ギレイの旅
冒険者登録2
試験1筆記
一般常識や、冒険者についての簡単な試験。
儀礼、余裕の100点。
獅子、「やってらんねぇ。わかるか」
早々に放棄、5点。
試験2魔岩破壊(対魔法力測定)
魔力を帯びた1mほどの岩を破壊し、その魔法力と属性などを計る。
儀礼、30点。
獅子、30点。
共に、魔力に関係なく物質として破壊した。
儀礼は白衣の中の秘密兵器を……ごほごほ。
獅子はまさしく力技だ。
ただし、この大きさの魔岩を純粋な力のみで壊すのは熊や象でも無理らしい。
試験3実践(対武人)
戦闘を主とした人たちとの手合わせ。
儀礼、10点。ぼろぼろ。
獅子、95点。楽勝。
獅子は9人抜きを果し、最後の一人も自分から負けを認めたことで加点につながった。
試験4脱出(危機対処能力)
敵対組織につかまったという想定で、地下の倉庫(牢屋風)から脱出する。
儀礼75点。
鍵を針金で開け、一人にも見つからずに脱出に成功。
獅子80点。
天井と、その先の壁に穴を開け、脱出。
完全な力技だが、圧倒された敵役は役目も忘れて動くことができなかったと言う。
結果発表。
儀礼、文人タイプ
頭脳A
知識A
魔法D
戦闘E
体力E
力 E
総合E
頭脳タイプだが、魔法と戦闘に関しては成長の見込みあり。
獅子、武人タイプ
頭脳E
知識D
魔法D
戦闘B
体力A
力 A
総合D
完全な武人タイプ。力に関しては驚異的。
儀礼が熱を出した。3番目の試験、戦闘時に怪我をしていたらしい。
なんでも、骨にひびが入るほどの一撃をうけていたそうだ。
あの、隅のテーブルで足を乗せていた金髪の男に……。
試験の結果と、いるはずの儀礼がいないことを試験官の一人であった男に聞いたと同時に、獅子はあの待合室兼酒場へと飛び出していた。
「てめぇ、さっきの儀礼への仕返しか?! 見ればわかるだろ、あいつが武人じゃねぇって!」
その男の襟首を掴んで獅子が言った。
すぐに言い返してくると思った男はしかし、困ったように視線を逸らした。
本来なら、獅子のような子供にこんなことされようものなら、泣いて謝るまで怯えさせそうな男が。
「悪かった……」
ぼそりとだが、確かに謝った。
「勘弁してやってくれ、すでにイシーリァ姉にこっぴどく絞められたんだ」
テーブルの周りにいた男の一人が獅子をなだめる様に止めに入る。
言われて、よく見てみれば、金髪の男のあちこちに痛々しいあざがついている。
「っち。あの人に免じて今は引いてやる。でも、もし儀礼に何かあったら、許さないからな!」
子供に似つかわしくない睨みをきかせて獅子は、乱暴に男の服を離した。
「俺だって、驚いてるんだ。あんなことするつもりはなかった」
金髪の男が話し出す。
「実戦でどの程度動けるのか確かめるだけだから、軽く行くつもりだった」
たまたまここにいたので、この男達は突然行われた試験のために試験の相手としてかり出されたようだ。
獅子が対戦したのはウィンリードのファンどもだったが、すぐには動けないほど痛めつけーー降伏させたので儀礼の相手がこの男達に回ったらしい。
(俺があんだけやったから。いや、そもそも中級クラスが相手するんなら手加減するのが当然だろ)
獅子が一人葛藤してるのも気付かず、男は話を続ける。
「あいつと向き合った瞬間、殺されるって気がした。一瞬でものすごい殺気を食らった気がして、気付いたら、体が勝手に動いて一撃喰らわせていたんだ」
男は自分でも信じられないと言った様子で語った。
「殺されるだ? 儀礼にか? どう考えても力に差がありすぎるだろ」
疑うようにというか、疑うしかない獅子。あの儀礼が殺気など、似合わない。
「本当だ、向き合うまではひどく緊張していたようだが、にらみ合った瞬間に……」
そう言って、男は何かを思い出したように、体を押さえる。
見てみれば、腕には鳥肌がたっている。
ここまでして嘘をつくだろうか。
「本能のような、俺の考えと別の段階で体が動いたんだ」
(本能ねぇ)
とりあえず、わざとやったわけではないようだ。いまいち納得はいかないが、獅子は儀礼の様子が気になった。
医務室で手当てしているはずだと聞いて、その医務室へ向かった。
最初の試験以外、ずっと別々に受けていたのでどれほどの怪我なのかわからない。男の様子だと、とっさとはいえ本気の一撃のようだ。
なのに、その後の試験もこなしているのが心配だった。
(無理をしてなきゃいいが)
そんなふうに考えながら、医務室に飛び込んだ瞬間、金髪の男の言っていたことがわかった気がした。
イシーリァに膝枕され髪を撫でられ、ウィンリードは何か液体のような物を小皿からスプーンですくって儀礼の口元へと運んでいる。
「はい、あーんして」
ウィンリードのおっとりとした声。
(人が心配してやったのに!)
