中古店でやばい物買ってしまった件

ノベルバユーザー247036

スタートライン



 俺の名はナオ・テラス 現在進行形で絶望中……。


 机に肘を付いて天気の良い空を見上げている。


 周りには同い年の人がわんさかとしており、皆今日はこのアカデミィー卒業のためなのか一段と騒がしい。


 そんな中、俺はその輪の中から外れて、1人で過ごしていた。


 何故?それは多分俺が弱いからだろう……。


 それまでは、まあそこそこ居たが今はあまり付き合わなくなったな


 弱いと分かっていたが、いざ調べてみるとかなりショックなものだ。


 あれはもう、公開処刑そのものだった。18で出来る、教会で調べられるステータス公開で、何しろ今年は豊作と言われるほど高ステータスの奴らばっかりで、そんな中


〈ステータス〉


強さ5


防御5


魔力0


速さ2


称号
最弱


 さて、俺がもしこんなステータスの奴を見かけたら、思わず哀れみな目で見てしまうだろう。


 だが、それが俺に降りかかったんだから、そりゃもう紙を破って泣きながら教会を出て行ったもんだよ。うん。


 なので、こうして1人で卒業するのを待っている始末。皆は
「なあ、俺騎士になるだ!」
「マジ!?俺は財務管理職につくわ!」
「私は冒険者になりたいなぁ」
「そりゃーいいわ!俺も!」
など、俺には程遠い、そりゃもう、天と地……いや、天国と地獄の差ぐらいある話をしてらっしゃる。


「ナオ?今いいかな?」


 ふてくされて外を眺めている俺に話しかけてきてくれた奴がいた。


 それは、小柄ではあったがしっかりとした筋肉、そして、内面も外面も完璧人間


「ああ、なんだ?ラズベリー」


 そう、このアカデミィー入って直ぐの親友。


 もっとも、こいつはここのヤツらの9割は親友又は大親友のリア充野郎。俺とは正反対だ。


 すると、ラズベリーは俺を心配するように
「なあ、ナオ、良かったら僕達で冒険者やらない?」


 その言葉に思わず戸惑ってしまった。
「はあ?マジで言ってるのか?ラズベリー、俺は最弱だぞ?いくらお前が強いからって、俺をかばいながら冒険しようなんて考えるんじゃねーぞ」


 そう、こいつは今年の豊作中の豊作、大豊作の奴。何しろステータスオール1万越えに、頭脳も優秀、そして称号に〈英雄〉の称号を持つ男だ。


 過去に何人か英雄称号持ちが居て、どいつもこいつも破格の成績、偉大な発明なんか残していくからどこも引っ張りだこだ。


 とある魔術の英雄はそれまでは魔力適性ない奴でしか扱えない魔術を誰にでも扱える魔術式を作ったからな。
 まあ、俺は魔力その物がないから使えんが


 その中でも全英雄ぶっちぎりのステータスを見せつけられちゃ、そりゃ将来有望だろうよ。


 それで?俺が?コイツの腰巾着にでもなってみろ!それこそ人生の大恥だ!


