殺人狂の隣に

Elisha

7話,常闇の夜

「なあどうなんだ!!なんとかいってくれよ!」
俺は全力で問いただした。しかし、彼女は答えてくれない。犯人に脅迫とか?言えない事情があるとか?あーもー!
「ごめん、そのことについては言えないの。お願い。もう電話切るね。」
「おい。ちょっとまっ…」
ツーツー
…。どういうことだ…。奏がこんなふうに隠し事をすることなんてなかった。何に関しても真面目で誠心誠意やっていた。おかしい。何かがおかしい!あ~!クッソ!もっと違う視点から考えろ!こも頭を活かせ!………。まず犯人の特徴は女性…150cm台。パーカー姿で紺色のスカート…。土地勘がある。あ~これでナーニが分かんだ!お、ちょっと待てよ。紺色のスカート…土地勘…うちの学校の生徒?
ピピピ
「もしもし」
「明日翔君…さっきはちょっとごめん。私、あの事件が起きたとき…私はすぐ走って逃げたの。何だが申し訳ない…。それと、犯人はサバイバルナイフを持ってたの。じゃあねおやすみ…。さっきはほんとにごめん」
「ちょ…」
ツーツー
ああ。疲れた。俺はその日、すぐ眠りについた。せっかくのヒントも忘れたまま。
─翌朝─

いつみのごとくテレビをつける。昨日は早く寝たせいでかなり早くに起きてしまった。
『速報です。またも〇〇市で殺人事件が発生しました!同じような手法で同じ場所です。中継です!』
『中継です!こちらは〇〇市です。先程、殺人事件が発生しました。連続殺人と見られます。また、ここ数日、窃盗や殺傷事件も多発しています!』
…。もう言葉にならない。俺も殺させるのか?この土地に恨みでもあんのかよ!クソッ!俺は何故か散歩がしたくなった。そして、奏の家の方へと自然と向かった。家のすぐそこで人が殺される。今までにこんな恐怖あっただろうか。実態のない、おばけよか怖い。すると、視界にスローで入ってきた。あれは…奏でだ。パーカーにスカート?珍しいな…しかも制服のやつ…。
「おーい!奏〜」
「はっ…。あ、明日翔君…?なんでここに…」
「お前こそ!危ないじゃないか!」
そう言って強制的に家に返した。全く!無防備すぎだろ。はあ
「じゃあな気をつけろよ」
「明日翔君もね!」
そう言ってドアを閉めたあと、ぼそっと一言が聞こえた。
「どうして…来ちゃったのよ…。せっかくのチャンスのがしちゃった。」と。まあ空耳だろうとその時は思っていた。

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