確かに、獅子の意思とは関係なく儀礼を殺しそうになった。
一般常識や、冒険者についての簡単な試験。
儀礼、余裕の100点。
獅子、「やってらんねぇ。わかるか」
早々に放棄、5点。
試験2魔岩破壊(対魔法力測定)
魔力を帯びた1mほどの岩を破壊し、その魔法力と属性などを計る。
儀礼、30点。
獅子、30点。
共に、魔力に関係なく物質として破壊した。
儀礼は白衣の中の秘密兵器を……ごほごほ。
獅子はまさしく力技だ。
ただし、この大きさの魔岩を純粋な力のみで壊すのは熊や象でも無理らしい。
試験3実践(対武人)
戦闘を主とした人たちとの手合わせ。
儀礼、10点。ぼろぼろ。
獅子、95点。楽勝。
獅子は9人抜きを果し、最後の一人も自分から負けを認めたことで加点につながった。
試験4脱出(危機対処能力)
敵対組織につかまったという想定で、地下の倉庫(牢屋風)から脱出する。
儀礼75点。
鍵を針金で開け、一人にも見つからずに脱出に成功。
獅子80点。
天井と、その先の壁に穴を開け、脱出。
完全な力技だが、圧倒された敵役は役目も忘れて動くことができなかったと言う。
結果発表。
儀礼、文人タイプ
頭脳A
知識A
魔法D
戦闘E
体力E
力 E
総合E
頭脳タイプだが、魔法と戦闘に関しては成長の見込みあり。
獅子、武人タイプ
頭脳E
知識D
魔法D
戦闘B
体力A
力 A
総合D
完全な武人タイプ。力に関しては驚異的。
儀礼が熱を出した。3番目の試験、戦闘時に怪我をしていたらしい。
なんでも、骨にひびが入るほどの一撃をうけていたそうだ。
あの、隅のテーブルで足を乗せていた金髪の男に……。
試験の結果と、いるはずの儀礼がいないことを試験官の一人であった男に聞いたと同時に、獅子はあの待合室兼酒場へと飛び出していた。
「てめぇ、さっきの儀礼への仕返しか?! 見ればわかるだろ、あいつが武人じゃねぇって!」
その男の襟首を掴んで獅子が言った。
すぐに言い返してくると思った男はしかし、困ったように視線を逸らした。
本来なら、獅子のような子供にこんなことされようものなら、泣いて謝るまで怯えさせそうな男が。
「悪かった……」
ぼそりとだが、確かに謝った。
「勘弁してやってくれ、すでにイシーリァ姉にこっぴどく絞められたんだ」
テーブルの周りにいた男の一人が獅子をなだめる様に止めに入る。
言われて、よく見てみれば、金髪の男のあちこちに痛々しいあざがついている。
「っち。あの人に免じて今は引いてやる。でも、もし儀礼に何かあったら、許さないからな!」
子供に似つかわしくない睨みをきかせて獅子は、乱暴に男の服を離した。
「俺だって、驚いてるんだ。あんなことするつもりはなかった」
金髪の男が話し出す。
「実戦でどの程度動けるのか確かめるだけだから、軽く行くつもりだった」
たまたまここにいたので、この男達は突然行われた試験のために試験の相手としてかり出されたようだ。
獅子が対戦したのはウィンリードのファンどもだったが、すぐには動けないほど痛めつけーー降伏させたので儀礼の相手がこの男達に回ったらしい。
(俺があんだけやったから。いや、そもそも中級クラスが相手するんなら手加減するのが当然だろ)
獅子が一人葛藤してるのも気付かず、男は話を続ける。
「あいつと向き合った瞬間、殺されるって気がした。一瞬でものすごい殺気を食らった気がして、気付いたら、体が勝手に動いて一撃喰らわせていたんだ」
男は自分でも信じられないと言った様子で語った。
「殺されるだ? 儀礼にか? どう考えても力に差がありすぎるだろ」
疑うようにというか、疑うしかない獅子。あの儀礼が殺気など、似合わない。
「本当だ、向き合うまではひどく緊張していたようだが、にらみ合った瞬間に……」
そう言って、男は何かを思い出したように、体を押さえる。
見てみれば、腕には鳥肌がたっている。
ここまでして嘘をつくだろうか。
「本能のような、俺の考えと別の段階で体が動いたんだ」
(本能ねぇ)
とりあえず、わざとやったわけではないようだ。いまいち納得はいかないが、獅子は儀礼の様子が気になった。
医務室で手当てしているはずだと聞いて、その医務室へ向かった。
最初の試験以外、ずっと別々に受けていたのでどれほどの怪我なのかわからない。男の様子だと、とっさとはいえ本気の一撃のようだ。
なのに、その後の試験もこなしているのが心配だった。
(無理をしてなきゃいいが)
そんなふうに考えながら、医務室に飛び込んだ瞬間、金髪の男の言っていたことがわかった気がした。
イシーリァに膝枕され髪を撫でられ、ウィンリードは何か液体のような物を小皿からスプーンですくって儀礼の口元へと運んでいる。
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