 俺はうつ伏せになりながら、その誘いを断るように手を振って
「いーや、いいわ、俺は俺の道を探すよ」


 とは言ったもものこいつは違って、最弱で頭もいい方ではない俺は一体どこに行けばいいのやら……もう、いっその事奴隷にでもなった方が生きていける気がする。


 「はぁぁ……」
 大きなため息をついて、これからのか事を考え出す。


 ラズベリーの言う通り、俺の夢でもある馬鹿でも出来る冒険者にでもなれるだけのステータスがあれば良かったが……まあ、無理だよなぁ……


 あれこれ、考えてるとチャイムが鳴った。
 すると、皆が一斉に運動場に向かっ行く。どうやら卒業式の時間になったらしい。


 憂鬱気味な俺はいやいや立ち上がり、この思い出が有るか無いか分からん教室を出る。


 長ったらしい廊下を歩いていると、他の教室からも出てきた奴らが自分たちの輝かしい将来の話が聞こえてくる。


 そしてようやく運動場に俺達は集まり、既にスタンバイしていた校長が高台に上がると


「ええ、皆さん今日で卒業になります。皆さんはここのアカデミィーの最優秀生徒ばかりで、将来有望厚い人達ばかりで私は、とても将来が楽しみです。私は皆さんの事を……」


 と、俺のメンタルをスコップで抉り取るように、言われていく言葉に俺は耐えきれず、眼をつぶり、耳を両手で塞ぐ。


 しばらくそうしていると、気づけば俺だけポツンと突っ立っていた。どうやら皆帰ってしまったらしい……。


 俺は空を向いて、今まで皆と過ごしてきた事を考え込む。


  思え返せば思い返すほど、自分の無能さを感じる。


 ああ、結局この18年間、才能も力も出てこなかったな……


 俺も荷物をまとめて帰ろうと振り返ると、俺の荷物をまとめて持ってきてくれたラズベリーの姿が見えた。


 ラズベリーは息が上がっており、どうやらダッシュで荷物を持ってきてくれたらしい


「ラズベリー、お前はこんな俺でも見捨てないんだな……」


 するとラズベリーはニコッとして、
「何を言ってるの?俺達は大大親友じゃん!」


 どうやらいつの間にかとてつもない中になっていた事に俺は驚いて
「ハハハ、なんだよ!その大大親友て」


 俺は、ラズベリーが持ってきてくれた荷物を受け取ると


「ヴッ!」


 あまりの、重さで膝を思わず着いてしまった。流石オール1万、よく片手でこれだけの荷物を持ってきたものだ。


  それを見たラズベリーが荷物を持つと
「ナオは仕方が無いなぁ、僕が持っていくよ!」


 俺は意地を張って
「余計なお世話だ!返せ!」


 その荷物をぶんどるように右手を突き出すと、ラズベリーはその大重量な荷物を持ちながら、ヒラヒラと躱して行った。


 まったく、こいつは飛んだ化け物だな。


  そんな事俺を見て、大声で笑いながらラズベリーは
「ナオは面白いなぁ!ほらこっちだよ!」


 俺はいつカッとなって
「言ったなぁ!その言葉によく覚えとけよォ!」


 そんなやり取りをしながらいつの間にか家に着いていた。そして、俺はもうヘトヘトなのにラズベリーは整然と立っているとこに俺はもう、戦意喪失気味だ。


 ラズベリーが、俺の荷物を下ろすと、その開いた腕で手を振って
「ナオ!僕は冒険者になるから!いつでもなりたい時はいつでも言ってきて!僕はいつでも待ってるから!」


 まったく、めんどみがいい事で
「ああ!その時は自立して、お前の手なんか借りるもんか!」


 そう言って別れた。俺はラズベリーが持ってきてくれた荷物を引きずりながら、色とりどりな花畑がある玄関を通って、リビングに行った。


 そこには母がご飯を作っており、明るい顔で
「おかえりなさい!ナオ!今日はどうだったの?」


 そんな母を見て、滅入ってた気持ちが少し和らげて
「まあ、普通?」


 母はそんな答えに
「ハハハ!何よそれ!今日は卒業でしょ?」


 俺は、苦笑いし


「まあ、そうだな」


 そのまま、俺はリビングを後にし、階段を上がって自分の部屋に入った。


 そこは、4畳の大きさの部屋にそのスペースを埋め尽くさんばかりの冒険の道具で溢れかえっていた。


 俺は、その道具で埋め尽くされてるベットをひっくり返して、そのまま倒れ込んだ。


 ああ、これからの何をしていこう……。一応就職先を片っ端から当たってみたけど、何処にも入れなかったし、あとはフリーな仕事……それこそ、冒険者……いや、他にはないのか……


