セブンスソード

奏せいや

241

「私がスパーダを奪ったところでその度に世界が改変されるのであれば意味がない。よってこれ以上の介入を止めたまでだ」

 ハードライトの説明が終わる。セブンスソードは団長創造の儀式ではあるがそれは半分が正解で半分が間違い。その実それは剣聖グレゴリウスの復活だった。

 しかしそれは実らず、彼らの心配は払拭された。

「そうでしたか」
「まったく、ひやひやしたぜ。そういうことならいいんじゃねえか? 俺たち最大の懸念事項はイカレクソ野郎、グレゴリウス君の復活だ。あいつがいないんならなんとでもなる」

 問題がなくなったわけではないが最悪の事態は免れている。六代目が言った通り剣聖さえ復活しないのであれば問題はない。

「ではこのまま計画通りに。よろしいですね?」
「一つ」

 そこで別の者が口を開いた。女性が顔を向ける。

「何でしょう、八代目」
「最近、リリンが動いているようだ」
「リリン……」

 その言葉にこの場の雰囲気が別の緊張感を滲ませる。

「あの者たちが動くとは。事態は佳境に入ったということですか」
「GWⅢが近かづいている証拠だろう。そのためにやつらも活動している。警戒は必要だ」
「そうですね」

 八代目からの報告。それはセブンスソードとは別の脅威だ。それはここにいる全員が知っている。自分たちの敵の名にこの場の空気が重くなっていく。

 そこで、二代目が口を開く。

「アダムとイヴの子孫たる我らイヴン。そしてリリスと悪魔の子孫たるリリン。二つの人類。その地上争奪はすでに始まっている」

 ここは荘厳なる城。いるのは偉大なる者たち。

「その勝負に打ち勝ち、人類を導き救済するのが我らが使命。そのための我らが計画」
「分かっている」

 二代目の言葉をハードライトが引き継いだ。

 我らが使命。

 我らが計画。

 それらはすべて人類救済のため。

「そのためにも初代団長の完全なる降臨を。そのために我らはここにいる」

 このテーブル席には左右に四つの席があり、前後に一つずつ席が設けられている。

 その一つ、舞台側の席は未だ空席だった。

「それこそが」

 ハードライトは宣言する。ここにいる意義。これから成すことの意味を。

 それらはすべて使命のため。計画のため。

 栄光ある、人類未来のために。

「我ら、真の魔卿騎士団。テスタメントの使命だ」


 セブンスソード編 完

 次回 悪魔召喚師編

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