クラス転移でみんな勇者なのに俺だけ魔王だった件

ニートは引きこもりたい

才道とアレプトの戦いは戦いと呼べるものではなく災害レベルになっていた。
 互いの一撃,一撃が地面をえぐり空気を振動させ地形を変えていく。
 そして今,再び魔力がぶつかり合いながら戦っている。
 その災害は戦っている2人さえ巻き込み始めていた。

「ぐはっ!」
打ち出すたび回避不能で襲ってくる衝撃に才道は再び血を吐く。もし,この戦闘を見ている者がいたら優位なのは一目でわかるだろう。
それほどまでにアレプトは傷ついていた。
それも当然だろう。この戦闘もそうだがその前のゼンとの戦いの傷すら直していないのだから。
なので先程までどんどん高まっていた魔力も体がもたなくなったのかピークを過ぎ今やゼンと戦っていた時よりも魔力は少なくなっていた。それでも戦えているのは無理やり操られているからに他ならない。
 アレプトのその傷ついた姿を見て才道も攻撃するのをためらい始めている。
 だが,アレプトは止まらない。剣を構え才道に向けて横薙ぎに払う。
 どこから出してるのかその斬撃はありえないほどの魔力で覆われていた。
 才道はそれを避け斬撃は地面に当たる。すると,地面は大きく裂けマグマがそこから吹き出し始める。
 アレプトは才道に突っ込み地面に押し倒す。その様子はバーサーカーそのものだ。
そのまま何度も才道を殴り始めるが才道はアレプトの腹を蹴り飛ばし気絶させるため強力な一撃をもう一度アレプトの腹に叩き込む。しかし,アレプトは血を吐くだけで気絶をする様子はない。それもそのはず実はゼンとの戦闘で才道がゼンの出した一撃で気絶してしまったので気絶対策としてアレプトには気絶しないよう付与をかけていた。しかしその事実を才道が知るはずもなかった。
 そのためアレプトは死ぬまで戦闘を続けるだろう。あの天使のために。
 才道は自分の力の無さを知り自分に怒りを感じていた。
(ゼンならこの状況も変えられるのだろう。それに比べて俺は何をやっているんだ。あの女に利用され,ゼンを傷つけ,仲間も救えない。こんなのが勇者なのか。俺は誰も救えないのか?俺は傷つけることしかできないのか?)
 するとどこからか声が才道の頭に響く。

「力が欲しいのか?」
才道が質問に答える暇も与えず一方的に質問が再び問われる。

「それともヒーローにでもなりたいのか?」

「汝,力が欲しいのなら願え。さすればその望み,我が叶えてやろう。」

(俺は力が欲しい。誰も傷つけずみんなを救える力が欲しい!)

「心得た。」
すると,才道の体が光始め新しいスキルを手に入れた事を才道は自覚した。














個人スキル
英雄の光
悪しき力を払う光を放つ。
その光はいかなる状態異常もかき消す。
ただしこれは自分には使えない。

「汝の望みは叶えた。」
そう言って声は消えるがそんな事を気にもせず才道はすぐさま聖剣をアレプトに向けスキルを発動する。
 すると,聖剣が眩しく緑色に光始めあたり一面その光に包まれた。
 
 

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コメント

  • けん玉マスター

    ちゃんと面白いのでそんなに謙遜しなくても…
    ただもっと字数が多いと読み応えがあっていいと思いますよ。
    上からすいませんでした。自分も小説を書いてる身なのでお互い頑張りましょう。

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