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剣と魔法の輪廻譚

にぃずな

復帰

ミフユside

「復活したぞ~!!」
「やったな!主!!」
「一時はどうなるかと思ったけどね」
傷が完全に癒えたわけではないけど、このまま治るまで休んでいたら先が思いやられるので、無茶をしないと言う約束のもと、復帰が許された。
例の騒動から、約一週間程が経過している。
お姉ちゃんの飽きれ半分、嬉しさ半分の表情と、テルトの心底嬉しそうな表情に思わず頬が緩む。
「……ちゃんと、生き残れたね」
不意に漏れた言葉に、お姉ちゃんは目を瞑って安堵しながら頷いた。
「一時はどうなるかと思ったけど、良かったよ、本当に」
異世界は、いつ死ぬかわからない。その認識は変わらない。
冒険と出会いと別れと、痛みと歓喜に溢れた世界だと、昔の私は思ってもいた。ダークファンタジーの読み過ぎのせいで負の感情や表現があるけれど。
異世界にいて、その認識に間違いはないとも分かっている。
でも、それと比例して、積もりゆくは、不安と絶望と、恐怖と怒り、悲しみと苦しみだ。
異世界に来れた喜びを悉く捩じ伏せたのは、それらの感情たちだ。
だからこそ、いつもの仲間や家族と過ごす一時の幸せが、日常が、何よりも尊く感じることができる。
「ねぇ、ミフユ。ちょっとだけ良い?」
「?どうしたのお姉ちゃん?」
「後ろ髪、少し蒼くなってない?」
そう言われて、鏡で確認する。言われた通り、後ろ髪の一部が蒼く、詳しく言うなら水縹色になっている。
私は、あの時の戦闘で、不完全な状態の《戦神ノ炎眼》を使用した。
あの時も後悔したし、今だってそうだ。自分の後先考えない性格を呪いたくなる程に。
不完全にも理由がある、魔力の上限と不安定で焦り気味の思考が原因であることは分かっている。
代償が、寿命であること、それも知った上で無駄撃ちをしたんだ。
髪の変色は、それのタイムリミットを表す。
死ぬこと自体は怖くないし、良いけれど、それでも。




_______皆といれる時間を減らしたことには変わり無かった。




「ミフユ……?」
「ん、あぁ、何でもないよ。ちょっと思うところがあっただけ、それに……」
視線が少し痛いし、空気が重いので、軽くどや顔とジョークをかます。

「ちょっとカッコ良くない?青メッシュ」
「確かに、主に似合ってるな!!」
瞳をキラキラさせているテルトの健気さに、今も昔も救われる。
「でしょ~、こういうの前からやってみたかったんだよね」
「………はぁ、まぁ、趣味とかってことにしとくよ」
お姉ちゃんは察しているけど、今回は目を瞑ってくれることにしてくれたようだ。ありがたい。
正直なところ、自らの身を壊して戦うのが私の十八番おはこと言っても過言ではない。
否、その戦闘スタイルがダメなことも、ずっと理解している。
皆の為に、そう思って身を滅ぼすことが、どれ程残酷なことか。私は嫌と言う程知っている。
《戦神ノ炎眼》の力をくれた彼だって、身を滅ぼしてもらう為にこの力を譲渡してくれた訳じゃない。
『一緒にいる為にはしょうがない』など、結論でも正解でもない。
私の結論は違っているし、皆の欲しい正解じゃない。だからこそ、私はいつまでも納得のいくコタエを、最善を探し続ける。











失わないために、生きている間は、悔いの無いように、満足するまで一緒にいる為に。





















後書き

にぃずなです。
ストーリー自体は全然進んでない、とか、言わんといてくださいね……。
これでも頑張ってるんです。

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