ゴブリン転生ファンタジー 〜異世界?いいえ、地球です。〜

バナナキムチ

第8話 食事

「んー、食えないことはないけど美味しくもないな」

強くなる決意をしたの良いものの、今は少し休みたい。
なのでついさっき倒したネズミの肉を食べている。最初のうちは、生の肉、それもネズミの肉を食べるなんて抵抗しかなかったが、空腹だったのとゴブリンに変わってしまったからなのか、ネズミの肉が美味しそうに見えてしまい、最終的に好奇心と空腹に負けてしまったのだ。

「まあ、不味くなかっただけマシか。今はゴブリンの味覚に感謝だな」

人間だった時に食べていたら絶対に一口も食えずに終わっていただろう。
洞窟なんだし、しばらくはこんな食事が続くだろうしな。はやく慣れないとな。それも、またネズミを倒すことが出来たらだけどな。

「だけど、今回の戦い方でいけば負けることはないだろうしな」

もしも、複数匹だった時はどうなるか分かんないけどな。それでも、今回の感覚なら2匹ぐらいまでなら何とかなるだろう。
ネズミ以外にも魔物がいるかもしれないがその時はその時だ。

「ふー、肉が筋張ってて食いにくかったけど、食事が出来ただけよかった」

満腹になるまで食べれたし、満足だ。

「さて、食事も終わったしそろそろ行くか」

このまま呑気に食休みなんてしてらんないだろうしな。
疲れのほうも大分取れたし、探索を再開しても大丈夫だろう。

俺は立ち上がるとネズミのやって来たほうへと進み始めた。

「しかし、丸腰だと不便だな。剣術スキルもあるんだし良い武器ないかな」

ずっと、素手だときついしな。なにか武器がほしい。
まあ、武器もあったらいいが、今はネズミをたくさん倒して強くなるのが先だろう。
素手のままでもネズミには勝てたし、敵わないかもしれない相手にあった時は逃げれば良いしな。

少し進むとそこには分かれ道があった。
どっちに進もうか悩む。あのネズミはどっちから来たんだろ。
ネズミの足跡とかを見て選ぶのが賢いやり方なんだろうが、足跡がいっぱいあってネズミの足跡なんてわからん。

「こういう時は勘で行こう。どっちに進んでもネズミがいる可能性はあるわけだしな。それに行き止まりだったらひきかえせば良いだけだ」

人間は分かれ道があるとほとんどの人が左に進むって聞いたことがあるな。
それがなんでだかは、覚えてないけど利き足がどうのと色々あるそうだ。

それなら、俺は右を行くか。理由はとくに無しだ。

俺はゆっくりと右の通路に入っていった。特に洞窟の中が変わり映えすることもなくいままで通りの洞窟の姿がそこにはあった。まあこんなもんだろう。
今は洞窟なんかよりネズミだネズミ。
強くなって異世界生活を満喫するんだ。ずっと弱いゴブリンでい続けるなんて真っ平ごめんだ。
俺は、ネズミを見つけようと少し早足になって進んだ。

すると、そうそうにネズミを発見できた。
さっきのネズミと見た目が大して変わってないから同じ種類の魔物なんだろう。

「俺の安全な異世界生活の糧になってくれ」

魔物の出る異世界を安全に生きるには強くなるのは、必要だろうしな。
強くなれればそれだけ安全になるだろう。そのためにも、だれにも負けないくらい強くならなければいけない。

俺はネズミへと駆け出した。そのネズミを倒していち早く強くなるために。

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