地球にダンジョンがやってきたので、モンスター娘達とやりたい放題で世界最強冒険者になることを目指す
モンスター娘に出会った件
ダンジョンに入り、俺は驚いた。
洞窟の様に暗くジメジメとしているのかと思いえば、とても明るく涼しい。
ここ、夏場は過ごし易くていいな。
まずは、目の前に伸びている一本道をひたすらに歩く。
モンスターが出てきてもいい様に武器は構えておく。
それにしても、天井に取り付けられている電球……。LEDだよな、絶対。
やたら明るくて、それに豆電球で──現代人が遺跡を造ればこうなりそうだ。
「明るくて歩きやすい。このままゴールポイントまで直進のみで
行けねーかな」
ダンジョンクリアで外に出ることができると言われ、クリア条件はゴールポイントへの到達。
それまでに出てくるモンスター達は、倒す必要が無いと判断したら放置が許されているらしい。
でもせめて、やるなら倒してみたいと俺は思った。
いや……強そうだったらやめておこう。
弱そうだったら──やろう。例えばGの様なカサカサ動くキモいやつとか。
俺はブツブツ一人で言いながら、一本道を歩く。
すると、一本道の最後は行き止まりでなんてこっただ。
ありえない。行き止まりは酷すぎる。
だがここで引き返すのも釈然としない。心が晴れない。
俺は行き止まりとなっている、目の前の壁を少し触ってみる。
冷たい……氷の壁を触っている様だ。
ただの岩を触っているだが、今にも何か喋りだしそうな──
『この先から、ダンジョン奥部へと行けます。本番はここからですが、心の準備はよろしいでしょうか?』
「──塗り壁か! てか期待を裏切らないな……」
『準備はよろしいのですね。では、行ってらっしゃいませ』
何も言っていないが、壁は勝手に奥へ数センチ下がって左側に引かれていく。
そして奥には大きな空間……ジャングルか。
広大なジャングルが広がっている。
天井には照明。人工的に作られたセットなのだろうが、草木や土は本物と変わらない。
水も流れ、鳥の声もある。蟻も地面を歩いている。
フルーツ類も木からぶら下がっていて、完全再現されている。
見ているだけじゃどうにもならんな。
中に入ると、壁は自動的に閉まった。
よし、ここからが本番だ。ここをクリアしよ。
茂みから成長して天井を覆い尽くす木々で、下の方は薄暗い。
このまま歩いてゴールできねーかな。
普通にここ、ジメジメしてて臭いし。
フルーツは美味そうだし。食べたら腹壊しそうに色不気味だし。
──コツッ。
歩いて一分も経っていたいだろうところで、木の根の様に硬い木材に足をぶつけた。
下を見ると、宝箱が置いてあり張り紙がされている。
◆カウンターの娘です!:すみません、先ほどお渡しできなかった品です。適当に体のどこかに刺して体内に流してくださいね!
