『理外の無才者』〜不利すぎる状況でおれは強くなる〜
勇者編 第三十一話 カスタムシステム
勇者編 第三十一話 カスタムシステム
「ところで、ラインハルト、君に私は用があって来たんだが」
「嘘だろ? まさか?」
「おい、ラインハルト? 話を……聞けやぁ〜! 『ホワイトキャッチバーチカルスイング』!」
『発動『スキル『振り技『ホワイトキャッチバーチカルスイング』』』』
悩んでいるおれの手を『白く光る両手』が掴み、縦方向にぶん投げられた。
「ぐはぁっ……なんで投げられたの?」
「無視するからだ。連れていきたいところがあるから転移するぞ。『テレポートフィールド』!」
『発動『スキル『転移技『テレポートフィールド』』』』
「え、ちょ、問答無用かよ!」
周囲が青い光に包まれ、光が消え去ったあと、二人はいなくなっていた。
ーーーーーーーーーー
「……ここは?」
転移したあと、目の前には白い空間が広がっていた。
「後ろにドアがある……ここは部屋か。床は木でできてるな」
「部屋のことより、前を見たまえ。そこの台と水晶玉を」
部屋の中央にある不気味なあれか。
「まるで占い師が使うような赤いテーブルクロスがかけられた上にあるあの水晶玉か?」
「それだよ、白く光るあのオーブだよ、あれを見せたかったんだ」
「不気味だからあえて見ないようにしてたんだが、あれはなんだ?」
見せたがるってなんでだ?
「あれは『カスタムオーブ』という。これはスキルに関わる代物だ。冒険者ギルドでは、Sランク以上に使用許可が出される」
「スキル?」
すると、どこからともなくメガネを顔につけ、ドヤ顔で語り始めた。
「スキルには、『技』、『術』、『法』、『その他』の4つの系統があることは知ってるかね?」
「いや、知らんけど」
「その4つのうち、主に『技』系統と『法』のなかでも、魔法系統によく使われるのがあれだ!」
「それで?」
「『技』や『法』は、スキルレベルが上がると使える技が『ランダム』に増えることはご存知だろう」
「あぁ、スキルレベルの数だけ使える派生スキルのようなもののこと?」
「それは、本来すぐに使えるわけではない! というより、『技を覚えられる数』が増えると考えたまえ!」
すぐに使えないのね。
「そして、覚えられる数だけ、技を設定するのが、このカスタムオーブなのだよ!」
「ふーん、おれには関係なくね?」
「カスタムオーブには、メインの設定とサブの設定ができる!」
無視かよ……。
「まずは、メインの設定だ! これは『名前』とか、『性質』とかだな!」
「わかった、最後まで聞くしかないか……」
「まず、どんな技にしたいか、大雑把に決める! 例えば、『斬撃技』だったら、水の斬撃にしたーいとか、そんな感じだ」
「ふーん」
「それで、まぁ、使いたいスキルになるように一つ以上の『意味のある単語』を組み合わせるんだ!」
「例えば?」
「水の斬撃だったら、『アクアスラッシュ』とか、『ウォータースラッシュ』とか、そんな感じ!」
「些細な名前の違いは関係あるの?」
「あるよ? 技が発生する『過程』に違いが出る。ま、結果はほとんど一緒だからそれはまだ考えなくていい」
「それで? サブ設定は?」
「サブ設定は、『威力』とか、『射程』とか、『範囲』の設定だな!これも『アクアスラッシュ』で考えて見よう!」
どっかで聞いたことあるな。
「まず、これは、消費エネルギーを『10』として、その『10』を3つの項目にどんな感じに分けるかで変わってくる!」
「ふーん……」
「『威力』8、『射程』と『範囲』が1だと、火力は強いが、斬ったところしかダメージを与えられない『近接攻撃』になるわけだ」
「なるほどね」
「『威力』が1、『射程』が8、『範囲』が1だと、遠くまで飛ぶ斬撃になるが、火力は弱く、斬撃の大きさも小さい『遠距離攻撃』となる」
「嫌がらせ用に使えるね」
「『威力』と『射程』が1、『範囲』が8だと、ものすごい大きい水の斬撃を出せるが、火力が弱く、周りを攻撃する『前方範囲攻撃』となるわけだ」
「ふーん、偏らせても使いづらいわけね」
「もちろん、消費エネルギーを多くすれば使い物になるよ? だから、これは上級者向けなんだ」
「おれには関係ないよね? なんでわざわざ教えたの?」
「ふふふ、これは別にスキルだけをカスタマイズするわけじゃないんだ!」
「つまり?」
「人間の肉体もカスタマイズできる!」
「は? それやばくね?」
「このカスタムオーブ……生き物への使用条件が、『使用対象がカスタムオーブのことを知っていること』なんだよねぇ」
「だから……おれに使うために教えたのか?」
「せいか〜い! 逃げられないよ? ここは私の家だし。逃さないよ? 『ホワイトバインド』」
『発動『スキル『白技『ホワイトバインド』』』』
白い光がおれを拘束した。
「ま、天才である私には、カスタムオーブなんて使わずにスキルをカスタマイズできるけどね?」
「だったらなんで!?」
「君の肉体をカスタマイズはできないんだ。あくまで自分でスキルをカスタマイズできる処理能力があるってだけでね?」
「まじかよ……なにをする気だ!」
「それはお楽しみさ! 『カスタム』!」
『発動『ジョブスキル『カスタム』』』
目の前が真っ白になった……。
「ところで、ラインハルト、君に私は用があって来たんだが」
「嘘だろ? まさか?」
「おい、ラインハルト? 話を……聞けやぁ〜! 『ホワイトキャッチバーチカルスイング』!」
『発動『スキル『振り技『ホワイトキャッチバーチカルスイング』』』』
悩んでいるおれの手を『白く光る両手』が掴み、縦方向にぶん投げられた。
「ぐはぁっ……なんで投げられたの?」
「無視するからだ。連れていきたいところがあるから転移するぞ。『テレポートフィールド』!」
『発動『スキル『転移技『テレポートフィールド』』』』
「え、ちょ、問答無用かよ!」
周囲が青い光に包まれ、光が消え去ったあと、二人はいなくなっていた。
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「……ここは?」
転移したあと、目の前には白い空間が広がっていた。
「後ろにドアがある……ここは部屋か。床は木でできてるな」
「部屋のことより、前を見たまえ。そこの台と水晶玉を」
部屋の中央にある不気味なあれか。
「まるで占い師が使うような赤いテーブルクロスがかけられた上にあるあの水晶玉か?」
「それだよ、白く光るあのオーブだよ、あれを見せたかったんだ」
「不気味だからあえて見ないようにしてたんだが、あれはなんだ?」
見せたがるってなんでだ?
