ギレイの旅
白の瞳
睨み付ける拓の目に、怯える様子を見せない、エリに似た白という子供。
好奇心そのもののように瞳を輝かせて、じっと拓を見つめる。
深い深い、青の瞳。
「獅子より怖い顔してるだろ。」
にやりと笑って儀礼が言う。
「ううん。綺麗だよ。」
拓が儀礼を殴ろうとすれば、それより早く白は言う。拓の瞳を見て。
「綺麗じゃないけど、そいつが拓。こっちは利香ちゃん。女の子だから可愛いでしょ。」
利香の腕を引いて来て、儀礼は白の側に立たせた。
「黒って、綺麗な髪だよね。拓とは兄妹だから似てるでしょ。髪の毛切ったら見分けつかないかな?」
笑いながら儀礼は利香の髪を掴んでまとめて見せる。
さりげなく、利香に触り放題している儀礼を拓は殴りつける。
男同士、女同士の兄弟ならば、似ていると言っていいかもしれないが、兄と妹ではそれほど似ているとは思えない。
それでも、全く他人の獅子と拓を間違えるほどなら、異国の者から見ればやはり二人は似ているのだろうか。
拓は利香と顔を見合わせる。
「そんなことないよ。やっぱりリカチャンは柔らかい感じがする。すごくかわいい。」
にっこりと笑って白は言う。可愛らしい、幼い笑顔で。
「だめだよ、白。そんなとこ見たら。利香ちゃんは獅子のだから怒られるよ。」
ははは、と笑いながら儀礼が言う。
「え? え?! エエッ、ちが、違う! 見てないから。そんな、ギレイクン?!」
白は顔を真っ赤にして、儀礼の服を引くようにして、全力で否定している。
儀礼君という呼び方は、利香の使うものだ。
この短い時間に移るとは、どれだけ利香はしゃべったのか。
「あれ? 僕、ギレイクン? じゃ、獅子は?」
「リョサマ?」
白の言葉に、儀礼は腹を抱えて笑い出す。
「あ、はははは。だめだ白、シシかリョウにしてあげて。僕が笑い死ぬ。」
一人苦しむ儀礼に、引導を渡そうと拓は拳に闘気を込める。
「私の言葉、へん?」
白が、心配そうに顔をゆがめた。心なしか顔色が蒼い。
隣り合い、言葉の通じるフェードとドルエドとは違い、広い川を挟んで国境のあるアルバドリスクはまったく異なる言語を使っていた。
そのため、エリの国の言葉を覚えるために、幼い頃の拓はかなり苦労した。
「いいや、おかしくない。おかしいのはこいつだから気にするな。」
拓が涙を浮かせている儀礼を指して言えば、白は首を傾げて、また儀礼を見る。
『白、ボクの言葉どっか、へん?』
儀礼がにっこりと笑ってアルバドリスクの言葉で尋ねた。
『ちょっと、小さい子みたいでかわいい。』
一瞬驚き、嬉しそうに白は笑った。
引きつった儀礼の笑いはちょっとした見ものだ。
「白の言葉も、その位だよ。ちょっとたどたどしいって言うのかな。白にフェードの言葉教えた人、女の人なんじゃない?」
「……うん。そう。」
何か言いたそうに緊張し、言葉を飲み込むようにして白は答えた。
「やっぱり。そんなに心配いらないよ。母国語じゃないのに、そんなにしゃべれるなんてすごいよ。」
儀礼が笑えば、白は安心したように微笑む。
やせ細った手足、傷ついた肌。
けれどその表情には、温かみがある。微笑む瞳には、儀礼にはない、柔らかいという表現。
(なるほど、奴らの目は節穴だ。)
拓は、外に置いてきた連中と儀礼の言葉を思い出す。
「儀礼。」
拓は、指だけでその少年を部屋の端まで呼び寄せる。