怪しい。怪しすぎてヤバイ匂いだけがここだけするぞ。
張り紙は取り、宝箱を開けてみる。
「……これは薬物か? 麻薬か? 俺を更生施設に入れたいのか?」
中には注射セットに、薄水色の液体が入っている。これはヤバイやつだ。
とりあえず、持っておくだけにしよう。ダンジョンクリアしたら、返そう……。
ここに置いていくのもあのお姉さんに悪いし。
胸ポケットにしまい、また歩く。
宝箱は、次の人が来たら躓かないように大剣の柄の方で破壊して茂みに投げておいた。
これぞ気遣い。できる社会人と言っておこう。
自分を褒め、仕事のできないサラリーマンから人間性でできるサラリーマンになってみたり。
そんなこんなで、道中蛇が上から落ちてきたりしたものの一つ抜けた広場に出た。
草木は綺麗に刈られ、木が真ん中に一本あるのみ。
映画とかにでてきそうな中間地点だな。
まぁ、ここが中間なのか不明なのだがな。
一先ず休みもう。あの真ん中に生える大樹の下で腰を下ろそうと俺は近づき、大剣を置く。
よっこらせい……と、の心の中で言いいながら腰を下ろし、気づいたら──寝てしまっていた。
「……人間か? 見たこ……服……な」
途切れ途切れで、オッサンの様に低くて地を這うような声が頭に響く。
夢か……。夢なんだろうな。こんなオッサンに声を掛けられる程、俺は美少年では無いからな。
「……夢か……」
「夢じゃない夢じゃない。とりあえず起きろ、そこは私の場所」
「……オッサン、うるさい……」
「お、オッサン!? 私がオッサン!? 酷い……この人間酷い!」
寝ぼけながらオッサンと会話している俺は、夢では無いことに気づきながらも目は寝ていた。
姿を見ずにオッサンと決めつけるのは、確かに悪いことをしたな。だが声がオッサンじゃねーか。
顔なんて見なくてもオッサンだろう。
俺は片目を無理矢理に開けて、しょぼんだコンタクトで前がぼやけている。
が、何とか涙を出してコンタクトに水分を与えて見える様にする。
すると、オッサンでは無く全身緑の超人バンルクの様なモンスターだった。
「……は?」
「私を見てその程度の驚きとは、むしろ見るのが初めてだからその程度の驚きとか。まぁ、いいから退いて退いて、そこ私の場所。とりあえず横ずれる」
「あ、はい……すいみません」
モンスターと出会ったが、襲われない。と言うか、襲われる以前に超喋るモンスターだ。
怖いを通り越して、普通にビックリだ。
「うーん……しょっ! これが寝やすい!」
「な、な、な──」
緑の……超人バルンクの……オーク風モンスターは小さな光になったと思えば、高校生くらいの女の子に変身してしまった。
「なんだとおおおおおお!?」
「ビックリ!? ビックリした!?」
「したした! てか、モンスター娘とか!?」
「何それ可愛い! いただきそのネーム! 私はオーク科のテイナ。人間の女の子の体を依代とするオーク、モンスターだよ。君は?」
「俺は佐藤豪。たまたま落ちたこのダンジョンを出る為に冒険者登録した地球人だ」
モンスターと会話をしている俺。
──超カッコイイ。
「じゃあ、案内してあげる!」
「モンスターからも守ってあげられる。あ、ちなみに私は元冒険者で、今は無いけど昔に発生したモンスター粒子を吸いすぎたことでモンスターへと変化した善良で中途半端な生き物だから怖くないよ!」
「出会った女の子がモンスターになった時は怖いけどな。じゃあ、ありがとう、案内お願いします」
「はいよー! 任せなさい任せなさい!」
ダンジョンに入り、寝た時間を入れて一時間程。
スマホのデジタル時計は十時を超えたくらい。
モンスター娘に手を引かれ、俺は広場から来た道の向かい茂みへと入っていく。
ダンジョン……出会いの場。
まさかの菌による突然変異でモンスターと化した、黒髪美少女と出会うとは──ついている。
だが、女の子の容姿から変化すると全身緑の筋肉モリモリボディービルダーだ。
木々の合間を抜け、モンスター娘のテイナちゃんに着いていく。
さすが元冒険者。道を知っているからか、サクサクと進んでいくな!
