Regulus
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「はい、フランス二日目でーす」
二日目朝は、由真の進行で始まった。
僕はどこに行くのか聞かされてないから凄く気になるし楽しみ。
「由真、今日どこ行くの?」
「まずはねー…かの有名な」
「有名な…?」
「ついてからのお楽しみー」
「えー…」
めっちゃ気になるのを見越してか焦らされたまま車に乗る。
「ねー教えてよー」
「まだ内緒。二日目とはいえ今日から観光本番だからね、ワクワクしてて?」
「はーい…」
そう言われて、少し走らせるととある所で車が止まった。
由真に続いて僕、その次にカメラさんたちが降りる。
「由真、どこ行くの?」
「まだ朝だからね、フランスの朝食食べよ」
「いいね、お腹空いたー」
「その次に目的地行くからさ」
由真について行くと、オシャレなカフェに着いた。
「Bonjour」
「Bienvenue」
お店のお姉さんに挨拶をしてから席につく。
メニューを広げると、見慣れないものがあった。
「なにこれ?タルティーヌ…」
「それ、フランスの定番の朝食だよ。バターとジャムを塗って焼いて食べるんだって」
「へー…じゃあ二人でこれにする?」
「せっかくだからそうしよう。Deux Tartines, s'il vous plaît.」
「Oui Monsieur.」
由真が注文を終え、来るのをワクワクして待つ。
どうやら注文してから焼いてくれるらしく、店内はパンの焼けるいい匂いがした。
「いい匂いするね」
「ねー。家庭のタルティーヌは普通のジャムらしいけど、お店だとプロヴァンス産のジャムと発酵バター塗るらしくて人気なんだって」
「よく知ってるね?」
「調べたからね」
そんな会話をしていると、目の前にタルティーヌの乗ったお皿が置かれた。
「Désolé de vous faire attendre.」
「Merci.」
お礼を言ってから手を合わせて食べ始める。
一口齧ると、僕は自分でもわかるくらい目を輝かせた。
「美味しい…!」
「ね、めっちゃ合う。これ作ってみたいなー」
「そういう辺り由真らしいね」
「遥に食べさせたい」
「きっと喜ぶよ」
「お土産にジャム買ってくのありだなー」
「確かに」
落ち着いて朝食を食べるなんて久しぶりで、かなり贅沢をしてる気がする。
由真との会話も弾んで、いつの間にかタルティーヌは綺麗に無くなっていた。
「じゃあ今日最初の目的地に向かおうか。多分今日はそこで一日過ごせちゃうよ」
「そんな凄いとこなの?」
「そうだよ、だから期待してて。
お楽しみにー」
由真がカメラに向かって手を振ったので僕も振った。
一旦落ちどころを作ったんだろう、流石由真。
そして僕達はお姉さんにお礼を言って店を出た。
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