この空の下で時計を握り君を待っている
13話 グランプリの行方
ライブが終わり半月が経った。
朝起きたら友人から連絡が来ていた。
明明後日にライブイベントやるんだけど急に申し訳ないけど良かったら出演しない?
随分と唐突だなぁ。今日1日考えるか。
あと2週間で全国高校軽音グランプリが始まる。
出るバンドは3年生のバンド、そして1.2年のバンドでオーディションをして僕達のバンド「SUPERS」が出る事になった。
1週間ほど前にコンクールで演奏するオリジナル曲を打ち込みにしてメンバーに渡した。
自分自身、初めて参加する大会なので全く想像がついていないので有利な曲調や場の雰囲気がどんな感じなのか掴めていなかった。
とりあえずシャッフル系の跳ねた曲を作りバンドメンバーに聴かせたところ、好評だったのでこの曲にした。
今日はコンクール曲練習の初めての日だ。
「じゃあとりあえず1回やってみようか。」
声をかけたら一斉に楽器を持ち出す。気合が体からにじみ出ていた。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
「おっ、結構いいんじゃないか?」
初めて合わせるにしてはかなり上出来だった。
「俺も結構上手く行けたかな。シャッフルだからリズム隊がしっかりしてれば割と合わせやすい。」
「なによりちょっと上手く見えるんじゃないか?」
笑いながら言う渋沢と真剣な眼差しで意見を言う竹崎が少し面白かった。
「確かにそんな感じだな。メトロノームで合わせて練習しよう。リズム隊はまとまってるけどギターとリズム隊をもっとまとめれば一体感が出る。」
「おっけー、やってみよう。」
メトロノームに合わせたり、各個人で自主練したりと自分達なりにいい結果を出そうと思った。
「さあ。今日はこれくらいにしようか。」
2時間近くいつも以上に集中していたので全員意識して欠伸を出そうとしているほど疲れていた。
すると小野先輩が近づいてきた。
「おっみんな頑張ってるねー。」
「普段慣れないようなことをしたら結構体力使ったようで。上を狙っているので頑張ったらこうなりました。」
「そりゃこうなるわ。」
少し笑いながら話をした。
「小野さんはどんな調子ですか?」
「ああ。そっか。まだ言ってなかったな。」
少し表情が曇った。
「俺さ、コンクール前に辞めようと思うんだよね。」
少し困った、いや曇っているというのがやはりピッタリな表情だった。
「何かあったんですか...?」
「すこしトラブルで。男子が少ないと女子が結構いざこざしてて困っちゃって。」
女子が多いと起こる特有の悩みだった。これは前にもあったことだ。小野さんは辞めてしまってコンクールも出場キャンセル、部活の雰囲気も悪くなりろくにライブも出来ないような、めちゃくちゃな状態になってしまう。
僕は「なんとかしないと」とばかり考えていた。やっとやり直せて少しずつ積み重ねていた物が壊れてしまうことは怖い。
「小野さん、辞めるなんて何の解決にもなりませんよ。コンクールもそうですが何より部長が辞められるとこの先の事がめちゃくちゃになりますよ。」
「まあ、そうかもな。少し考えさせてくれ。」
思ったより決意は硬かったのかもしれない。ちょっとやそっとじゃ動くものでは無いかもしれない。
「小野さん、良かったら次のライブ一緒にバンド組んで出ませんか?今の3年生のバンドに僕が入るって感じで。」
「え?いいけど。」
「ちょうど明明後日に僕の知り合いが出演者募集しているライブがあるんですけどどうですか?」
唐突な提案だったかもしれない。でもこれくらい無理矢理やらないとダメだと思った。
「え?急過ぎない?俺らは平気だけど、透は?」
「僕はリードギターやります。適当に合わせる感じで。」
「お、おう。分かった。メンバーに話してみる。」
絶対にあのバンドを解散させたくない。
その思いで必死に繋ぎ止めた。
朝起きたら友人から連絡が来ていた。
明明後日にライブイベントやるんだけど急に申し訳ないけど良かったら出演しない?
随分と唐突だなぁ。今日1日考えるか。
あと2週間で全国高校軽音グランプリが始まる。
出るバンドは3年生のバンド、そして1.2年のバンドでオーディションをして僕達のバンド「SUPERS」が出る事になった。
1週間ほど前にコンクールで演奏するオリジナル曲を打ち込みにしてメンバーに渡した。
自分自身、初めて参加する大会なので全く想像がついていないので有利な曲調や場の雰囲気がどんな感じなのか掴めていなかった。
とりあえずシャッフル系の跳ねた曲を作りバンドメンバーに聴かせたところ、好評だったのでこの曲にした。
今日はコンクール曲練習の初めての日だ。
「じゃあとりあえず1回やってみようか。」
声をかけたら一斉に楽器を持ち出す。気合が体からにじみ出ていた。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
「おっ、結構いいんじゃないか?」
初めて合わせるにしてはかなり上出来だった。
「俺も結構上手く行けたかな。シャッフルだからリズム隊がしっかりしてれば割と合わせやすい。」
「なによりちょっと上手く見えるんじゃないか?」
笑いながら言う渋沢と真剣な眼差しで意見を言う竹崎が少し面白かった。
「確かにそんな感じだな。メトロノームで合わせて練習しよう。リズム隊はまとまってるけどギターとリズム隊をもっとまとめれば一体感が出る。」
「おっけー、やってみよう。」
メトロノームに合わせたり、各個人で自主練したりと自分達なりにいい結果を出そうと思った。
「さあ。今日はこれくらいにしようか。」
2時間近くいつも以上に集中していたので全員意識して欠伸を出そうとしているほど疲れていた。
すると小野先輩が近づいてきた。
「おっみんな頑張ってるねー。」
「普段慣れないようなことをしたら結構体力使ったようで。上を狙っているので頑張ったらこうなりました。」
「そりゃこうなるわ。」
少し笑いながら話をした。
「小野さんはどんな調子ですか?」
「ああ。そっか。まだ言ってなかったな。」
少し表情が曇った。
「俺さ、コンクール前に辞めようと思うんだよね。」
少し困った、いや曇っているというのがやはりピッタリな表情だった。
「何かあったんですか...?」
「すこしトラブルで。男子が少ないと女子が結構いざこざしてて困っちゃって。」
女子が多いと起こる特有の悩みだった。これは前にもあったことだ。小野さんは辞めてしまってコンクールも出場キャンセル、部活の雰囲気も悪くなりろくにライブも出来ないような、めちゃくちゃな状態になってしまう。
僕は「なんとかしないと」とばかり考えていた。やっとやり直せて少しずつ積み重ねていた物が壊れてしまうことは怖い。
「小野さん、辞めるなんて何の解決にもなりませんよ。コンクールもそうですが何より部長が辞められるとこの先の事がめちゃくちゃになりますよ。」
「まあ、そうかもな。少し考えさせてくれ。」
思ったより決意は硬かったのかもしれない。ちょっとやそっとじゃ動くものでは無いかもしれない。
「小野さん、良かったら次のライブ一緒にバンド組んで出ませんか?今の3年生のバンドに僕が入るって感じで。」
「え?いいけど。」
「ちょうど明明後日に僕の知り合いが出演者募集しているライブがあるんですけどどうですか?」
唐突な提案だったかもしれない。でもこれくらい無理矢理やらないとダメだと思った。
「え?急過ぎない?俺らは平気だけど、透は?」
「僕はリードギターやります。適当に合わせる感じで。」
「お、おう。分かった。メンバーに話してみる。」
絶対にあのバンドを解散させたくない。
その思いで必死に繋ぎ止めた。
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