セブンスソード

奏せいや

8

 しまった、と思ったがもう遅い。メールは送ってしまった。まだ返信は来てないが不安になってくる。一花ならなんて返してくるだろう。

 たとえば、

【件名・Re教えて欲しい。

 おはよう駆。それでなんだけど、あんたは昨日私から五万円借りたの。だから今日返してね。分割でもいいから。じゃあね~】

「…………」

 あり得る。最悪だ。

 駆は頭を抱えたくなる気持ちをぐっと堪えベッドから降りた。

 学校へ行こう。なにはともあれ今日は月曜らしい。ならば行かねばならない。いろいろ憂鬱な気持ちはあるが仕方がない。自分が蒔いた種だ。平常心の大切さを噛み絞めつつ、駆は制服に着替えるため上着を脱いだ。

 そのとき、鏡に映った自分を見る。

「!?」

 そこにあるものに意識が凍る。

 胸には、リング状の痣が浮かんでいた。

 すぐに自分の胸を触る。ある。あの時の痣が。固まった。そのまま見つめ続ける。記憶と現実が一致する。

 夢ではない。

 夢ではないのだ。

 あれらはすべて起こった出来事。

 そして。

 時は来る。裁きの時が。

 選択の時が。

 さあ、進め。悪辣と甘美の道を。

 そこで知るがいい。己が何者なのかを。




『セブンスソード 悪魔召喚師編』

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