拓の手を見て、儀礼はあからさまに頬を引きつらせた。
「男の子だから。」
側まで来て、拓が何かを言う前に、儀礼は睨むように言った。
やせ細った体、怯えた態度。
昔、儀礼が拾ってきた白い狼は命に関わる傷を負っていた。
「確かに、子供だな。」
にやりと笑って拓が言えば、儀礼は顔から表情を消す。
エリならしない、暗く冷たい深い思慮。
底の見えない深遠の、団居礼一という男に似た瞳で、拓の思考の奥を探る。
「部屋は?」
問いかけるように儀礼が聞く。
「まだだ。」
拓は答える。
利香が真っ直ぐにこの部屋へ突っ走ったので、拓はこの宿で部屋を借りる手続きをしていなかった。
「絶対、何もするなよ。」
ちらりと白を見て、睨み付けるように拓を見る儀礼。
「子供に手を出す趣味はない。」
両手を上げて、拓は笑う。
儀礼は不満そうに拓を見ていたが、諦めたように息を吐いた。
「獅子! 僕この剣ヒガさんに届けてくる。その間、白のこと頼む。」
蒼刃剣を示して、儀礼は獅子へと呼びかけた。
「拓ちゃん置いてくから、護衛にして。」
本人の了承を取らずにそんなことを言う。
「お前な。」
「あと、獅子は今頭悪いから、頼みます。」
とても、頼みごとをしているとは思えない、嫌そうな顔で儀礼は拓を見上げた。
「ああ、旅立つとか何とか。」
儀礼がふざけて言った言葉を拓は思い出した。
(了は怪我をした後か。こいつ、了の護衛まで本気で俺にさせる気か。)
つまりあの手配書をどうにかしなければ、儀礼がここに居ることは、利香や獅子にも危険が及ぶと、そう言う。
「明日には戻るから。」
にっこりと儀礼は笑う。それで、国一つ相手取ってなんとかすると言う少年。
「じゃぁね、白。拓ちゃんには近付いちゃダメだよ。いじめっ子だから。獅子、頼むよ。利香ちゃんもね。」
慈愛に満ちた笑みを浮かべ、儀礼は白の頭を撫でる。
「英も、よろしく!」
楽しそうに、儀礼は利香の護衛機に抱きつく。
「行くなら、さっさと行け!」
苛立ちと共に拓が扉を指差せば、予想外にそのままの笑顔で儀礼が振り返る。
ひらりと、護衛機が宙に浮き、音もなく儀礼の周りを飛び回った。
エリに似た、心あふれる儀礼の笑い。
「気をつけて。」
拓に向け言う、その言葉で知れる。
命の危険を、気付かせずに守ることを、託したと。けれど――。
たった2学年。この少年に差をつけるには短すぎた時間の差。
拓は、置いていかれる側なのだと。
「白は多分、僕より強いよ。」
しかし、にやりと口の端を上げて、儀礼は付け足した。
『気をつける』の意味は違うと、釘を出す。
(出すならいっそ、刺していけ。)
いつもそう、儀礼は拓にふざけた知略戦を仕掛けている。
しかもそれが、当人に仕掛けている自覚がないというたちの悪さ。
試すように、拓を揺さぶる。
「領主になるのだろう」と言われている様で、拓はそれに負けることを許せない。
シエンの里を統べる者。
それは昔シエンの国で、武将・獅子倉や知将・団居という一癖も二癖もあるシエンの戦士達を統率する王のことだった。
たった2年。それでも、彼らの上に生まれたことを拓は愉悦する。
力が全てのシエンの世界に、年功序列を設けたのは他ならぬ、団居の一族だ。
学校という施設がシエンに建っておよそ20年。それは、子供の世代に染み付いた。
拓はにやりと悪意ある笑みを浮かべた。
(出した釘には倍返しでいいんだよな?)
