セブンスソード
29
掃除は終わり俺たちは約束通り四人で集まった。場所はまた屋上だ。ここには俺たちしかいない。
星都と力也を見てみるがやはり表情には陰が差し暗澹(あんたん)としている。きっと俺も同じ顔をしているんだと思う。
四人でここに来てから十分ほど経ったが、それまでずっと沈黙していた。
でも、こうしていても解決しないんだ。
決めなくちゃな。俺は意を決しみんなを見た。
「みんなが今、なにを考えているのかは分かる」
俺が話し出したことで三人が俺を見る。
「セブンスソード。いきなり殺し合いだって言われてショックなのは分かる。俺だってそうだ。でも分かってるはずだ、このまま時間が過ぎるだけじゃ駄目だって。具体的にどうするか決める必要がある」
「うん。聖治君の言うとおり。私たちには時間がない。どうするか話し合わないと」
「でもよ、じゃあどうしようって? やる、やらないにかかわらず結局殺されるんだろ?」
星都の主張も分かる。道は塞がっている。行くも戻るも出来ない。 
「みんなにも考えがあると思うがまずは俺から言わせてくれ。まず、俺たちがセブンソードに参加するメリットなんて何一つない。だから逃げるべきだと俺は思う」
この考えを二人に言うのはこれが初めてだ。この答えを聞いて二人は大きく頷いた。
「そうだよな」
「うん、僕もそう思うんだなぁ」
星都や力也もそのつもりのようだ。それだけで俺も安心できる。二人も殺し合いなんて嫌なんだ。そう、誰だって怖いに決まってる。
「ただ」
二人の表情が止まる。俺は沙城さんに向き直った。
「沙城さんには事情があるらしい」
「あ? 参加するって?」
「そんな~」
「……うん」
二人にしてみればショックだろう。俺だってそうだ。沙城さんは自ら殺し合いに参加する気で、知らない人間からすればとてもではないが正気とは思えない。
「私にはセブンスソードでしなくちゃならないことがあるから。だから私は退けない。この儀式で戦う理由があるの」
軽々しく言えることじゃない。だけど沙城さんは言い切った。そんな風に言われ星都と力也は閉口している。
「聖治君たちは逃げて。それが一番いいわ。でも、管理人が現れる可能性は高い。逃げるにしても慎重にね」
自分がこれから儀式に参加するというのに俺たちの心配までしてくれる。
やっぱり、彼女は優しい。俺を助けてくれた時だってそうだ。彼女は自分が死ぬかもしれないのに俺のために戦ってくれた。
そんな人が、これからも一人で戦おうとしている。
俺は、まだ迷ってる。恐怖が暗雲のように心を閉ざそうとしてくる。
でも。
「…………」
どうするべきか、俺自身が決めなくちゃならない。
「彼女はなんでもあるスパーダを手に入れないといけないらしい。それが彼女の理由だ」
「え、それってまさか俺たちの誰かっていう」
「ううん、大丈夫。それはないから。それに倒す必要はないの。相手が同意してくれればついて来てくれるだけでいいし」
「ふぅー。おどかすなよな」
「星都。力也」
改めて二人を呼ぶ。正直、俺の中で答えはまださまよっていた。スナイパーライフルのスコープを覗いているがふわふわと動き的を狙えないような、そんな感じ。
でも、狙う標的はすでに決まっているんだ。あとを意を決めて、引き金を引くだけ。
決めろ、覚悟するんだ。
俺は、胸の中で引き金を引いた。
「俺は、沙城さんと一緒に参加する」
「聖治!」
「聖治君~」
「ちょっと待って!」
俺の発言に一番驚いたのは他ならぬ沙城さんだった。俺のもとまで近づいてくる。
「どうして? そんなの駄目だよ、聖治君は逃げてもいいから」
俺を見上げ必死に抗議してくる。
「説明したでしょう、これは殺し合い。死ぬかもしれないの。私はその覚悟を決めてきた。でも、聖治君は別なんだよね? なら」
「そうだぜ聖治、カッコつけてる場合かよ」
「止めた方がいいよぉ」
