クラス転移でみんな勇者なのに俺だけ魔王だった件

ニートは引きこもりたい

大魔王・勇者・そして人間

デュークとゼンが別れた頃アレプトと才道の戦いは才道の方が優勢だった。
あのでかい衝撃波のせいでアレプトは深手を負い次第にパワーアップした才道に押されていた。才道の攻撃を避けてばかりなのがその証拠だ。
才道の攻撃で何回目になるか再びガードを押し破られ光の衝撃波をまともに受け姿勢が崩れる。アレプトは闇の塊を才道にぶつけ距離を再びとる。
才道はアレプトに向けて剣を打つがアレプトはそれを避けつつ距離を出来るだけとるが才道が一瞬で後ろに回り込みアレプトを蹴り飛ばす。
そして聖剣に光を集めアレプトに向かって突き出す。2人の目の前が白く覆われた。

才道が目を開けるとアレプトの姿はどこにもなかった。終わったかと思い休もうとしたがクラスメイトが気になり景色が見える場所まで行きそして驚愕した。
なんと先ほどまで戦争をしていた場所に花や木が成長しており虫や鳥が楽しそうに飛んでいた。
すると上から静かな声で,

「見てわかる通り戦争はもう終わっている。これで犠牲者はとりあえず0人にできた。」
才道が見上げるとそこにはゼンがおりそしてアレプトがゼンに抱えられていた。

「ゼン!なんでそんな奴を助けるんだ!」
才道はとりあえず魔王が生きてることがありえなかったためそれを助けたように見えるゼンを責める。しかしゼンは気にせず,

「とりあえず落ち着けまずはゆっくり話し合いをするぞ。」
っと才道に言ってきたので才道が文句を言おうとすると,

「話し合いなんてできっこないよ。まぁ助けてくれたのはありがたいけど。流石に僕もあれは危なかった。」
アレプトがゼンに抱えられながらそう言う。見ると先ほどまでの怪我がウソのように消えている。

「な,なんで!?」
才道が驚いているとゼンが才道に向けて緑色のエネルギーを撃ち才道に当たると才道の怪我も綺麗になくなった。

「さて,そちらの事情はわからないが落ち着いて話し合え。何かしようとしたら俺が邪魔するからな。」
ゼンがそう言い降りてくる。そして山の上での話し合いが始まった。

「えっとまとめるとこうか?

アレプトはこの戦争の原因の才道が許せない。

才道は罪の意識はあるがとりあえず人間を助けるために魔王を倒そうとした。

才道が言うには戦争が始まる前から人間の様子が少しおかしかった。ってところか?」
ゼンが口に出しながら両者の思いをまとめると,

「だってゼンちゃん考えてみてよ。この戦争が始まったのはコイツのせいなんだよ。僕らが責められる理由がないじゃない!」
アレプトが再び騒ぎ出す。ゼンはため息をつきながら,

「それはそうだけどなアレプト。お前も少しおかしいぞ。前のお前はもっと落ち着いて物事を考えていただろう。少なくとも感情に流されてはいなかった。」
ゼンは少し考えてからさらに続ける。

「言おうか悩んだけどこんな調子なら言ったほうがいいか。まず才道。多分だけどな,人間たちは誰かに操られている可能性が高い。そしてアレプト。質問だがお前は神をどう思う?」

「か,神?急にそんなこと言われても,まぁ少なくとも嫌悪しているわけではないよ。」
その答えを聞いてゼンはやっぱりか,と言った後,

「こっからは俺の推測だがおそらく人間を操っているのは神様だ。理由を言うとどんな人間でも少しは神様を崇めている筈だ。それで神はそれを利用して少し暗示をかけていると思う。ちなみにアレプトもかかっていたぞ。」

「で,でもみんなのステータスを見たが状態異常にはかかってなかったぞ。」

「そりゃそうだろ。相手は神だぞ。ステータスなんて弄り放題じゃねえの?」

「そんなのどうす事も出来ないだろ!」

「だから神を倒しに行くぞ。まぁ少なくとも今後の目的は決まっている。」

「それはなんだいゼンちゃん?」

「天使を問い詰める。」

「そこで,通して天使が出てくるんだ?」

「おそらく神と1番関わっているはずだ。とりあえず今日はここまでそれぞれ自分の居場所に戻って戦争は終わったって言ってこい。」
ゼンにそう言われ才道とアレプトが戻ろうとすると,

「アレプト。俺の魔王の職業って戻せるか?」
唐突にゼンがそう聞いてきた。

「戻せるけどどうして?」

「いや聞いてみただけだ。」
アレプトはそうっと言って仲間の元へ帰った。
これにて『被害者が0人という摩訶不思議な戦争』は幕を閉じた。否正確には閉じられた。たった1人の少年によって。だがその存在はごく少数の者しか知らない。




















「あっれー?てっきり戦うと思ったのにもう戦争終わっちゃったのー?」
白い世界で1人の少年が残念そうにつぶやく。

「まぁいいか。これはこれで意外性があって僕は十分楽しめたし。さて今度は彼の封印を解いてみようかな。今度はどう切り抜けるのかな。楽しみにしてるよ2人共。」
そう言い少年は1つの紫色の宝玉を壊す。

「早く僕と遊ぼうね。」
少年は少し寂しい目をしながらそう最後に呟いた。

そして少年は手元にあるルーレットを再び回した。



作者です。学校が始まり生活リズムがくるったため遅れました。待たせてすいませんでした。これからはできる限り毎日更新したいと思います。最近☆が増えてきて嬉しかったです。これからもよろしくお願いします。

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