転生悪魔は、ユグドラシルでエルフ名乗ってます

御丹斬リ丸

第1話 おはよう、アバター転移

2018/07/02 今後の展開の為文章を改正させていただきました。
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…ここは何処?



澄み渡る青空に鬱蒼とした木々。
人の手が入っていないのかツタが木に巻きつき長い雑草がそこら中に生い茂っている。


一体これは、そういいかけたところでふと思い出した。
アレ?なんでこんなところにいるんだっけ。と



結論、何故か目が覚めたら森にいた件。







いつの間にか寝てしまったのだろうか。よくわからないが、青臭い匂いがして変だな?って思って目を開けたら森……と言うか、ジャングルだった…
自分で言ってみておかし過ぎて笑えてくる


これはおかしい
同じジャングルと言えど、アパートの3F辺りをコンクリートジャングルで囲まれた住まい。
文明の利器の溢れた世界だったはず。
なんだこれ。文明のかけらもないぞ?
俺だけタイムトリップしたとか?
そんなアホな



「ギャギヤアーーー!!!!」


と、そんな思いを裏切るかのように大空に羽ばたくプテラノドンのような生物。
木々の合間から一体だけではなく何十もの巨大生物の影がみえた。見えてしまった。


混乱とストレスからかクラっと目の前が歪み、膝から崩れて地面に手を落とした。


ちゃぷ


どうやら手をつけた場所は水たまりだったらしい。
さっきのプテラノドンの小便じゃねぇといいなと思いふと水面に視線を落とすと見慣れない顔があった。


この世のものとは思えないほどに整った顔に、エメラルドグリーンの眼、ウグイス色の髪の毛。


そして笹状の長い耳。
なんだこいつは。


エ、エフゥウフ!
エルフじゃないですか!エロフ!おふっ!


もしかして、もしかしなくても。
そんな期待を胸に耳に手を伸ばして見ればーーっ!?
エルフの正体は俺だったようだ。


エルフかー。
エルフね……ん?






何故にエルフ?!






俺ってばこんなイケメンだったとはな。
あー、すっかり忘れていたようだなー(棒
僕は夢をみていたんだーコンクリートジャンルと社会という人生の牢獄で覆われた世界なんてあるわけないじゃないか!
あは、あはははははは


現実逃避もくれくらいにして。




って何だこれ!



まださ!突然森にいたのは許せる…


何故にエルフ!!!!




いや、言わずともわかってるんだ。
この姿最近よく見た
というより
7年もの長い付き合いだしな。





「ステータスオーブン」






ーーーーーー
名前 シダン
種族 エルフ族〈隠蔽/悪魔族〉
職業 魔導師 弓神
Lv 35〈封印/Lv 834〉
HP 265〈封印/24060〉
MP 125〈封印/36800〉
【契約】【魔神化】【部分解除】
称号 賞金首 弓神
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あ、開いた。よかったよかった。
これで開かなかったら笑い物だよね。
近くに笑ってくれる人はいなさそうだけど。
逆に隣から『あははは』とか聞こえたらホラーだわ




うわぁぁぁぁぁ!やっぱりか!
やっぱり!


俺がプレイしてたゲームのアバターじゃねえか!
何故かエルフだけがいないゲームで他ゲームのエルフに似せて作ったキャラじゃねえかよ。



ってかやばいな…
称号とかさ。


エルフがいないから見た目がエルフぽい悪魔族で作ったんだけど対人戦以外あまり向いてない種族でつい楽しくて……じゃなくて仕方なくPKをしていたんだ。
PKは俺の生き甲斐です。
特に雑魚を蹴散らして調子に乗るのが好きなんです。



ゲームだから『俺2000人超えたぜ!』とか言ってギルドの仲間と自慢しあってだけど現実になると危険人物だな。


PKギルドにいた俺…=殺人狂が集う犯罪組織に所属するサイコ悪魔


ん?悪魔だからいいのか?
いい悪魔とか弱そうだし、これで正解?



ゲーム的にもPKありだったし、建物の破壊とか放火とかも可能だったしなぁ
破壊も大好物です。(にこっ

















ーーーー2042年、ラナックエルダー社からサービスを開始したファンタジー系PCゲーム
【アーツハンドオンライン】というタイトルである
2026年のゲーム革命によってPCゲーム〈MMORPG系〉が軒並みサービスを終了し、VRMMOに置き換わるなか、42年に懐かしのゲームとしてサービスを開始したのが本作である


スーパーマ○オメーカーのようにテンプレートを組み合わすだけでゲームを作れた為Bテストなど全くなくいきなり配信わ始めた【アーツハンドオンライン】だったが、かなり問題があった。


まず、タイトルにもあるアーツハンドとはなんなのか。についてゲーム雑誌のインタビューで製作者が『なんかカッコ良さそうな響きだったから』という雑な理由でつけられていた事実が判明したことや、破壊可能オブジェクトの破片に巻き込まれると即死するバクなどいろいろ問題しかなかった。
当初AHOと略されて呼ばれていたものの次第にバクの多さと製作陣の雑な運営の仕方からAHO(アホオンライン)と呼ばれるようになってしまった。


