適当に強そうなスキルを選んで転生したけれど、8000年も生きる間にすっかり忘れてしまったので無自覚チートでスローライフを送ります

御丹斬リ丸

第4話 丈夫な体なのに状態異常は無効らしい件







苔って食ったことあるか?
ないよな。多分一生ないだろう。
俺は食った。
だって食うもんねぇんだもん。
味?味は基本的に傷んだブロッコリーみたいな感じで食感は傷んでない普通のブロッコリーの蕾の部分って感じ。


「うっぷ、おぇ」
不味いな、正直言うと嫌いなんだよね、腐ったブロッコリーとか。
不味すぎて昨日食ったものまで戻しそ……あ、そういえば死んだんだった。
吐いて出て来るとしたら唐揚げくらいだな。


うん?でも唐揚げ何キロも食べたのに便意を覚えなかったところを考えると腹に残らない系のファンタジー物質だった可能性もあるな。
うん、この世界もファンタジーならありえるね。
そういえば、ほとんどの異世界ものって主人公はトイレにいかないよな。
てか転生モノとかだと家にトイレがない(登場しない)方が多いところをみると異世界の人間は地球人と瓜二つであるが、赤ん坊の頃のみ排泄物をだし、大人になるにつれ体の中で全分解され排泄をしなくなる。
そして分解された物質は異能や魔法などの超常現象を起こすエネルギーにされている。


ということは、俺も排泄をしなくともいい体になったということか!
なら腹を壊す事もなければトイレの場所を悩むこともない。
更にいえばーーーおっと、これくらいにして話を戻すと総合するとブロッコリーみたいなものだが、はっきり言って煮ても焼いても苔は苔だということだ。


なんせ食った俺の体には紫色の斑点模様が浮かんでいたしな。
食えるものか判別するやり方を昔テレビで見たのを思い出した。
まず最初に、腕に擦り付けてみる。
変化がなければ軽く舐めてみる。
大丈夫だったら食う。
的な感じだったはず。


(※彼の知識は当てにならないのでやってみたい方はググって下さい)


①まずひとつまみの苔を左手に捨てつける。
するとすぐに変化が見られた。


あっ、痒い、痒い痒い痒い、む、ムヒをくれ!あ、異世界だった!


②痒かったけど慣れたからちょっとなめてみる。


うぇえ…お"…っ吐きそうだ
ゲロまず


③絶対食べちゃダメだけど食うもんないし食う!


おっ、おぉ。……ぉうぇ。
はぁはぁ…くそが。





◆◇



紫色の斑点模様なんて出たことないから
、「これあかんやつかもしれへん」とエセ関西弁で呟いてみたが、異世界じゃどうにもこうにもならない上、別に皮膚に擦り付けなければ痒くならないとわかったので、まぁいいやと楽観的にとらえて放置する方向にした。
それに弾け飛んだ体が再生するレベルのチート"丈夫な身体"とやらを信じている点もある。
だけど苔の件をみるに食べ物に対する耐性は丈夫な身体は気持ち程度かなと思っているが。


気になるようなら体をバラバラにして再生すればいいだろうしね。


えーと、あとは不老に関してだが今は確かめようにないからとりあえず、素材加工からためしてみようかな。



何を素材加工しようかとあたりを見回すも岩石砂漠と化したこの地に片手で数えられるほどのものしかないのだからとりあえず足下に転がっていた小石に決めた。
サイズは握りこぶし程度で地面に叩きつけても割れなかったからまあまあ硬い石なんだろう。
出来るだけ硬い方がいい。
なんせ素材加工と豆腐しか削れませんとかだったら困るからだ。
豆腐を削るのにスキルを使うくらいなら手で粉砕する。


「はぁぁーーー!!素材加工ッ!」
とか言って豆腐を粉砕するのはあまりに恥ずかしいし…。



てなわけで早速やってみよう!石を軽く掴んでみる。
そういえば、スキルの使い方とか説明されてないんだけどどういうことだよこれは。


うーむ、もってればなんかなる系かな。
結果、何も起こらなかった。
まぁ当たり前か。
パッシブ系だったら逆に困るところだっな。
石の家とか作ってもなんかの拍子にかべとか触ったら家が加工されて崩れるなんて間抜けすぎるし。


うーん、それとも、もしかして石は加工出来ないくちか?
このクソ雑魚ゴミスキルめ!いやまて!早まるな!


