンとハリーに手伝って貰う様お願いする。

少人数の組織では下手に分業するより、垣根を超えて協力し合う方が組織は機能するのだ。

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