異世界生活は突然に〜いきなりチートになりました〜

カズヤ

ゴールドルーキーは突然に15

王都へ到着後、馬車は真っ直ぐ城へ向かう。
当然、王家の家紋入りの馬車である。
入口では止められる事もなくそのまま入城が許される。

俺達はまず、応接室の様な場所へ通された。そこで王様の準備が終わるのを待つらしい。

しばらくして執事の様な人が俺達を呼びに来てくれた。

立ち上がりこれから謁見の場へと赴く時には、もう皆一通り覚悟を決めていた。

重たそうな絢爛豪華なドアを開き赤絨毯が敷かれた上を歩くその先に1人の初老の男性と同じく初老の女性が鎮座している。

彼こそがこの国の王、セレナ王国第13代国王、ヨハン・セレナ・ハーネス王その人だろう。そして、隣にいるのがエミリア王妃なのだろう。

セレナ王国は規模こそさほど大きくはないが、名君と謳われる国王の優れた治世により様々な産業で他国と渡り合っているらしい。だから100年以上もの間、こうやって平和に繁栄をしてきたのだ。
しかし近年は魔族の台頭により各地で戦乱が起きている。
ガリアもその一つで、多くの国民が犠牲になったという。

「よく来たな冒険者達よ。此度の申し出大変嬉しく思うぞ。」

国王陛下から直々に感謝を告げられ、俺達4人は皆深々と頭を下げる。

「良い。面を上げる事許そう。」

そう言われ頭を上げる。

「此度のクエストに際し必要な物があれば何なりと申せ。如何様な物でも用意致そう。何かあるか?」

なんか必要な物を何でもくれるらしいので、思い切って行ってみる。

「はっ、恐れながら申し上げます。我等のパーティは前衛2人、中衛1人、後衛1人の編成でございます。前衛の者には剣と具足を、中衛の者には盾と靴を、後衛の者には杖とローブをお願いしたく存じます。」

道中の馬車の中で俺達は担当を決めていた。
前衛は俺とカシン、中衛はリン、後衛はアリシアということにした。

俺とカシンは敵の殲滅、リンは俺達への攻撃支援、アリシアは回復と指示が主な役割となる。

「うむ。承った。直ぐにこの国1番の装備を準備させよう。」

「はっ、有難き幸せ!」

まさか自分の人生でこの言葉を使う日が来るなんて思いもしなかった。

「では頼んだぞ。ガリアの地を奪還した暁にはその地を治める事を許すと約束しよう!お前達に女神イリスの恩恵が与えられる事我も願っておるぞ。」

ん?何か聞き捨てならない神の名前が出て来たぞ。これは後で問い質さねばなるまい。

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