だが、初期種族として
人族、ドワーフ族、龍人族、不死族(スケルトン、グール、ヴァンパイア)
といった4種類の種族と課金によって転生可能な特殊種族として
悪魔族、雑魚族(ゴブリン、オーク、スライム)、魔族
といった多様な種類の選択が可能だった。


が種族を増やし過ぎたのかデータ的な面でエルフが追加できなくなるというポンコツっぷりを見せ更にヘイトを稼いだ運営である。



だが、それでもプレイヤーを掻き立てる秘策があった。
半年に一回120種類ずつ追加され現在までに数万にも及ぶパーツを組み合わせた
キャラクターメイキングや、430種もの職業、レベル制限のなく無限に強くなり続けられるステータスなど、様々な要素が盛り込まれたゲームであった。


がしかし、ここにも問題があり。
お気づきだと思うがデータがあまりに膨大だった為に重くて重くてダウンロードには最短で4日もかかるのだ。
ふざけんな。



それでも、MMORPGの方が性に会う!
という人々の支持により一躍人気ゲームになった。


自由度が高いというより、運営がザルだった為に、システムの穴を見つけて改造したり、町以外のフィールドに建築をしたりと何でも出来た。



運営は人手不足なのかめんどく下がりなのかわからないが、アップデートはほとんどなし、プレイヤーが改造しようが、勝手に城を立てようが無視、苦情を言おうが要望を言おうが無視し続けた。
運営=空気。



はっきり言って雑すぎた。





そして俺は、
7年前から始めたプレイヤーで、
システムの穴をかいぐぐってフラットな感じの何も無い平野にでっかい漆黒の城を建てているギルド
【韋駄天丼モリモリ】
に加入している


その外見は異様に尽きる。
平野にいきなりデン!と魔王城的なものがあったらそりゃあ可笑しいだろうと。
名前もふざけているが。
誰だよつけたのダッサ。



うちのギルドは生産プレイヤーが集まる場所に出向いてはキルしてドロップした品を売りさばいて資金を得ており、その金で調度品を買っては、城を豪華にしていた。




運営のトチ狂ったアップデートにより課金アイテムをPKでドロップするようにしたりNPCをキルが可能になってからは更にギルドの名を挙げることになった。


それと恐らく運営のミスだろうが街中でもPK可能で、宿とホーム以外のセーフゾーンがなく、街中で火系統の魔法を使いNPC諸共焼き殺したら誰かが動画をインターネットにアップロードしてうちのギルドが燃えた。
見事に炎上しましたね。




話を戻すが、【韋駄天丼モリモリ】の
リーダーは、龍人族で現実世界では俺の親友だった。
だからギルドに加入したが可能するしない以前からレベル差か圧倒的な雑魚をPKしてブイブイいわせていた。



例の自作の3Dアバターデータを使用可能だった為に、作れればだがかなり自由な姿になれた。
それを悪用して、何度も見た目を変えながら俺は初心者のロープを羽織ってPKしたり、ボスを倒してる連中について行って寄生プレイをしていたのだった。
しかしギルドに加入してからはエルフロールプレイに落ち着きずっとエルフをやってきた。









………その、もろエルフアバターの姿に今自分がなっている
全く思い出せるだけで超級の犯罪者だ。


まぁゲームだしな。風呂入んなくちゃ


『ログアウと…』


って!バカか俺は!
VRゲームじゃなくて、MMORPGじゃねえか!
てか何で PCのMMOなのにゲームアバターなんだよ。
おかしいだろ。
俺も早く気づけよ!


現実世界?


異世界転移?


ゲーム世界に転移??



あ、そういえば、こないだ読んだラノベもこんな展開だったな
ゲームだった頃から何百年もたっていた
みたいなさ。


俺も、同じ状況みたいだな


少し憧れてたんだよねー。



メインのシダン以外にもセカンドキャラとか作ったけどどうなってんだろう…





はぁ…
これはどうしたものか



なんては思わなかった
何故なら、東を見れば天まで伸びる巨大な木
木というにはおかしいか。
ストーリーモードに登場したエルフが住まう聖地〈ユグドラシル〉に似ている。
エルフが出てこないゲームのストーリーにエルフが登場する矛盾(笑
ふざけやがって。くそ運営が。



まあ、俺の予想が正しければだが
『エルフいますよー』
ってことだろう。



わかりやすすぎる
ゲームでいうところのチュートリアルだな。
敵も出ない。明らかに行き先がわかる。
逆に怪しいが、なんとかなるだろう。




こういうやってなんて言うんだっけ。
ああ、そうだ!
強くてニューゲーム。
俺tueeeってやらせてもらうぜ!




でも、こんなフィールドは見たことないからゲーム世界じゃないかもしれないが



とりあえず、生エルフを拝む為に、
遠くに見える聖樹ユグドラシル (仮)目掛けて歩み始めるのであった



          

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