セブンスソード

奏せいや

222

「行っちまったな」

 隣に星都がやって来る。星都も兄さんが消えていった場所を見つめていた。

「そうだな。でも、また会えるさ」

 星都が俺を見る。

 また会える。それがいつかは分からない。でも、きっとまた会える。なぜならば。

「なんだって、俺たちは時間も生死も越えて再会したからな」

 そんな再会を果たした俺たちだ、生きているならまた会えるさ。

「ハッ、そうだな」
「ああ」

 だから、これが最後だなんて思わない。不安なんてない。

 俺は振り向いた。そこにいるみんなと合流する。

「これは」

 町の景色が変わり出す。壊れた建物は元通りになり視線を外に向ければ走る車のライトが見える。

「戻ってきたみたいだな」

 セブンスソードは終わった。だから結界も消えたらしい。管理人もいない今、正真正銘セブンスソードは終わったんだ。

 長かった旅が、ようやく終わる。元気な香織。そして敵ではなく味方としているみんな。俺が目指したゴールがここにある。

「帰ろうか、俺たちの居場所に」

 苦しいこと、辛いこと、たくさんあったけど。ようやくここまで来られた。

 ここからは、俺たちの未来だ。

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