拓の苛立ちに気付いたようにびくりと震え、白い衣の母狼は慌てたように旅立っていった。
「どこが成長してんだよ。」
先程、成長したと言わんばかりだった儀礼の、変わらない行動に拓は呆れる。
「そういや、白は何歳だ?」
痩せているせいもあり、儀礼の服でも少し余って見える白のサイズ。
見る限り白の荷物はなさそうなので、預かったというよりは、「拾った」という状態なのだろう、と拓は推察する。
「14。」
にっこりと白は笑った。警戒心のかけらもない笑み。
「……誕生月は。」
拓は問いかける。
「8月……。」
言ってから、警戒するように白は瞳を細めた。
容姿と年齢、誕生月まで分かれば、データの出回るような身分ある者や、行方を捜す不明者なら身元が判明することもある。
その様子を見る限り、身元は知られたくないらしいと、拓は悟る。
「白、シエンに来ないか? ドルエドにある小さな村だが、綺麗でいい所だ。」
見た目よりも、白の年齢は上だった。利香たちと二つしか変わらない。
ドルエドでは15歳で成人。シエンならば12歳だ。
「今の私が行ったら迷惑だから。」
ひどく、悲しそうに白は言う。自分という存在の全てを否定するような顔。
「迷惑なもんか! 俺が、一生面倒見たっていい。」
思わず白の手を握った拓の前に、利香を守るはずの機械が割り込んできた。
その両脚についた二つの銃口を拓に向けて。釘はそんな所からも出てきた。
(所詮は、儀礼の作った物と言うことか。)
苦々しく頬を歪め、拓は白の手を放す。
「……っすごい! 可愛いっ!!」
瞳をまん丸にして輝かせ、白はその護衛機を見た。
利香によりペイントされたピンクとオレンジ色の機体は、決して可愛いと言える程のフォルムではない。
「英君だよ。」
嬉しそうに微笑んで、利香が答える。弟ができたとでも思っているようだった。
「『えい』って読むんだ。額の黒い字。シシに似てる! ちっちゃくて人間だと3歳位の――」
護衛機の上の部分に10cm程の高さを示して、白は言う。
その意味がわからず、利香と獅子と拓は思わず3人で顔を見合わせた。
「忍者みたいな格好の、大地の精霊!!」
深い青色を宝石の様に輝かせて、白はその瞳に映ったものに感激の声を上げていた。
精霊の国、アルバドリスクで稀に生まれるという深い青の瞳。
その瞳は精霊を見る力を持っていた。
好奇心そのもののように瞳を輝かせて、じっと拓を見つめる。
深い深い、青の瞳。
「獅子より怖い顔してるだろ。」
にやりと笑って儀礼が言う。
「ううん。綺麗だよ。」
拓が儀礼を殴ろうとすれば、それより早く白は言う。拓の瞳を見て。
「綺麗じゃないけど、そいつが拓。こっちは利香ちゃん。女の子だから可愛いでしょ。」
利香の腕を引いて来て、儀礼は白の側に立たせた。
「黒って、綺麗な髪だよね。拓とは兄妹だから似てるでしょ。髪の毛切ったら見分けつかないかな?」
笑いながら儀礼は利香の髪を掴んでまとめて見せる。
さりげなく、利香に触り放題している儀礼を拓は殴りつける。
男同士、女同士の兄弟ならば、似ていると言っていいかもしれないが、兄と妹ではそれほど似ているとは思えない。
それでも、全く他人の獅子と拓を間違えるほどなら、異国の者から見ればやはり二人は似ているのだろうか。
拓は利香と顔を見合わせる。
「そんなことないよ。やっぱりリカチャンは柔らかい感じがする。すごくかわいい。」
にっこりと笑って白は言う。可愛らしい、幼い笑顔で。
「だめだよ、白。そんなとこ見たら。利香ちゃんは獅子のだから怒られるよ。」
ははは、と笑いながら儀礼が言う。
「え? え?! エエッ、ちが、違う! 見てないから。そんな、ギレイクン?!」
白は顔を真っ赤にして、儀礼の服を引くようにして、全力で否定している。