 そのまま、眠くなっていき意識が飛んでいくのが感じた。


◇◇◇◇◇◇◇◇


 背中がジリジリと何かに焼かれて、たまらず起きてみると。


「あっ……」


 それは、窓から差し込む、朝日だった。


 すると、階段から誰か上がってくると、そのドアノブを回して開けてきた。それは、母だ。


「ナオ?朝日出来たけど食べる?」


 昨日も食べてない俺は、流石に限界で
「ああ、食べる。ちょと待ってて」


 ベットから起きて、物を踏んずけないように隙間を縫って、散乱している部屋を出てる。
 降りていくと、食卓の上にはいつもよりも多めで用意してあった。


「ナオ 昨日の食べなかったから、今日は多めだよ!」


 まったく、相変わらず優しい人だな


「ありがとな、じゃあ!早速いただきます!」


 その大盛りのご飯や、おかずを約30分でペロリと食べた。


 相変わらず、美味しいご飯


 「母さんご馳走様!」


 食べ終わった食器を片付けて、午前中をリビングで特に何かをする訳ではなく過ごした。


 その間に、あれこれ考えては居たがやっぱり、仕事が思いつかず、さらに上のアカデミィーに入ろうかと思ったが、学力も足りない。


 そんな、俺に母は硬貨と紙幣が入った袋を持ってきて
「ねえ、ナオ今いい?」


「ん?」


 母はちょとしたお金とお小遣いをくれて
「ちょと今夜のオカズがないから買ってきてくれないかな?」


 今のところ、他にはすることが無いから、買い物しながら考えるか。


「分かったよ。母さん今支度してくるから待ってて」


 母はニコッとして
「ありがとね。ナオ!」


 そうして、俺は階段を上がり、自分部屋のロッカーから新しい服を取り出して、着替えて、玄関先に行くと
「母さん!行ってくる!」
「行ってらっしゃい!気おつけてね!」


 俺は、玄関を出て、そのまま市場に向けて歩いて行く。


◇◇◇◇◇


メインストリートが花びらや店舗や出店などで輝かしく飾っている。武器屋、道具屋、防具屋、成果店に中古屋とにかくたくさんの店が並んでいる。


 その中には、冒険者の珍しい掘り出し物なども売ってあった。


 いつもは魔物や獣の素材ばかり売られているが、珍しく遺跡からの置物があった。


 大抵は冒険者が使うか、それか国に回収され分析した後、制作されるのが基本。


 最近だと刀と言われていた物がようやく製法が分かったらしく、剣士にはとても人気らしい


 まあ、鋳造式とは違うらしく、値段が高く目にする機会が無いけどな


 だからこうやって置いてあるのはとても稀だ。


 窓ガラス越しに寄って、掘り出し物を見てみる。


 それは、やや厚めの黒い板でまるで窓のような物だった。
 正面を向いてる方はヒビが入っているが、綺麗なガラス細工してあるが奥の方は真っ暗で何も見えない、そのした方には小さ穴が無数に空いていてる。


 確かにこれは何の用途の道具か分からんな……


 その場を離れると、頼まれた買い物をするため、市場にむかった。


 市場に着くと、俺は頼まれた物を片っ端から買っていく。そんな中


 八百屋では、店主のおっちゃんが「あんちゃん!テラスの坊主だろ?これ、持ってきな!」とさらに追加され


 肉屋では、いつものお姉ちゃんが「ナオちゃんじゃん!今日はサービスしとくよ!」と言われ追加され


 ついには青果店では、お兄さんに「あんたテラスの息子やろ、ほらこれ昨日のお礼だよ!」とメロンを貰ってしまった。


 結局、当初の買い物の2倍の量になり、肉体の許容量を遥かに超えた荷物をさっさと降ろしたい。


 フラフラに歩きながらも、荷物をいち早く届けるために、メインストリートの脇道に入りショートカットする事にした。


 来た道の外れにある壁と窓カラスしかない細い横道を通ると、その間ある物が目に止まった。


 それは、少し古い建物だがそこそこ大きいが、あまりにも偏狭な立地に立ててある〈中古店ニャー丸〉と書いてある店が見えた。


 お使いの途中だが、ちょと興味が湧いて窓から覗いてみると


 そこには、どの店よりも比べ物にならないぐらいの量で、色んなジャンクがあって何だがダンジョンのお宝を探す感覚に襲われた。


 見るだけと思いつつ、店内に入ってみると窓のすぐ脇に立てかけてあるボードに〈本日閉店セール〉と書かれており、あちこちの商品らしきものにはシールが貼られていて。


 すると、ガタガタと、奥から何やら大きな物音がすると、思わず驚いて、変な奇声をあげしまった。 


 そちらに目を向けると、そこには恐らく20代ぐらいのお姉ちゃんが、ジャンクの塊としか例えようがない服装をしており、その格好のままこちらに近ずいてきて
「ねぇ!君はお客さん!?」
と尋ねられたので頷ずく。


