吸血鬼と同居人

黒羽 響

1話:死からのリスタート

桜の花びらが舞い落ち、空は雲ひとつない快晴の日、私筒井春日つついはるかは公園前の道路で車に引かれそうになった5歳ぐらいの子供を助けて死んだのです。

「...ぃ..きろ」
何が起きたのでしょうか?..よく思い出せません...
「ぉ...ぉ...」
確か子供がトラックに引かれそうになってそれで...私が身代わりになって...死んでしまったのでしょうか....?
「ぃ...かげん...」
でも意識はあるし感覚もあるじゃあここは病院..なんでしょうか?
「いい加減起きろぉ!!」
「うぎゃ!?」
鼓膜に大きく響いた声によって目を開けると、そこにはなにもない空間というかただ真っ白な空間が広がっていた。
「何処なんでしょうかここは...病院ではなさそうですね。」
先程聞こえた声の主は誰なんでしょうか?
その方に聞けばここがどこか分かるかもしれません。
と、思いましたがなぜ誰もいないのでしょうか?幻聴だったのでしょうか?車に跳ねられましたからどこか脳に異常があるのでは?
「やっと目を覚ましたか筒井春日よ。というか寝過ぎじゃ!!」
「わぁあ!?ど、何処からか声がします!ここには誰もいないのに....うぅーん..あ!夢ですか寝ましょう!」
「何が寝ましょう!っだ!起きろ!はぁあ、もう!めんどくさい。今からお主の大事な転生について説明するというのに..。」
転生?........転生...て・ん・せ・い?
「あの私って死んじゃったんでしょうか?」
「........そうだぞお主はトラックに引かれた死んだんじゃ。」
そう....だったんですね。
その時私はただひとつとても気になることがあった。子供...
「あの..子供は...無事なんでしょうか?」
もし助けられていなかったらと思うと発した言葉が震える。
「あぁお主が死んでまで助けたあの子供のことか。それなら安心せいあの子供は無事じゃ。」
よ、よかった~と一気に気が楽になる。もし救えていなかったら死んでも死にきれないです。
「聞きたいことはそれだけか?」
「あ、は、はい!ありがとうございました。」
「そうか、なら今から転生について説明するからよぉく聞くのだぞ。」
あ、そうか転生かぁ~、転生するなら住みやすい世界がいいなぁ....
「まずこの転生とは極僅かなものにしか訪れないことなんじゃ。それがお主に訪れたと言う訳じゃ。」
今まで宝くじや福引きなどの運を使うものはからっきし駄目でしたがまさか死んだ後に運が訪れるなんてついているのやらついていないのやらわかりませんね。
「転生では声、顔、性別、体型様々な事が変えられるがどうする?変えるか?」
そんなことまでできるのですか。驚きですね。今は身長は161cmで胸はcカップと微妙なラインですね。髪の色橙色で長さはは長くもなく短くもないと言ったところでしょうか?男性にもなってみたいというのもありますがやっぱりなれている女性のほうがいいですね。でも少しだけ成長させたいと言う願望があります色々と...よし!
「決めました!私もうちょっと大きくなりたいです!色々と」
「あーその事なんだがもう時間が残り少ない。だから体型などの変化は難しいからちゃっちゃと転生の儀に移るぞ」
........んへぇ?
「ちょちょちょっと待ってください!早くないですか?私まだ全然状況がわからないんですが。」
「それはお主がいつまでたっても起きないのが悪いのじゃ。最初からここにいる時間は決まっていたんじゃよ。」
「で、でも....」
はぁー、とため息をはく神?のような存在のものはとてもめんどくさそうですね。仕方ありません!これは私が起こした失態です。体型なども色々と変えてみたかったですがおとなしく言うことを聞いてちゃっちゃと転生してしまいましょう。
「ちゃんと整理できたか?お主。」
「はい!未だに信じがたいことですがお願いします。」
「なら行くぞ。」
身の回りに緑色の蛍のような光が現れる。
それがあっという間にそれが私の体を包み込んだ。だんだん意識が無くなっていく。
「頑張るのじゃよ。筒井春日よ。」
その言葉を境に私は意識を失った。
「....................................行ったか。筒井春日、奴の心はとても興味深いからな我の暇が少しでも埋まればいいのだが。でなければ筒井春日を殺した意味が無くなるからな。あの世界は壊れかけている。奴がどう攻略するのか楽しみだ。」

ドスン!という音が建物内に響き渡る。
「この人間がこの世界を救う転生者か...うむ、この人間、寝ているのか...ここで寝ると風邪を引くな...ベットに運ぶか。」

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