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VRMMO生活は思ってたよりもおもしろい

夏月太陽

72.合同でクエスト 5


 サラマンダーをプルルンが単独で倒したことに唖然とした後、次のモンスターを探した。

 見つけた。いや、見つけたと言うより見つかったと言った方が正しい。

 そのモンスターは、空から僕達を見つけて目の前に着陸してきてたからだ。

 出てきたモンスターは、ハヤトによると『スノーイーグル』という真っ白な鷲のモンスターで、鷲のくせに大きさがグリフォン並み、攻撃方法は羽ばたいて吹雪を起こし、吹雪に当たったプレイヤーを氷漬けにしてから滑空して体当たりでダメージを与えてくるモンスターだそうだ。

「うわぁ、このモンスターは面倒ですよ……」

 現れた瞬間にハヤトが本当に面倒そうな顔をしながら言うくらいに、『スノーイーグル』は厄介なモンスターらしい。

 しかし、厄介なモンスターという説明を聞いたにもかかわらず、リュウジくんは真っ先に『スノーイーグル』と対峙した。

「リュウジくん、話聞いてた!?」
「うん、『スノーイーグル』がつよいってことだよね!」

 自信満々に答えるリュウジくん。

 違う、そうじゃない。

 確かに強いけど、強いけども、今の話を総じたら“『スノーイーグル』は強い”に行き着くけども……そうじゃない。

 というか、薄々思ってたけど、強い奴に嬉々として挑むって、それどこの戦闘民族?

 そんなことを思っている間に、リュウジくんは『スノーイーグル』と戦おうと刀を抜いていた。

 それな対して『スノーイーグル』は、飛び上がってある程度の高度まで上昇すると、羽ばたいて吹雪を起こした。

 吹雪の範囲は思っていたよりも広く、相撲の土俵4つ分ぐらいの範囲がスケート場と化した。

 僕達はと言うと、足首くらいまで凍らされはした。

 しかし、凍るのは状態異常に入るため、ブランが可及的速やかに全員に触(ふ)れて回復させてくれた。

 それを見た後、リュウジくんはと思ってリュウジくんの方を見ると、吹雪が当たる前に『スノーイーグル』の後ろ側まで走ったことで凍ることを避けていたようだった。

 それを見て安心していると、脚をペシペシ叩かれる感覚がした。

 なんだろう? と思って足元を見ると、全員を回復させてくれたブランが、足元で褒めてほしそうに僕のことを見詰めていた。

 可愛いなあと思いながらしゃがんで頭を撫でつつ言葉を掛けた。

「ありがとう、ブラン。お陰で凍らずに済んだよ」
「クゥ!」

 僕に頭を撫でられながら、「えっへん!」とばかりに鼻をフンスと鳴らして誇らしげにするブラン。

 いやぁ、やっぱり可愛いなあ。最近ずっと愛でてなかったから、一層可愛く感じる。

 のほほんとブランを撫でていると、マクロに怒られた。

「おい、リュウ、そんなことしてる場合じゃないだろ!」
「回復してもらっておいてその言い草は無いよね?」

 僕がそう言うと、カナデ,クリア,マサトがこう言った。

「そうだな。その子のお陰で俺達凍らずに済んだんだもんな」
「そうそう、少しくらい良いじゃんかよ」
「うんうん、合同でやらせてもらってるんだから、文句言ったらダメだよ」

 完全に僕側になってるな、この三人。

 僕が言うのも難だけど、マクロへの当たりが強くなっていってる気がする。

 まぁ、原因は僕なんだけどね。

「ちょっ、なんでお前らリュウの味方ばっかするんだよ!? 俺の仲間だろ!?」

 マクロが本気の叫びを上げると、三人はあからさまに話を逸らした。

「そんなことより『スノーイーグル』をなんとかしないと!」
「そうだった! リュウの従弟だけじゃ無理があるし、手伝ってやろうぜ」
「そうだね、そうしよう!」

 三人はそう言ってリュウジくんのところへ走っていった。

 残されたマクロは、三人の行動が速すぎて理解ができていないのか、心ここにあらずといった状態で突っ立ったまま何も言わなかった。

 『スノーイーグル』の方はと言うと、カナデ,クリア,マサトが参戦したことにより、あっという間に倒された。

 リュウジくんでは飛んでいる『スノーイーグル』に攻撃ができなかったため、カナデが魔法で叩き落としたところをリュウジくんに攻撃させていた。

 プルルンが居るから氷のつぶてで落とせるんじゃないかと思ったけど、『スノーイーグル』には氷系の攻撃は効かないので、この考えは意味がなかった。

 加えて、ドラゴンであるドラはステータス底上げの能力しか備えていないので、実質リュウジくんには対空装備が無い状態だったので、カナデ達が参戦してよかったと思う。

 あとで何かお礼しなきゃ。

 そんなことを思いつつ、『スノーイーグル』を倒し終えたので、次のモンスターを探すことにした。

 次のモンスターを探している最中、マクロがカナデ達を質問攻めにしていた。

「なぁ、俺とお前らって、友達だよな? なぁ?」
「なんだよ急に……友達に決まってるだろ?」
「だったら、なんでさっきからずっとリュウの味方ばっかするんだよ? 友達なんだよな? 友達なんだよな? なぁ?」
「鬱陶しいな……そりゃリュウの味方した方が面白いからに決まってるだろ?」

 カナデが素っ気なく返すと、他の二人がうんうんと頷いた。

「リュウの味方して何が面白いんだよ? 俺がからかわれてるだけじゃないか!」
「それが面白いんだよ」
「……えっ?」

 即答だった。即答過ぎてマクロの理解が追いついてなかった。

 するとそこへ、リュウジくんの声が聞こえてきた。

「みつけたよ! おっきなアリさん!」

 大きな蟻? と思いつつリュウジのところへ行くと、そこには車一台分ぐらいの大きさの蟻が一匹リュウジくんと対峙していた。

 結構リアルな蟻で、少し気持ち悪い。というのが見た瞬間の感想だった。


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