星都と力也を見てみるがやはり表情には陰が差し暗澹(あんたん)としている。きっと俺も同じ顔をしているんだと思う。
四人でここに来てから十分ほど経ったが、それまでずっと沈黙していた。
でも、こうしていても解決しないんだ。
決めなくちゃな。俺は意を決しみんなを見た。
「みんなが今、なにを考えているのかは分かる」
俺が話し出したことで三人が俺を見る。
「セブンスソード。いきなり殺し合いだって言われてショックなのは分かる。俺だってそうだ。でも分かってるはずだ、このまま時間が過ぎるだけじゃ駄目だって。具体的にどうするか決める必要がある」
「うん。聖治君の言うとおり。私たちには時間がない。どうするか話し合わないと」
「でもよ、じゃあどうしようって? やる、やらないにかかわらず結局殺されるんだろ?」
星都の主張も分かる。道は塞がっている。行くも戻るも出来ない。 
「みんなにも考えがあると思うがまずは俺から言わせてくれ。まず、俺たちがセブンソードに参加するメリットなんて何一つない。だから逃げるべきだと俺は思う」
この考えを二人に言うのはこれが初めてだ。この答えを聞いて二人は大きく頷いた。
「そうだよな」
「うん、僕もそう思うんだなぁ」
星都や力也もそのつもりのようだ。それだけで俺も安心できる。二人も殺し合いなんて嫌なんだ。そう、誰だって怖いに決まってる。
「ただ」
二人の表情が止まる。俺は沙城さんに向き直った。
「沙城さんには事情があるらしい」
「あ? 参加するって?」
「そんな~」
「……うん」
二人にしてみればショックだろう。俺だってそうだ。沙城さんは自ら殺し合いに参加する気で、知らない人間からすればとてもではないが正気とは思えない。
「私にはセブンスソードでしなくちゃならないことがあるから。だから私は退けない。この儀式で戦う理由があるの」
軽々しく言えることじゃない。だけど沙城さんは言い切った。そんな風に言われ星都と力也は閉口している。
「聖治君たちは逃げて。それが一番いいわ。でも、管理人が現れる可能性は高い。逃げるにしても慎重にね」
自分がこれから儀式に参加するというのに俺たちの心配までしてくれる。
やっぱり、彼女は優しい。俺を助けてくれた時だってそうだ。彼女は自分が死ぬかもしれないのに俺のために戦ってくれた。
そんな人が、これからも一人で戦おうとしている。
俺は、まだ迷ってる。恐怖が暗雲のように心を閉ざそうとしてくる。
でも。
「…………」
どうするべきか、俺自身が決めなくちゃならない。
「彼女はなんでもあるスパーダを手に入れないといけないらしい。それが彼女の理由だ」
「え、それってまさか俺たちの誰かっていう」
「ううん、大丈夫。それはないから。それに倒す必要はないの。相手が同意してくれればついて来てくれるだけでいいし」
「ふぅー。おどかすなよな」
「星都。力也」
改めて二人を呼ぶ。正直、俺の中で答えはまださまよっていた。スナイパーライフルのスコープを覗いているがふわふわと動き的を狙えないような、そんな感じ。
でも、狙う標的はすでに決まっているんだ。あとを意を決めて、引き金を引くだけ。
決めろ、覚悟するんだ。
俺は、胸の中で引き金を引いた。
「俺は、沙城さんと一緒に参加する」
「聖治!」
「聖治君~」
「ちょっと待って!」
俺の発言に一番驚いたのは他ならぬ沙城さんだった。俺のもとまで近づいてくる。
「どうして? そんなの駄目だよ、聖治君は逃げてもいいから」
俺を見上げ必死に抗議してくる。
「説明したでしょう、これは殺し合い。死ぬかもしれないの。私はその覚悟を決めてきた。でも、聖治君は別なんだよね? なら」
「そうだぜ聖治、カッコつけてる場合かよ」
「止めた方がいいよぉ」
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