儀礼君という呼び方は、利香の使うものだ。
この短い時間に移るとは、どれだけ利香はしゃべったのか。
「あれ? 僕、ギレイクン? じゃ、獅子は?」
「リョサマ?」
白の言葉に、儀礼は腹を抱えて笑い出す。
「あ、はははは。だめだ白、シシかリョウにしてあげて。僕が笑い死ぬ。」
一人苦しむ儀礼に、引導を渡そうと拓は拳に闘気を込める。
「私の言葉、へん?」
白が、心配そうに顔をゆがめた。心なしか顔色が蒼い。
隣り合い、言葉の通じるフェードとドルエドとは違い、広い川を挟んで国境のあるアルバドリスクはまったく異なる言語を使っていた。
そのため、エリの国の言葉を覚えるために、幼い頃の拓はかなり苦労した。
「いいや、おかしくない。おかしいのはこいつだから気にするな。」
拓が涙を浮かせている儀礼を指して言えば、白は首を傾げて、また儀礼を見る。
『白、ボクの言葉どっか、へん?』
儀礼がにっこりと笑ってアルバドリスクの言葉で尋ねた。
『ちょっと、小さい子みたいでかわいい。』
一瞬驚き、嬉しそうに白は笑った。
引きつった儀礼の笑いはちょっとした見ものだ。
「白の言葉も、その位だよ。ちょっとたどたどしいって言うのかな。白にフェードの言葉教えた人、女の人なんじゃない?」
「……うん。そう。」
何か言いたそうに緊張し、言葉を飲み込むようにして白は答えた。
「やっぱり。そんなに心配いらないよ。母国語じゃないのに、そんなにしゃべれるなんてすごいよ。」
儀礼が笑えば、白は安心したように微笑む。
やせ細った手足、傷ついた肌。
けれどその表情には、温かみがある。微笑む瞳には、儀礼にはない、柔らかいという表現。
(なるほど、奴らの目は節穴だ。)
拓は、外に置いてきた連中と儀礼の言葉を思い出す。
「儀礼。」
拓は、指だけでその少年を部屋の端まで呼び寄せる。
拓の手を見て、儀礼はあからさまに頬を引きつらせた。
「男の子だから。」
側まで来て、拓が何かを言う前に、儀礼は睨むように言った。
やせ細った体、怯えた態度。
昔、儀礼が拾ってきた白い狼は命に関わる傷を負っていた。
「確かに、子供だな。」
にやりと笑って拓が言えば、儀礼は顔から表情を消す。
エリならしない、暗く冷たい深い思慮。
底の見えない深遠の、団居礼一という男に似た瞳で、拓の思考の奥を探る。
「部屋は?」
問いかけるように儀礼が聞く。
「まだだ。」
拓は答える。
利香が真っ直ぐにこの部屋へ突っ走ったので、拓はこの宿で部屋を借りる手続きをしていなかった。
「絶対、何もするなよ。」
ちらりと白を見て、睨み付けるように拓を見る儀礼。
「子供に手を出す趣味はない。」
両手を上げて、拓は笑う。
儀礼は不満そうに拓を見ていたが、諦めたように息を吐いた。
「獅子! 僕この剣ヒガさんに届けてくる。その間、白のこと頼む。」
蒼刃剣を示して、儀礼は獅子へと呼びかけた。
「拓ちゃん置いてくから、護衛にして。」
本人の了承を取らずにそんなことを言う。
「お前な。」
「あと、獅子は今頭悪いから、頼みます。」
とても、頼みごとをしているとは思えない、嫌そうな顔で儀礼は拓を見上げた。
「ああ、旅立つとか何とか。」
儀礼がふざけて言った言葉を拓は思い出した。
(了は怪我をした後か。こいつ、了の護衛まで本気で俺にさせる気か。)
つまりあの手配書をどうにかしなければ、儀礼がここに居ることは、利香や獅子にも危険が及ぶと、そう言う。
「明日には戻るから。」
にっこりと儀礼は笑う。それで、国一つ相手取ってなんとかすると言う少年。
「じゃぁね、白。拓ちゃんには近付いちゃダメだよ。いじめっ子だから。獅子、頼むよ。利香ちゃんもね。」
慈愛に満ちた笑みを浮かべ、儀礼は白の頭を撫でる。
