適当に強そうなスキルを選んで転生したけれど、8000年も生きる間にすっかり忘れてしまったので無自覚チートでスローライフを送ります
第9話 一人は楽だが気が触れる。偶にはシリアス、朝にはシリアル
この世界は石もしくは岩だらけ。
どこまでも広がる荒野と生い茂る苔。
原始の惑星を思い起こさる。
いくら石を削っても、無くならないし、騒音も気にせず建築できる。
そもそも誰もいないし。
建築と言えるかはわからないお粗末なものしかないけど。
内部構造の無い、ピラミッドとか多分誰にでも作れるし、神殿もムカつくがあの神にもらったスキルで作れたものだし。
あれ?俺ってクズじゃね……。
不老は置いといて丈夫な身体とか、素材加工だってアイツに貰わなきゃ多分死んでたし、転生させてもらったのに文句ばっかり。
わざわざ思い返さなくても、クズだなんてことはもうとっくにわかってんだよ。
クズはクズなりの生き方がある。
まぁまぁまぁ、シリアスなのは面倒くさいからいいや。
どうせ、あの邪悪な思考の神なんだから気まぐれとか、俺が苔を食ってまずいとか言っている姿を見て喜んでるんだろうな。
けっ、タチ悪いぜ。
邪神め!
は、はははは。
なぁ。
面白いか?あ?
俺が苦しむ姿がよ!
飢え渇き、水を求めて歩き、飲んで苦しみ、食べて吐き、身体中に現れる紫の斑点を見て頭を抑え、誰もいない孤独に絶望し、ひたすら歩いて歩いて、無意味に何かを探し、何も目的をなく歩き、自分に言い訳をして暇をつぶす様がよ!
なぁ、このっ。
くそ、届かない。
俺は、俺なんか、所詮ゲームの中のキャラクターというところなんだろうな。
俺がいくら何かを言っても変化が面白いとかそんなものなんだろう。
いくらでも変わりはいるし、たまには面白いものも観たいし。
死ねない体で飢えて渇いて見せてみろ。
そう言いたいんだろ。
それしか無いしな。
それしかないならそれをやってやるよ。
学力も運動も平均以下だったけど、クズさだけは誰にも負けない自信があるんだ。
せいぜい楽しませてやるよ。
いずれ油断した貴様の喉元を搔き切ってその椅子に座ってやる。
見ていろ!……あ、やっぱり見ないでバレちゃうから。
ふ、ふははははーふははははははは!
          
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