適当に強そうなスキルを選んで転生したけれど、8000年も生きる間にすっかり忘れてしまったので無自覚チートでスローライフを送ります

御丹斬リ丸

第15話 邪神やってたらおかしなやつが来た




へんなやつが来た。
これが第一印象だった。
なんだこいつ。
こいつ人間?
そんな感じだ。
それから思ったことは考えていることが似ているということだ。






「白い羽だけじゃねぇか!赤いトサカ、黄色い足、フサフサの羽毛はなんだ。鳥だよ。鶏っていうんだよ!このジーーーーーー」


『すまんのー。部下が失礼した。
お詫びに食べるか?美味いぞ。自信作じゃ!』


儂……儂とかダサいから俺でいいか。
俺のところに魂が来たのはこれで11回目だった。
俺はこれでも邪神だからなかなか魂が流れてこない。
神のしもべどもがミスった時にたまに流れてくるくらい。
わ…俺も神だから仕事がある。
俗に邪神と呼ばれている神は、邪神以外の神の治める世界の簒奪。
作った世界を横から掠め取って信仰力を集めるという仕事だ。
神が不在の世界ではこんなことが頻繁するものだが、勇者召喚で引っ張りダコの地球のある世界は三神協定により神の介入を禁じている。
というか降臨出来ない。
神の中で最も力を持つという正体不明の神、三柱により結界が張られ近寄ることすら許されなくなっている。
だが、勇者召喚とやらであの世界の人間、特に日本人が流れてくるのは日本にまだ残っている土着神が神格を上げるために賄賂として死んだ人間の魂を、または人間を横流しにしているせいである。
神隠しとかがそうだ。
天で見守っているんじゃなくて天に誘拐されたがただしい。
クルスト教やらエスラム教などあの世界には過激な宗教はあったがアレらの神はめちゃくちゃまともで魂の横流しなんてしないし、三神協定が結ばれて以降、地上に降りない徹底ぶりである。
邪神は、地球にたびたび厄病を巻いて来たが大体が結界にぶつかって消滅してるらしいが俺は馬鹿ではないのでそんなことをしない。
精々、新じn……じゃなくて邪神成り立ての奴に神格をあげる方法だと唆して特攻させるくらいか。
邪神業界は厳しいからな。
一人でも潰しておかないと。ははは。


てか、こいつ目の前で眷属を唐揚げに変えたのに普通に食って嫌がる。
まともじゃねぇよ。こいつ。


美味しい。


お、おう。どうも。


この眷属なんだが、神には特権として、そういう部下を作れる権限がある。
神は生まれたときから持っている力の一つだ。
何故持っているのかとか、神はどのように生まれたのかなんて言われても知らないが。
それを考えるのは信仰力を失って暇を持て余しているゴミ屑どものやることだ。
まぁ、一般の神達から見れば奴らも俺らもゴミだろうが。


あ"ーなんだったかな?
あ、そうそう。眷属、眷属の話だが、だいたいの神は天使か悪魔しか種類を選べない。


眷属の種類がどう決まるかといえばこうだ。
神生まれの神は 天使
神生まれの邪神は 天使
邪神生まれの神は 悪魔
邪神生まれの邪神は 悪魔


こんな感じで生まれによって眷属が決まる。
俺の眷属が天使なのはわかったかもしれないが、元々ふつうに神やってて奪い取る楽しさに溺れていつのまにか邪神に……ってな。
ふつうに人の見た目に羽を生やすんじゃあツマんねぇと、アレンジして鶏にしてやった。
あれだ、人間部分が多いか鳥の部分が多いかの違いだ。そう違わねぇだろ?
一般的な天使が人79%鳥20%謎の光1%
こんな割合なら、俺の天使は
人5%鳥94%謎の光1%って感じだ。


『鳥頭の鳥の化け物、鳥頭星人。なんて呼べば良いのだろうか。
……唐揚げでいいか』
なんて考えていたようだが、まぁその通りだな。
唐揚げ。
俺が衝動的に唐揚げに変えてしまったのもあいつが唐揚げ唐揚げと連呼するからだ。
せっかく北京ダッグにしようと思ったのに。
ダッグはアヒルだから違うって?


ふん。神の力を使えば鶏をアヒルに変えることなど容易いわ!
この力を使って天使を一瞬で唐揚げに変えたのだ。
逆にいえば、唐揚げに変えただけだが。


唐揚げにされても意識が残ってるけど…。
こうー、レモンとかかけると 《ああああ、目がぁぁあいたぁぁあい!》とか言ってたし目、何処だよ。


食べるか?って冗談で聞いたのに「美味しい美味しい」言いながら食べるし。
わざとゆっくり噛んで悲痛な声を上げる唐揚げを邪神にも勝る黒い笑みを浮かべて口に入れてたし……。


俺とまるで同じだな。


『お、まだ食べるのか?おう食え食え。』


「あざっす」


《あっあっぁぁあぁぁあ!助けて食べないで嫌だぁ嫌だぁぁあ!助けて助…》


「いひひ、うっま」





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クソジジイと呼ばれていた神目線で少しだけ続きます。これを入れないとおかしなことになってしまうので。
神目線の章が終わったらジャンプして紐なしてバンジーをした場所の続きに戻ります。

          

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