クラス転移でみんな勇者なのに俺だけ魔王だった件

ニートは引きこもりたい

才道VSゼン再び

2人の最初の攻撃をバックステップで避けるとゼンは体制を立て直し2人をしっかり見直した。
 すると,目の前にアレプトが来ていてゼンに重いパンチを繰り出してきた。ゼンは腕を交差させガードするも思いっきり飛ばされる。そして周りを見渡すとソコは先程までいた天使の国ではなかった。

「町で暴れられると迷惑ですから。飛ばしてあげましたよ。それじゃあしっかり踊って私を楽しませてくださいよ。ゴミ虫。」
天使はそう言うと空中に待機した。
 そして今こうして話している間もゼンは2人の攻撃をさばいていた。2人の戦法は大抵アレプトが前衛で攻撃をし才道が後ろから剣や魔物を召喚して隙をついて攻撃してくる。実に上手い戦法だとゼンは思った。アレプトは常時身体強化しているため1撃1撃が重く強い。そして才道が召喚するものはあくまでイメージなので攻撃すれば消えるが攻撃しなければ実態を保ったまま時には致命傷をもつけられる。それをアレプトの攻撃の間にミスもなく確実に撃ってくるため迎撃の暇がない。ゼンは周りに雷を放ちやっと地面に降りた。

「こりゃあ最初から全力で行かねえとな!」
そう言うとゼンは体に力を込める。すると,ゼンの体がエメラルド色に輝く。

「はあぁ!」
ゼンの髪がエメラルド色になり同時に体からエメラルド色のオーラが溢れる。
 モードエナジーだ。
 それを見てもアレプトは少しも怯まずゼンに向かってくる。しかし,目の前に水の塊が現れた。アレプトは急に現れた水の塊を避けれずそのまま突っ込んでしまう。そして途端に動きが鈍くなる。鈍くなった瞬間を狙ってゼンが両手を重ねアレプトの上から振り下ろす。ゼンの手には緑色のエネルギーの塊が纏われていて殴った瞬間そのエネルギーがアレプトに纏いそのままアレプトと一緒に地面に落ちる。落ちた瞬間地面から木が沢山生えてきてアレプトを中心に1つの森が出来た。

「流石に2体1は厳しいからな。少しソコで迷っててくれ。」
ゼンはそう言うと才道の方を見る。

「2回目だな。お前と戦うのも。悪いけど今回は時間をかけられねえから速攻で終わらせるぞ!」
そう言って構える。
 才道はゼンがアレプトを閉じ込めている間に数え切れないほどの剣や魔物を召喚していて今はそれを全てゼンに向けて飛ばしていた。

「ちょっと,ずるくねえか!」
そう言いながらもゼンは何もない空間から岩や水、時には風を呼び出し全てを防いで行く。さらに自分は風の力で空を飛び才道の後ろに瞬時に移動し裏拳をかます。
 才道はゼンが後ろに回り込んでいることに気づかずゼンの裏拳を顔にくらった。
 才道が裏拳の威力で遠くに飛ばされる。ゼンは両手を上に広げ才道の飛ばされた方向に雷の球を作る。そして才道がその真下を通る瞬間両手を振り下ろした。
 飛ばされた才道はゼンが作った雷の球を避けれずもろにくらう。
 雷の球の威力で出来た煙が腫れていくと中には白い光で包まれていく才道がいた。

「はっ!」
 才道は勇者の力を解放し悪滅光をその身に纏う。
 才道はスピードを上げ一気にゼンの目の前まできて突然姿を消した。そこからさらにスピードを上げゼンの後ろに回り込んだのだ。今度は才道の裏拳がゼンを襲う。
 ゼンは一瞬遅れて才道に気づきすぐさま体を剃り裏拳を避けようとしたが避けきれず鼻に少しかすった。それだけで少し飛ばされゼンが鼻を触ってみると手が血だらけになっていた。つまりそれだけ才道の悪滅光は強いということだ。
 ゼンはその事実を知りつつも少しワクワクしてた。

「はっはは。」
(やっぱ強えな。)ゼンは気合を入れ直し才道を再び見る。
 ゼンと才道は同時に飛び出し互いに両手を掴み押し合う。数秒推しあった後ゼンは才道を蹴り飛ばす。
 蹴り飛ばされた才道は小さな光の球を複数作った。すると球1つにつき1個ずつレーザーがゼンに向かって飛び出す。
 ゼンは体全体に風を纏いそのレーザーを吹き飛ばしながら才道に向かっていく。
 レーザーが出す煙幕のせいでゼンの姿が見えず才道はゼンのドロップキックを腹にまともにくらう。しかし才道はそこからゼンの足を掴み地面に向かって何度も振り下ろす。ゼンは才道の下から空気を撃ち込み才道を再び吹き飛ばす。
 吹き飛んだ才道は瞬時に光を集め巨大な球状にしゼンに向けて落とす。 
 ゼンはそれを両手で受け止めようとしたが受け止めきれずそのまま地面のさらに下の空間まで行く。地面の下は洞窟だったようで地面や壁,天井に鍾乳洞が沢山あった。
 才道の光の球はその鍾乳洞の洞窟の地面についたと同時に爆発した。
 才道が洞窟に降りるとそこには上半身が裸になったゼンがいた。
 
 鍾乳洞の洞窟は今やいつ崩れてもおかしくない状況になっていた。
 2人の拳が交わりぶつかり合うたびに空気が振動し,天井の鍾乳洞が落ち,地面が割れる。そしてそれは終わる気配がちっともしない。
 
やはり悪滅光のパワーはものすごかった。
 才道が放つ打撃をゼンは受け止めきれなかった。一方,ゼンの攻撃は才道に軽く受け止められる。
「グッ!?」
 そしてついに才道のパンチが,ゼンの腹にクリーンヒットした。
 ゼンは口から血を吐きながら飛ばされ壁をぶち抜いていく。
 大きな壁にぶつかりようやく止まった。
 ゼンの様子から内臓にも傷を負ったのだろう腹が紫色のアザになっていた。
 ゼンは自分の体と周りを見ながらある覚悟を決めた。
 才道がゼンにも見える距離まで飛んでくるとその場で止まり巨大な光の剣を自分の頭上に作り出す。そしてそのままゼンに向けて放った。

「頼むから死なないでくれよ!」
ゼンはそう言うと壁に左手を当て右手を才道に向けた。そしてその右手から大量のマグマが才道向けて飛び出してきた。
 実は壁の向こうは火山に通じていてそこのマグマをゼンは自分をホースとしていきよいよく右手から噴射したのだ。
 いくら自然を味方にしたゼンでも流石にマグマや酸性水など危険なものは呼び出せなかった。しかし近くにあるなら呼び出すことは可能だ。
 マグマと光の剣がぶつかり合う。最初は均衡していたもののすぐにマグマが剣を押し始める。時間が経つにつれさらにマグマの噴出度は強くなり才道の剣をついに吹き飛ばしマグマは才道に直撃した。
 才道にマグマが直撃したのを見るとゼンは左手を壁から離しマグマを止める。
 才道を見ると才道は原型は保っていたがもはや戦える雰囲気ではなかった。体の所々が焼け爛れ才道を纏っていた悪滅光もその輝きを失っていた。そしてやがて前に倒れた。ゼンは見た。倒れゆく才道が自分に笑顔を向けていたことを。
 こうしてとりあえず1人目の強敵を倒した。

 そして,敵は残り2人。


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