「あれは『カスタムオーブ』という。これはスキルに関わる代物だ。冒険者ギルドでは、Sランク以上に使用許可が出される」
「スキル?」
すると、どこからともなくメガネを顔につけ、ドヤ顔で語り始めた。
「スキルには、『技』、『術』、『法』、『その他』の4つの系統があることは知ってるかね?」
「いや、知らんけど」
「その4つのうち、主に『技』系統と『法』のなかでも、魔法系統によく使われるのがあれだ!」
「それで?」
「『技』や『法』は、スキルレベルが上がると使える技が『ランダム』に増えることはご存知だろう」
「あぁ、スキルレベルの数だけ使える派生スキルのようなもののこと?」
「それは、本来すぐに使えるわけではない! というより、『技を覚えられる数』が増えると考えたまえ!」
すぐに使えないのね。
「そして、覚えられる数だけ、技を設定するのが、このカスタムオーブなのだよ!」
「ふーん、おれには関係なくね?」
「カスタムオーブには、メインの設定とサブの設定ができる!」
無視かよ……。
「まずは、メインの設定だ! これは『名前』とか、『性質』とかだな!」
「わかった、最後まで聞くしかないか……」
「まず、どんな技にしたいか、大雑把に決める! 例えば、『斬撃技』だったら、水の斬撃にしたーいとか、そんな感じだ」
「ふーん」
「それで、まぁ、使いたいスキルになるように一つ以上の『意味のある単語』を組み合わせるんだ!」
「例えば?」
「水の斬撃だったら、『アクアスラッシュ』とか、『ウォータースラッシュ』とか、そんな感じ!」
「些細な名前の違いは関係あるの?」
「あるよ? 技が発生する『過程』に違いが出る。ま、結果はほとんど一緒だからそれはまだ考えなくていい」
「それで? サブ設定は?」
「サブ設定は、『威力』とか、『射程』とか、『範囲』の設定だな!これも『アクアスラッシュ』で考えて見よう!」
どっかで聞いたことあるな。
「まず、これは、消費エネルギーを『10』として、その『10』を3つの項目にどんな感じに分けるかで変わってくる!」
「ふーん……」
「『威力』8、『射程』と『範囲』が1だと、火力は強いが、斬ったところしかダメージを与えられない『近接攻撃』になるわけだ」
「なるほどね」
「『威力』が1、『射程』が8、『範囲』が1だと、遠くまで飛ぶ斬撃になるが、火力は弱く、斬撃の大きさも小さい『遠距離攻撃』となる」
「嫌がらせ用に使えるね」
「『威力』と『射程』が1、『範囲』が8だと、ものすごい大きい水の斬撃を出せるが、火力が弱く、周りを攻撃する『前方範囲攻撃』となるわけだ」
「ふーん、偏らせても使いづらいわけね」
「もちろん、消費エネルギーを多くすれば使い物になるよ? だから、これは上級者向けなんだ」
「おれには関係ないよね? なんでわざわざ教えたの?」
「ふふふ、これは別にスキルだけをカスタマイズするわけじゃないんだ!」
「つまり?」
「人間の肉体もカスタマイズできる!」
「は? それやばくね?」
「このカスタムオーブ……生き物への使用条件が、『使用対象がカスタムオーブのことを知っていること』なんだよねぇ」
「だから……おれに使うために教えたのか?」
「せいか〜い! 逃げられないよ? ここは私の家だし。逃さないよ? 『ホワイトバインド』」
『発動『スキル『白技『ホワイトバインド』』』』
白い光がおれを拘束した。
「ま、天才である私には、カスタムオーブなんて使わずにスキルをカスタマイズできるけどね?」
「だったらなんで!?」
「君の肉体をカスタマイズはできないんだ。あくまで自分でスキルをカスタマイズできる処理能力があるってだけでね?」
「まじかよ……なにをする気だ!」
「それはお楽しみさ! 『カスタム』!」
『発動『ジョブスキル『カスタム』』』
目の前が真っ白になった……。
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