『理外の無才者』〜不利すぎる状況でおれは強くなる〜

アルエスくん@DeusVtuber

閑話 魔素汚染された並行世界

閑話 魔素汚染された並行世界
 
 
 
「ん?……ここはどこだ?」
 
 気がつくと、おれは、広い広い荒野にいた。ほとんどなにもない。
 
 空は驚くほどに『赤い』。
 
 月がやばいほどに『紫色』だった。
 
「なんだここ、ゲホッゲホッ、なんかすげえ呼吸が苦しいんだけど!」
 
 後ろを振り向くと、街があった。ビルが立ち並ぶ、科学が発展してそうな街だ。
 
「門ががら空きじゃねえか。門番もいやしねえ。」
 
 仕方ないから入るか。
 
 街に入ると、人がたくさんいた。ただし、『ガスマスク』と『防護服』をつけて、だ!
 
「え、なにこの風景、てか、すごい霧?があるんだけど。」
 
「おや、お客さん、防護服なしでここにいられるのかい?旅人かね?」
 
「それよりも、ここはなんなんだ?」
 
「ここは、魔導科学が発展したことにより、魔素が汚染物質に汚染されてしまった並行世界じゃよ。」
 
「まどうかがく〜?」
 
「そうじゃ。この霧のようなものは汚染された魔素なんじゃ。」
 
 どうりでなんか煙いと思った。
 
「ほれ、あれを見てみい。」
 
 上を見ると、イソギンチャクのようなでかい怪物が街の上空に来ていた。
 
「この街の魔導砲が発射されるぞい!」
 
 この街の中心にあるでかいビルから、ばか太い青い光線が発射され、怪物は爆破された。
 
「なんなんだ今の!」
 
「汚染された魔素によって強化された、ただの動物じゃよ。人間も防護服がなければああなる。」
 
 爆砕した怪物の欠片が霧?になりながら、落ちてくる。
 
「魔素に犯された怪物は死ぬと魔素になるんじゃよ。」
 
「へえ〜、グハ、ゲホッ、なん、だ、苦、しい。」
 
「防護服なしでいるからじゃ。」
 
「防護、服は、どこ、で用意、で、きる?」
 
「百万ゴールドじゃ。貴様には無理じゃ。この苦しみの発端を知らぬやつなど、汚染されて、死ね。」
 
「が、がはぁぁぁぁぁぉぉぁ!」
 
ーーーーーーーーーー
 
「は!はぁはぁ、夢……か。」
 
 おれはベットの上にいた。
 
「いや、ほんとに夢か?でも確かめることはできない……」
 
 おれは長く悩んだ。
 
 
 
「部外者が消え去ったか。これで少なくとも、少しは、平穏になったかの。異世界人など、信用できんからの。」
 
 
 

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