 すると、大きく上を向いて、よっぽど人が来なかったせいか目を輝かせて、こちらを向いてきた。そして
「いらっしゃい!ニャー丸へ!」


 お姉ちゃんはそのまま俺の肩を掴んで店内に引っ張って行った。


◇◇◇◇◇◇◇◇


 改めて店内を見て回ると、何とも用途がよくわからん物や得体の知れない物で溢れかえっていた。まともな物もあったが、子供のような玩具から、到底人の身では、扱うことが出来ないであろう剣や、珍しい回転式拳銃のパーツなど、色々と置いてある。


 そんな中、お姉ちゃんが何か見つけたらしく
「ちょと待ってて!」
 そう言って、俺を置いて、奥の方へ走っていって帰ってくると、その手には何が腕輪見たいな物が握られていた。


 お姉ちゃんが少しニヤニヤしながら
「ねぇねぇ!僕!これなんかどうかな?」
 そうして持ってきたのは、さっきまでとは何が異様な雰囲気を出していている先程の謎の腕輪。


 見た目は鋳造ではなくどちらかと言うと、火炎魔法でパーツごとに溶接され、中の隙間には多少の傷は入っているが、綺麗なガラスを埋め込んであり、その奥はよく見えなかった。


 そして、なりよりも不気味さを出しているのがココ最近でようやく実現可能な加工技術なのに、それはだいぶ昔に作られたと思うほどに古びてる。


 しかし、それ以外に特筆するなにかが見つけられなかった俺は
「なあ、これのどこがオススメなんだ?」
 

 そう聞いた途端に、お姉ちゃんが俺の右手を手に取って、そのままはめ込んだ。すると


ガチャ


 気持ちいいぐらいの音を出してハマってしまった。
 俺は勝手にはめたお姉ちゃんの顔を見ながら
「勝手に……」
 だが、お姉ちゃんは悪ふざけしたような人の顔ではなかった。むしろお姉ちゃんの方が驚いていた。


 一体なんで驚いているのか分からない所に急にその腕輪が緑色の光を発して、光ってる部分がガラス細工の所をグルグルと回り始め、しばらくすると、緑の光がこちらを見るように止まると


『おはようございます。マスター』


◇◇◇◇◇◇


 ……


 思わず頭の思考回路がフリーズした。


 ようやく我に返ると
「は?えっ?」
 この状況がやはり分からず、混乱していた。


 すると、またあの声が聞こえて
『私は weapon control interface system 通所WCIS 生産コードZZZシリーズ ZZZ-225 《RZリズ》』


「はっ?えっ?何?リズ?」
 未だ理解に苦しむ俺に


『はい。リズです。』 


 辺り一面を見渡しても、その声の持ち主らしき人が見えない。


 その時、腕輪の光がビュンビュンとガラスの所を沿うように動いて
『マスター!ここですよ!』


 そして、腕輪の方に注目するして
「お前か?」


 腕輪の光が左右動きながら
『はい。ここです。』


  思わず
「すげぇな……今時の玩具は喋るのか……」


 すると、リズが怒っているか、また光をびゅんびゅんさせ
『マスターちょと失礼なのでは?』


「あっ、ごめん」


 すると、途端に横から突っかれた。目線をそちらにやると、お姉ちゃんが退屈そうに見ていて
「ねぇ、誰と話しているの?」


 すると、思い出したかのように、立ち上がり
「ああ!そうだよ!お姉ちゃん!これどうすんの!」


 その腕輪を指さして、言うとお姉ちゃんは、頭を掻きながら


「いやぁ……まさかつくとは思ってなくて……」


は?


