Regulus

嘉禄(かろく)

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「はい、ということでやってきましたー」
「フランスです!」


俺、由真と志輝は例の旅番組の撮影でフランスに来た。
あ、事前に言っておくと放送されなかった部分は後ほど円盤化するらしい。
それからローエンとロイは使用人に世話を任せた。
同じ日程で遥たちもロケをしているから。
テルとユキはペットホテルに預けたらしい。
観光するところは決まっているらしいので、それはスタッフさんに任せるとして…


「取り敢えず今夜だし、飛行機で疲れたからホテル行こっか」
「そうだね」


ということで車に乗ってホテルに向かう。
志輝も実は俺も、フランスに来るのは初めてだ。
イギリスやアメリカには行ったことあるけど。
まあ言葉は話せるので問題ない。

数十分走り、街並みが広がる中で車が止まった。


「ここですか?」
「ホテルっぽいもの、近くに見当たらないけど…」


取り敢えず車を下りて街の中を歩く。


「やっぱり日本とは違うね、オシャレ」
「ね、どこ見ても映える。
でも泊まるとこどこだろ…」
「あ、あれじゃない?」


少し小さな建物の前で誰か待ってる。
近づいてみると、フランスの男の人だった。


Bonsoirこんばんわ
Bienvenue en Franceようこそフランスへ


多少挨拶を交わしてから中に案内される。
中はホテルっぽくなくて、普通のお家みたい。
階段を登ると鍵を渡された。


「開ければいいのかな?」


俺が開けると、また廊下があった。
中でまた鍵が閉まってるところがあって、開けるとそこには部屋があった。
一気に志輝がテンションを上げる。


「凄い!由真、暖炉あるよ!」
「ほんとだ、凄い。
キッチンもある、ご飯作れるね」


中を進むと、日本とは異なるシャワールームがあった。
ベッドルームもとても可愛くて、終始志輝は目を輝かせていた。


「由真、ダイブしていいかな?」
「しちゃいなよ、でもしたらそっちで寝てね」
「分かってる!」


志輝が寛いでる間に、俺は案内してくれた男の人に気になってることを質問した。


C'est un hôtel ?ここはホテルなんですか?


キッチンもあって、まるで本当にお家みたい。
そう思っていると答えが返ってきた。


Non, je loue une chambre ici.いいえ、ここは家の一室を貸し出しているんです


どうやらフランスでも家の一室を貸し出すということをしているらしい。
友人や家族と泊まれてフランスの暮らしが分かり、しかもリーズナブルということでかなり好まれるんだとか。

その人が出ていき、撮影を終え俺たちはご飯を食べて休むことにした。


「明日から楽しみだね、志輝」
「うん、由真!」


そう会話を交わしてから俺たちは眠りについた-



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