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剣と魔法の輪廻譚

にぃずな

悩ましさと、不信感

シュナside

ミフユの学業復帰から、数日が経過した。
今日、私は学校を仮病でサボって【冥界門扉ハデスゲート】に入った。
この中だと時間感覚がえらく鈍るので、ある程度の時間がほしかった為、一日という期間を設けた。
中に居たルチットはと言うと、相変わらずの際限の無い元気さだ。
「待ってたよぉ、お姉ちゃん」
「その呼び方止めて。私のことをそう呼んでほしい人はミフユだけだから」
「つれないなぁ、まぁ、良いんだけど」
つまらなそうな表情で口を尖らせているルチット。
「前に言った通り、色々聴取するから、覚悟して」
「良いよぉ、隠す理由もないしねぇ」
「じゃ、最初の質問。何で私達を狙ったの?」
ルチットは思い出すような仕草をしてから、ニコニコしながら回答した。
「それはねぇ、依頼があったからだねぇ。ペル=リネット家は暗殺を主にする家柄だからさぁ、あたし達は、ただお偉いサンにお姉ちゃん達を『殺してくれ』って言われただけ。はい、他に何かある~?」
「……そのお偉いさんって、誰?」
「帝国騎士の人だよ、確か、お姉ちゃんのお父さんが副団長なんだっけぇ?」
その名称に、内心悪態をつきながら『あいつらか』何て思ったりしつつ、苛立ちをなるべく隠しながら相槌を打つ。
「……そう。で、次はあんたらの名前」
「指名手配でもするのぉ?」
にたにたと笑いながら、ルチットは楽しそうにそう聞いてくる。
そんなルチットを尻目に、私はぶっきらぼうに対応する。
「しない、ある程度聞き出したらあんたは用済みだから。放るなり斬るなりするよ」
「そっかぁ、じゃあ、質問されるだけじゃイヤだし、等価交換ってことにしない?貴女は、あたしから幾らでも情報を聞ける。貴女は…………う~ん……」
ふとルチットの表情が消えて、悩んだ表情に変わった。
「何か悩むような条件なの?」
「ん~、どうだろうね。お姉ちゃんは困るんじゃない?」
「良いよ、言ってみな。それから考える」
「……………やっぱ良いや、面倒くさくなっちゃった」
引っ掛かるような言葉に、少しだけ顔をしかめてしまった。
それから、長時間の問答を終えた。
「………はい、これで終わり。取り敢えず、あんたの処理は保留にしとくから」
「………うん、わかった」
またまた引っ掛かるような感じに、ぶっきらぼうな口調を緩めて聞いてみる。
「………何で、そんなに元気無いの?」
「ん~ん、別にあたしは元気だよぉ?」
「…………そう」
何がなんでも言わなそうな雰囲気で、諦めるしかなさそうだ。
私はため息をついてから、現界へのゲートを開いて、出ようとした、そのときだった。




「待って……っ!」




「……言う気になったの?」
静かに問うと、ルチットはゆっくりと弱々しく頷いた。

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