 試しに取ってみようとすると


 ……外れない……


 俺は焦って、ガチャガチャさせながら
「おいおい!お姉ちゃん!これどうやって外すんだよ!」


 すると、お姉ちゃんが困った顔をして
「いやはや、今ままで装着できた人がいなかったんだよね……全部電撃と共に弾かれていたから……」


 すると、リズが
『マスター?もしかして外そうとしてますか?』


 俺は素直に頷くと


『マスター。それは、単刀直入に不可能です。本機は盗難防止のため、登録された人しか装着不可能で死亡するか、または専用の設備でのみ脱着可能です。』


 身に覚えのない事を言われ
「は?ちょと待って?登録?なんの?」


 すると、リズは不思議そうに
『本機にはちゃんと登録されてますが……覚えてないのですか?』


「いや!だってこんな奴が居るとは初めて知ったぞ!」 


『……私が機能停止中に何が起こったのやら…』


 俺はため息をついて
「そりゃ……こっちのセリフだ……」


 「ねぇ、また忘れてない?てか?本当に誰と話しているの?ちょとヤバいやつなんだけど」


 俺はリズを指さして
「いや、こいつとだけど……もしかして聞こえてない?」 


 すると、お姉ちゃんはコクリと頷いた。


 ああぁ……絶対痛いやつだと思われてたよ!


 しかし疑問が残った。
 こいつの声が聞こえてないとすればどうして俺にはきこえるんだ?


 そんな、疑問を抱くと


『マスター。私は体内の電気パルス信号を返して話しかけています。ので、周りには通信接続しない限り聞こえてません。』


「それは、俺以外聞こえてなて言う事で合ってるか?」


『はい。』


 俺は頭を抱えて


「それを早く言ってくれよ……」


 『気づいてるものかと思ってました。』


 はぁ……


しばらくすると、俺はある事に気がついた。


 それは、コイツが取れない以上持ち帰る他には無い……つまりは買わなくてはいけない。


 一体いくらかかるのか検討がつかない。
「なあ、これいくらするんだ?」


 すると、お姉ちゃんがしばらく考えて
「それねぇ……元々イタズラ用に取っておいたやつだから値段付けてないんだよねぇ……」


 おい、そりゃ客にやったらダメだろ……


 そう思っていると
「うーん……じゃあタダでいいや」


 思わず、驚いてしまった。


 「いや、それだと儲け出なくね?」


 すると、お姉ちゃんは
「いゃぁ、だってさ元々イタズラ用にだし、それに君にもう店終いだし、だったらあげちゃえってね!」
 とキラっとしながら言ってきた。


 だが、俺的にそのまま帰るには何だが気分が悪いので
「なんか悪いから買ってくよ」


 すると、リズが
「でしたらマスター。あちらの2点の買う検討を……」


 そちらに目を向けると、1つはこれまたごっついリズのような、剣の柄だけのやつと、もうひとつが少しはマイルドになったが、ごっつい事には変わりのない、ポーチらしき物が付いているベルトだった。


 それらに指さして
「それでお願いします。」
 

 すると、お姉ちゃんが持ってきてくれて
「2つで1500円ね」 


 思ったよりも安かったが、これで俺の全財産が吹き飛んだ。
 俺はそれらを装備してみると、今度はちゃんと外れるようだ。


 そろそろ暗くなってきたので、お姉ちゃんに
「悪い!もう帰らなくちゃ」


 すると、お姉ちゃんは寂しそうな顔をして
「……また会えるかな?」


 そんな、お姉ちゃんの顔を見て
「人間て意外と出会った人間とは会うものらしいぜ」
 これは親父の言葉をそのまんま言ってやった。


 すると、お姉ちゃんは明るい顔になって
「そう?じゃあまた会える日まで!」


 「ああ、そうだな」
 それに、こいつとはまた会いそうな気もするし


 中古店の玄関から出で、振り返ってみると、そこにはお姉ちゃんが手を振っていたので、振り返して買い物の荷物を持って急いで帰って行く。

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