念を込めたりスキルの名前を叫べは発動するかも知れん。
あ、でもステータスの件があるから名前を叫ぶ手段は最後にしよう。


えっと、とりあえず念を込めて見るか。
石を加工します……加工しろー…加工だ…加工…火口じゃないぞ…加工だ…噴煙とか出ない方だぞー………加工





ーーーっっ!?


手で掴んでいる石から電撃が走ったようなきがした。
念を込めるために瞑っていた目をあけ石に視線をおとすと頭にある言葉が浮かんで来た。
おっ、まさか、説明してくれる系かっ!?







▲素材鑑定▼
《 石 》



へ……?



い、いし。



そっ


そんなのは…



見ればわかるだろうがこんクソがぁ!!





なんだこれ、鑑定機能も付いているってことか?


見ればわかる鑑定をして期待を裏切ってくれた所為で頭に血が上った結果思わず石を投げたしそうになったが、このふざけた能力をつけたジジイと違って石は無実なので、割るのはやめておく。


てか本当に加工できるのか?これ…


『ひ、ひひひ…』といいながら見下した目でみてくる老人の顔が頭にチラつくが無視する。


でも、


なんか出来るような気がした。


ぽわんと淡く光る人差し指で左手に掴んでいた石に押し当てた。


そして"加工する"その強い念を込めて軽く表面をなぞった。


ジャガイモの皮が剥けるようにずるっと、なぞった部分が削れ剥がれ落ちて行く。


凄い!
コレは凄いぞ!
と褒めたところ何故か
あの性悪ジジイのムカつく顔が頭に浮かんできた為、急にテンションが下がって凄くないような気もしてきた。


「うーむ、そこそこだな。まぁ使ってやるよ」


『だったら使わなくていい、没収だ没収。』と言う声が聞こえたような気がした。



…気のせいだな



素材加工は一応石が加工出来るということがわかった。これはでかい。
なんせこの世界、石しか無いんじゃないかと思わせてくれる程に一面石だらけだ。
早まるな、まだ森林とかあるかもしれないだろ、とか思ったが落下中に見えた地平線まで全て岩石砂漠だった。
石で何が作れるだろうか。
石器時代、何使ってたっけ?
中3の歴史のテストたしか12点だったな。
うーん、投石器?
構造がわからないから却下。
あと、何があったかなぁ。
石ナイフ的なのがあった気がするな。


よし、とりま石ナイフ作るか。


材料は……うん、ちょっと大きめの石で作ろう。
30cmほどの石を見つけたのでこれにした。
まずは、削る……何か非効率なやり方だな。
こう、ほら電ノコみたいにまっすぐ斬れないのかなぁ。


"斬れろ"



ん?今スキルが発動したような気がしたんだが…。


まさか不発か?


不発って怖えな。
銃とかでアレ?出ないぞとか言って覗きこんで死ぬやつあるじゃん。
この石を再度、触った瞬間にスキルが発動して指が斬れるなんてありそうなんだよね。怖いなぁ。やだなぁ。


つん、つんつん。


何も起こらなかったので試しに持ち上げてみることにした。





すぅっーーー


勢いよく持ち上げた石が僅かにずれそしてゆっくりと二つに分けれ転がった。


え?


つまないものを切ったしまった。
とか言って刀を収めると敵が斬れる的なやつじゃん。


すっっげぇ!かっけえ!