「英も、よろしく!」
楽しそうに、儀礼は利香の護衛機に抱きつく。
「行くなら、さっさと行け!」
苛立ちと共に拓が扉を指差せば、予想外にそのままの笑顔で儀礼が振り返る。
ひらりと、護衛機が宙に浮き、音もなく儀礼の周りを飛び回った。
エリに似た、心あふれる儀礼の笑い。
「気をつけて。」
拓に向け言う、その言葉で知れる。
命の危険を、気付かせずに守ることを、託したと。けれど――。
たった2学年。この少年に差をつけるには短すぎた時間の差。
拓は、置いていかれる側なのだと。
「白は多分、僕より強いよ。」
しかし、にやりと口の端を上げて、儀礼は付け足した。
『気をつける』の意味は違うと、釘を出す。
(出すならいっそ、刺していけ。)
いつもそう、儀礼は拓にふざけた知略戦を仕掛けている。
しかもそれが、当人に仕掛けている自覚がないというたちの悪さ。
試すように、拓を揺さぶる。
「領主になるのだろう」と言われている様で、拓はそれに負けることを許せない。
シエンの里を統べる者。
それは昔シエンの国で、武将・獅子倉や知将・団居という一癖も二癖もあるシエンの戦士達を統率する王のことだった。
たった2年。それでも、彼らの上に生まれたことを拓は愉悦する。
力が全てのシエンの世界に、年功序列を設けたのは他ならぬ、団居の一族だ。
学校という施設がシエンに建っておよそ20年。それは、子供の世代に染み付いた。
拓はにやりと悪意ある笑みを浮かべた。
(出した釘には倍返しでいいんだよな?)
拓の苛立ちに気付いたようにびくりと震え、白い衣の母狼は慌てたように旅立っていった。
「どこが成長してんだよ。」
先程、成長したと言わんばかりだった儀礼の、変わらない行動に拓は呆れる。
「そういや、白は何歳だ?」
痩せているせいもあり、儀礼の服でも少し余って見える白のサイズ。
見る限り白の荷物はなさそうなので、預かったというよりは、「拾った」という状態なのだろう、と拓は推察する。
「14。」
にっこりと白は笑った。警戒心のかけらもない笑み。
「……誕生月は。」
拓は問いかける。
「8月……。」
言ってから、警戒するように白は瞳を細めた。
容姿と年齢、誕生月まで分かれば、データの出回るような身分ある者や、行方を捜す不明者なら身元が判明することもある。
その様子を見る限り、身元は知られたくないらしいと、拓は悟る。
「白、シエンに来ないか? ドルエドにある小さな村だが、綺麗でいい所だ。」
見た目よりも、白の年齢は上だった。利香たちと二つしか変わらない。
ドルエドでは15歳で成人。シエンならば12歳だ。
「今の私が行ったら迷惑だから。」
ひどく、悲しそうに白は言う。自分という存在の全てを否定するような顔。
「迷惑なもんか! 俺が、一生面倒見たっていい。」
思わず白の手を握った拓の前に、利香を守るはずの機械が割り込んできた。
その両脚についた二つの銃口を拓に向けて。釘はそんな所からも出てきた。
(所詮は、儀礼の作った物と言うことか。)
苦々しく頬を歪め、拓は白の手を放す。
「……っすごい! 可愛いっ!!」
瞳をまん丸にして輝かせ、白はその護衛機を見た。
利香によりペイントされたピンクとオレンジ色の機体は、決して可愛いと言える程のフォルムではない。
「英君だよ。」
嬉しそうに微笑んで、利香が答える。弟ができたとでも思っているようだった。
「『えい』って読むんだ。額の黒い字。シシに似てる! ちっちゃくて人間だと3歳位の――」
護衛機の上の部分に10cm程の高さを示して、白は言う。
その意味がわからず、利香と獅子と拓は思わず3人で顔を見合わせた。
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