ギレイの旅
キュールに出た魔物
フロアキュールから、歩いて30分ほどの場所にキュールの遺跡がある。Aランクの中でも上位に認定される強い魔物が多く出る遺跡だ。
そこで、ドラゴンが発見されたという。
どこから現れたのか。もとからいたのかは不明だが、それに今日探索に入った冒険者が遭遇したらしい。
ドラゴン。最上位に指定される魔物の一つ。
伝説とさえ言われる存在で、年間でも発見される数は少ない。
硬いうろこと、強靱な肉体。魔力耐性は強大で、ほとんどの魔法で与えられるダメージが減少する。
また、そのブレスには炎やブリザードを起こすものがあり、対戦する人間にも対魔力が求められる。
1対1ではまず戦いたくない相手だ。
そして、今回のドラゴンは歴代でも類を見ない大きさだという。
フロアキュールにいる多くの冒険者が挑み、返り討ちにされ避難を余儀なくされている。
先程まで負傷した冒険者が医務室から溢れ、その周囲に密集していたが、他の大きな拠点へと移動させたらしい。
そして、腕に覚えのある冒険者がキュール攻略の拠点であるこのフロアキュールに集まり、次々とキュールへと移転していく。
フロアキュールのギルドは、戦場のような騒がしい場所となっていた。
ワルツやコルロにも、その応援要請が出されたのだ。
アーデスの元にも来た。しかし、儀礼を一人混乱状態のフロアキュールに置いておくわけにもいかず、元居た街に返せばまた、複数の不審者に追われることになるのは明らかだった。
そして、当の本人は、何の心配をする様子もなく、危険といわれる装置の中に入ってしまった。
あの中にいる限り、外部からは一切手は出せないだろう。
しかし、内部で正常にいられる保証も少ない。
あれだけ自信満々に行って来いといったからには、何か対策があるのだろうが、とアーデスはまた息を吐く。
「寝るだけ寝たら勝手に一人で帰っていそうだな。6時間も寝ているとも思えないし。解析データだけを持って行かれないようにはしておいたが。本当に侮れない子供だからな」
「子供って、ギレイのことか?」
ぶつくさと呟くアーデスにワルツが話しかける。
「1時間で終わらせるぞ。こんな相手に手間取ったなど、ギレイに言えるか?」
ドラゴンを前にアーデスが言えば、ワルツは笑う。
動くたびにキュールの遺跡の天井を削り取るドラゴンは見上げるほど巨大で、睨むような眼つきの悪い目が額にまでついている。
三つ目の瞳を持つドラゴンは、得てして魔力が高いと言われていた。
「必死で逃げ延びた連中が怒りそうなことを。奴ら、ここに引き止めるだけで精一杯だったって言ってたぜ。来ては帰り、来ては帰り、ついにあたしらだけになったか」
キュールの遺跡の中階層。比較的広いその場所は他の魔物が入り込まないよう結界が張ってあった。
これだけ強大なドラゴンならば簡単にその結界を突破してしまうだろう。
そして、最も恐れるべきはこのドラゴンが遺跡を抜け出し、フロアキュールの町へ向かってしまうことだった。
過去に数度、転移陣の魔力を辿り、他の町へと移動したドラゴンが確認されている。
その戦いの場に残ったのはいつものアーデスのパーティ5名のみ。
全員で、ドラゴンを囲むように陣を組んでいた。
他の者はみな、フロアキュールへと逃げ帰っていた。
幸い死人は出ていないが、負傷者の数は3桁にのぼっていた。
そこで、ドラゴンが発見されたという。
どこから現れたのか。もとからいたのかは不明だが、それに今日探索に入った冒険者が遭遇したらしい。
ドラゴン。最上位に指定される魔物の一つ。
伝説とさえ言われる存在で、年間でも発見される数は少ない。
硬いうろこと、強靱な肉体。魔力耐性は強大で、ほとんどの魔法で与えられるダメージが減少する。
また、そのブレスには炎やブリザードを起こすものがあり、対戦する人間にも対魔力が求められる。
1対1ではまず戦いたくない相手だ。
そして、今回のドラゴンは歴代でも類を見ない大きさだという。
フロアキュールにいる多くの冒険者が挑み、返り討ちにされ避難を余儀なくされている。
先程まで負傷した冒険者が医務室から溢れ、その周囲に密集していたが、他の大きな拠点へと移動させたらしい。
そして、腕に覚えのある冒険者がキュール攻略の拠点であるこのフロアキュールに集まり、次々とキュールへと移転していく。
フロアキュールのギルドは、戦場のような騒がしい場所となっていた。
ワルツやコルロにも、その応援要請が出されたのだ。
アーデスの元にも来た。しかし、儀礼を一人混乱状態のフロアキュールに置いておくわけにもいかず、元居た街に返せばまた、複数の不審者に追われることになるのは明らかだった。
そして、当の本人は、何の心配をする様子もなく、危険といわれる装置の中に入ってしまった。
あの中にいる限り、外部からは一切手は出せないだろう。
しかし、内部で正常にいられる保証も少ない。
あれだけ自信満々に行って来いといったからには、何か対策があるのだろうが、とアーデスはまた息を吐く。
「寝るだけ寝たら勝手に一人で帰っていそうだな。6時間も寝ているとも思えないし。解析データだけを持って行かれないようにはしておいたが。本当に侮れない子供だからな」
「子供って、ギレイのことか?」
ぶつくさと呟くアーデスにワルツが話しかける。
「1時間で終わらせるぞ。こんな相手に手間取ったなど、ギレイに言えるか?」
ドラゴンを前にアーデスが言えば、ワルツは笑う。
動くたびにキュールの遺跡の天井を削り取るドラゴンは見上げるほど巨大で、睨むような眼つきの悪い目が額にまでついている。
三つ目の瞳を持つドラゴンは、得てして魔力が高いと言われていた。
「必死で逃げ延びた連中が怒りそうなことを。奴ら、ここに引き止めるだけで精一杯だったって言ってたぜ。来ては帰り、来ては帰り、ついにあたしらだけになったか」
キュールの遺跡の中階層。比較的広いその場所は他の魔物が入り込まないよう結界が張ってあった。
これだけ強大なドラゴンならば簡単にその結界を突破してしまうだろう。
そして、最も恐れるべきはこのドラゴンが遺跡を抜け出し、フロアキュールの町へ向かってしまうことだった。
過去に数度、転移陣の魔力を辿り、他の町へと移動したドラゴンが確認されている。
その戦いの場に残ったのはいつものアーデスのパーティ5名のみ。
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