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剣と魔法の輪廻譚

にぃずな

番外 クリスマス

外は完全に冷えきり、部屋では暖房をがんがんにつける季節。
そんな季節の大イベントと言えば。
「やっぱり、クリスマスだよね」
一応こっちの世界にもクリスマス的なのはある。
この日だけ、五創神というのの一人、月創神ガーネリアが現れた時の月と同じのが現れるらしい。
その月の色が柘榴色だったことと、月創神の名前を捩って、名称は【創神の月ガーネット-ムーン】という。
そんな経緯の記念日が近いので、街は騒がしくなっている。
「いやぁ、色鮮やかだね」
「そうだね~、緑と赤が良く目立つね~」
マフラーや手袋をして街中をぶらぶらとする。
白い雪が一層冬の寒さを増させ、クリスマスを彩っている気もするが。
「さて、今日は何を作るの?」
「やっぱり、ケーキかなぁっと、クリスマスにはケーキでしょ」
「それの買い出しっていうわけか~」
ぬいぐるみなどに少々目がいくが、本命はケーキの材料である。
定番はショートケーキだろうか、チョコケーキやチーズケーキも良いが。
そんな感じで街中を歩いていると、お姉ちゃんが一つのお店にかけよって、何かを手に取った。
「ねぇねぇ、ミフユ!これ買っても良い?」
手に持っているのは、サンタの帽子を被った熊のぬいぐるみ。
その前にである。
「私はお母さんなの?」
「主導権はミフユにあると思うんだ~!ねぇ、ダメ?」
キラキラとさせた目は、クリスマスツリーの星とイルミネーションを連想させる。
(でもねぇ……)
これでもし良いと言ってしまったら、毎年買うようになる可能性がある。
そして、家の中が大変なことになるため、本来なら避けたい。
が、しかし。
(う……お姉ちゃんの純粋な眼差しが……っ)
お姉ちゃんが子供のようにねだってくることは非常に珍しい。
そして年齢にたいして圧倒的に幼くなっている気がする。
(可愛い……っ、買ってあげたい……っ)
私の脳内の天使と悪魔に問い掛けても。
『『可愛いから買ってあげましょうあげようよ!!』』
と、おんなじ回答を得てしまった。
そして、数分間自分の理性と葛藤し。
「良いよ、買ってあげるから」
「良いの~!!ありがとう、ミフユ~!!」
そして、レジへ行き、会計を済ませた。
「やってしまった……」
少しの後悔がなくもないが、結果オーライにしよう。
「ねぇねぇ、ミフユ、こっち見て」
熊のぬいぐるみをぎゅ~と抱き締めながらお姉ちゃんがそう言ってくる。
「ん?どうした……の」
横へ振り向いた瞬間である。


____熊のぬいぐるみの口と私の口がくっつく。


一瞬行動の意味を理解できなかったが、すぐに理解した。
「ちょっ、お姉ちゃん!?」
「えへへ~、やってみたかったんだ~」
耳まで熱くなるような感覚。
まるでカレカノのやるような行為だが、お姉ちゃんは満足そうに笑っている。
私はため息をつき、お姉ちゃんにこんなことを言ってみる。
「全く、そんなことをする悪い子にはサンタさんは来ないよ?」
「で、代わりにブラックサンタが来るんだよね?」
「まぁ、そうだけど……」
「私は逆にその方が良いかなぁ~」
「どうして?まぁ、赤より黒の方が何かカッコいいとかそう言うのならわかるけど」
私自身、仮装をさせられるのなら、サンタよりブラックサンタ、それがダメならトナカイ、という思考ではあるが。
「ねぇねぇ、ミフユはクリスマスの仮装するならブラックサンタにするでしょ?」
「まぁ、そうだけど」
「それなら、私のこと連れ去ってくれる?」
「はわっ!?」
お姉ちゃんの言葉に更に顔が熱くなる。
冬場だと言うのに、今の私の顔は茹でダコのようになっているだろう。
「………………冬場なのに、凄く熱いよ……」
「えへへ~、じゃあその熱を分けてもらおうかな!」
そう言って飛び付いてくるお姉ちゃん。
反射で抱き返すと、頬が冷えてしまった当たる。
「あったか~い」
「恥ずかしいってば!」
(今年のクリスマスは、想像よりも熱そうだなぁ……)
姉に抱く感情でないことはわかってはいるが、やはり。
(可愛い……なぁ………)
そんなことを思いながら、周囲を見れば、イルミネーションで街は美しく輝いている。
自分のやりようのない感情は置いてきぼりである。
(早く冷めないかなぁ……)
恥ずかしさを感じながら、私はお姉ちゃんと一緒に賑やかな街を歩くのだった。

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