ちょっと調子に乗って悪い癖が出た俺は見渡す限りの石に斬れろと念を込め指を払い、時には投げた石を、時には"粉砕"などという念を込めた。
スタミナを使い果たし地面に這いつくばる頃には見渡す限り砂利が転がっていた。


ああ、やっちまった。
ナイフどころじゃないな。


そろそろ薄暗くなってきたし火を起こさないと。



えっと、火打ち石だな。
めちゃくちゃ暴れたおかげで尖った石は
沢山あったので作るまでもなく終わった。
火打ち石の使い方は叔父さんのキャンプに行った際に教えてもらったので知ってる。
これで起こしてみろと言われて見てない隙にライターでつけてたからやったことないけど。
『おおっ!お前火打ち石の天才か!』とか言われたがごめんなさい、私はライターの天才です。



火打ち石は石と石を叩く摩擦によって火種が出る。
その火種を藁にいれ燃やす。
が正しいやり方だった気がするが現状石と苔しかないしな苔に火種を押し付ければいいか。


尖った石を思いっきり振り上げ手元の石に叩きつけた。


「……ぁ"…ああああああああああ!?」


痛え、マジで痛え…。丈夫な身体とか言うチートなかったら死んでるって。
手元が狂い思いっきり手の甲に刺してしまったがチートにより再生とすぐに痛みが弾き違和感だけが残った。
そう、俺が上空から落ちてバラバラになっても発狂しなかったのはチートの効果によって痛みを対して感じなかったからだ。多分。
丈夫な身体には痛感耐性とかついているのかもしれないな。


よし仕切り直しだ。
今度はちゃんとな。


ーーッカーン!


ーカーン!


ーカーンッ!



ーカン!!




お?思ったより早くできた。
苔はジメジメしているものの、火種をつけたら燃えそうな気がしてきた。
おら!根性だ!根性焼きじゃァ!!


じゅぅうぅ!と押し付けてみるが燃える気配がない。
そして火種と消えやすい性質であるはずなのに消える気配もない。
ファンタジーだな。
いや、ご都合主義か?
なんなら火も付いてくれ。
ほら、ご都合主義様よ。


つかねぇ…。


どうしたら燃える…。
苔以外に何にもないしな。
考えているとなんだか火打ち石が熱くなってきたような気がしたのでその辺に放り投げておいた。



ーーーボォン!!





「え?何?ちょっ…!?」


物凄い熱風によって後ろから吹き飛ばされた。
俺は頭から地面に着地して何回も転がりながら数十m近く吹き飛ばされた。
吹き飛ばされる過程で粉々に破壊した石コロが牙を向いたようにまるで散乱弾のように飛び身体に刺さったが数秒で肉が盛り返し刺さった石が身体から吐き出され何ごともなかったかのように再生した
。が次々に刺さる石と着地する度に叩きつけられた所為でかなり意識が飛んでいた。



「一体なんだったんだ?」
火打ち石を投げてそしたら爆発した。
怖っ…まさかそう言う系の石だったのか?
投げると爆発する魔石とか聞いたことあるな。


もしかして粉塵爆発か?
石をかなり粉々にしたし。
それに引火したのか。
で、火種は生きているかなー。


あれれ、吹き飛んだっぽいな。
ってことは火は付かず手を怪我して爆発に巻き込まれただけ?
はぁ。


なんか焦げ臭いな。


てっ、


「あっち、あつ、あちちち」
「俺が燃えてんじゃねぇか!」
「あっちぃ!!お、俺の一張羅がぁぁあ!」
「あれ?…再生してるじゃん」


上空から落ちた時にも確認していたがどうやらこの服も再生するらしい。
正直良かった。
よくなかったけど良かった。
燃える服完成。
もしくは焚き火。


便利だけど森に入ったら大惨事になりそうだし、もし町があって入ろうとしても不審者として牢獄行きか燃えて死なない化け物として討伐されちゃう運命しか見えないわ。


うん、詰んだ。
マジで一張羅だし。
脱いだら変態。
着たら放火魔、悪くて化け物。



どうしよう。







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読んでいただきありがとうございます。
活動報告的なものをここに書かせていただきます。
最近続きを書こうと思っていたのですが、書き直したい部分が出たので1000文字程度だった話を3000〜4000程度まで引き上げる予定です。
それから俺tueee過ぎるのと暴走しすぎて何を言いたいのかわからないところ、誤字などを直していきます。


主人公は馬鹿だという設定なので石器時代に投石器とか言っていますがどうぞ暖かい目で見てあげてください。
これからもよろしくお願いします。

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