剣と魔法の輪廻譚
私の過去
10回目の転生をしてから2年が経過。
大きな変化はなく、変わったところと言えば、強化しなくても見聞きが出来るようになった事と、文字をある程度書けるようになったことと、歩けるようになったぐらいかな。
後は、普通に喋れるようになった事ぐらい。
朝は日課のようにおねーちゃんにかまわれる事から始まる。
「ミフユ~!おはよー!!」
「に"ゃ"っ?!ちょ、おねーちゃ、痛…」
「ごご、ご、ごめんね!…でも、ミフユが可愛いのがいけないんだよ~!」
え、理不尽。
毎日のようにこんなやり取りをしている。
5分後、おねーちゃんの抱擁から解放された。
おねーちゃんは物足りなさそうにし、私はぐったりする。
(シスコン…手強い……)
色々喋っていたらいつしか1時間も経っていた。
するとおねーちゃんが、
「うーん、そろそろかなぁ、ミフユが魔法教わるの」
「魔法?なにそれ…?」
あくまで知らないを装う。
嫌なことに、転生を繰り返してくうちにポーカーフェイス、もとい演技が上手くなっていた。
(ホント、言ってしまえたら楽なのになぁ…)
1年間でおねーちゃんの事を色々知ってしまったからこそ、嘘や隠し事はなるべく避けたいよね…。
そんなことを知らないおねーちゃんは、ニコニコしながら魔法について語る。
「魔法はね、人が起こす奇跡の事だよ!」
奇跡かぁ…。そんな…良いものじゃないよ。魔法って。
(もし、それが魔法って言うんなら、あんな、事に使って…言い訳…無い…よ)
いつの間にか、私は暗い意識の中へ落ちていった。
(あれ…………、なに…これ…)
気付いた時には、モノクロの世界に立っていた。
すると、音割れの酷い声がした。
『ねぇ……、ね……っば!と……だ……だよ?…■■…■だよ……?!仲間な……よ?!』
『………れ、だ……れ、黙れ!お……は…!こ…つ……なきゃ………駄目…んだ!』
『え……いや………ど……て?…こん…………とに…』
(あー、嫌な記憶を引っ張ってきたね、全く…)
いつかの仲間といつかの私の声がした。
(そして、私は……、殺した…んだよね。)
仲間の盾戦士が武器の能力に飲まれ、幼なじみを殺そうとした。だから、私は殺めた。自分の魔法で。
(はぁ、嫌だなぁ…奇跡で人を死なすなんてね…)
血飛沫だけが鮮明になった。
目を閉じ、私は再び意識を手放した。
「____…………ゆ?!ミフユ!」
ふと声が聞こえて目を開けると、おねーちゃんが顔を青ざめながら私を揺すっていた。
「ん…あぁ、ごめんね、心配させちゃった…よね?」
「もぉ~!良かったようぅ~!」
大泣きしながら私を抱き締めてくれるおねーちゃんをみて、私は思った。
(私…大事にされてるんだなぁ…)
私は、家族の暖かさを、身に染みて感じた。
枯れたと思った涙が溢れる。
いつしかの転生の時から非情になっていた私には、この時は、とても暖かった。
「…もう、泣かないでよ、おねーちゃん」
(おねーちゃんには、笑顔が一番だよ)
年齢的にも私は格好いい事なんて言えないし、まず恥ずかしい。
(いつかは全て話したいな…)
私はそう心に決めながら、おねーちゃんに笑いかけたのだった。
大きな変化はなく、変わったところと言えば、強化しなくても見聞きが出来るようになった事と、文字をある程度書けるようになったことと、歩けるようになったぐらいかな。
後は、普通に喋れるようになった事ぐらい。
朝は日課のようにおねーちゃんにかまわれる事から始まる。
「ミフユ~!おはよー!!」
「に"ゃ"っ?!ちょ、おねーちゃ、痛…」
「ごご、ご、ごめんね!…でも、ミフユが可愛いのがいけないんだよ~!」
え、理不尽。
毎日のようにこんなやり取りをしている。
5分後、おねーちゃんの抱擁から解放された。
おねーちゃんは物足りなさそうにし、私はぐったりする。
(シスコン…手強い……)
色々喋っていたらいつしか1時間も経っていた。
するとおねーちゃんが、
「うーん、そろそろかなぁ、ミフユが魔法教わるの」
「魔法?なにそれ…?」
あくまで知らないを装う。
嫌なことに、転生を繰り返してくうちにポーカーフェイス、もとい演技が上手くなっていた。
(ホント、言ってしまえたら楽なのになぁ…)
1年間でおねーちゃんの事を色々知ってしまったからこそ、嘘や隠し事はなるべく避けたいよね…。
そんなことを知らないおねーちゃんは、ニコニコしながら魔法について語る。
「魔法はね、人が起こす奇跡の事だよ!」
奇跡かぁ…。そんな…良いものじゃないよ。魔法って。
(もし、それが魔法って言うんなら、あんな、事に使って…言い訳…無い…よ)
いつの間にか、私は暗い意識の中へ落ちていった。
(あれ…………、なに…これ…)
気付いた時には、モノクロの世界に立っていた。
すると、音割れの酷い声がした。
『ねぇ……、ね……っば!と……だ……だよ?…■■…■だよ……?!仲間な……よ?!』
『………れ、だ……れ、黙れ!お……は…!こ…つ……なきゃ………駄目…んだ!』
『え……いや………ど……て?…こん…………とに…』
(あー、嫌な記憶を引っ張ってきたね、全く…)
いつかの仲間といつかの私の声がした。
(そして、私は……、殺した…んだよね。)
仲間の盾戦士が武器の能力に飲まれ、幼なじみを殺そうとした。だから、私は殺めた。自分の魔法で。
(はぁ、嫌だなぁ…奇跡で人を死なすなんてね…)
血飛沫だけが鮮明になった。
目を閉じ、私は再び意識を手放した。
「____…………ゆ?!ミフユ!」
ふと声が聞こえて目を開けると、おねーちゃんが顔を青ざめながら私を揺すっていた。
「ん…あぁ、ごめんね、心配させちゃった…よね?」
「もぉ~!良かったようぅ~!」
大泣きしながら私を抱き締めてくれるおねーちゃんをみて、私は思った。
(私…大事にされてるんだなぁ…)
私は、家族の暖かさを、身に染みて感じた。
枯れたと思った涙が溢れる。
いつしかの転生の時から非情になっていた私には、この時は、とても暖かった。
「…もう、泣かないでよ、おねーちゃん」
(おねーちゃんには、笑顔が一番だよ)
年齢的にも私は格好いい事なんて言えないし、まず恥ずかしい。
(いつかは全て話したいな…)
私はそう心に決めながら、おねーちゃんに笑いかけたのだった。
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