と、思ったのも束の間。テイナちゃんの足が、透き通る綺麗な水が流れる川岸で止まってしまう。
そして全身がプルプルと震え、俺の方を振り向いたと思えば涙を浮かべて、
「豪さん……ま、ま、ままま──迷いましたー! うわはああああああ!」
「なんだってええええええ!?」
俺達は、ダンジョン内で遭難した。
洞窟の様に暗くジメジメとしているのかと思いえば、とても明るく涼しい。
ここ、夏場は過ごし易くていいな。
まずは、目の前に伸びている一本道をひたすらに歩く。
モンスターが出てきてもいい様に武器は構えておく。
それにしても、天井に取り付けられている電球……。LEDだよな、絶対。
やたら明るくて、それに豆電球で──現代人が遺跡を造ればこうなりそうだ。
「明るくて歩きやすい。このままゴールポイントまで直進のみで
行けねーかな」
ダンジョンクリアで外に出ることができると言われ、クリア条件はゴールポイントへの到達。
それまでに出てくるモンスター達は、倒す必要が無いと判断したら放置が許されているらしい。
でもせめて、やるなら倒してみたいと俺は思った。
いや……強そうだったらやめておこう。
弱そうだったら──やろう。例えばGの様なカサカサ動くキモいやつとか。
俺はブツブツ一人で言いながら、一本道を歩く。
すると、一本道の最後は行き止まりでなんてこっただ。
ありえない。行き止まりは酷すぎる。
だがここで引き返すのも釈然としない。心が晴れない。
俺は行き止まりとなっている、目の前の壁を少し触ってみる。
冷たい……氷の壁を触っている様だ。
ただの岩を触っているだが、今にも何か喋りだしそうな──
『この先から、ダンジョン奥部へと行けます。本番はここからですが、心の準備はよろしいでしょうか?』
「──塗り壁か! てか期待を裏切らないな……」
『準備はよろしいのですね。では、行ってらっしゃいませ』
何も言っていないが、壁は勝手に奥へ数センチ下がって左側に引かれていく。
そして奥には大きな空間……ジャングルか。
広大なジャングルが広がっている。
天井には照明。人工的に作られたセットなのだろうが、草木や土は本物と変わらない。
水も流れ、鳥の声もある。蟻も地面を歩いている。
フルーツ類も木からぶら下がっていて、完全再現されている。
見ているだけじゃどうにもならんな。
中に入ると、壁は自動的に閉まった。
よし、ここからが本番だ。ここをクリアしよ。
茂みから成長して天井を覆い尽くす木々で、下の方は薄暗い。
このまま歩いてゴールできねーかな。
普通にここ、ジメジメしてて臭いし。
フルーツは美味そうだし。食べたら腹壊しそうに色不気味だし。
──コツッ。
歩いて一分も経っていたいだろうところで、木の根の様に硬い木材に足をぶつけた。
下を見ると、宝箱が置いてあり張り紙がされている。
◆カウンターの娘です!:すみません、先ほどお渡しできなかった品です。適当に体のどこかに刺して体内に流してくださいね!
怪しい。怪しすぎてヤバイ匂いだけがここだけするぞ。
張り紙は取り、宝箱を開けてみる。
「……これは薬物か? 麻薬か? 俺を更生施設に入れたいのか?」
中には注射セットに、薄水色の液体が入っている。これはヤバイやつだ。
とりあえず、持っておくだけにしよう。ダンジョンクリアしたら、返そう……。
ここに置いていくのもあのお姉さんに悪いし。
胸ポケットにしまい、また歩く。
宝箱は、次の人が来たら躓かないように大剣の柄の方で破壊して茂みに投げておいた。
これぞ気遣い。できる社会人と言っておこう。
自分を褒め、仕事のできないサラリーマンから人間性でできるサラリーマンになってみたり。
そんなこんなで、道中蛇が上から落ちてきたりしたものの一つ抜けた広場に出た。
草木は綺麗に刈られ、木が真ん中に一本あるのみ。
映画とかにでてきそうな中間地点だな。
まぁ、ここが中間なのか不明なのだがな。
一先ず休みもう。あの真ん中に生える大樹の下で腰を下ろそうと俺は近づき、大剣を置く。
よっこらせい……と、の心の中で言いいながら腰を下ろし、気づいたら──寝てしまっていた。
「……人間か? 見たこ……服……な」
途切れ途切れで、オッサンの様に低くて地を這うような声が頭に響く。
夢か……。夢なんだろうな。こんなオッサンに声を掛けられる程、俺は美少年では無いからな。
「……夢か……」
「夢じゃない夢じゃない。とりあえず起きろ、そこは私の場所」
「……オッサン、うるさい……」
「お、オッサン!? 私がオッサン!? 酷い……この人間酷い!」
寝ぼけながらオッサンと会話している俺は、夢では無いことに気づきながらも目は寝ていた。
姿を見ずにオッサンと決めつけるのは、確かに悪いことをしたな。だが声がオッサンじゃねーか。
顔なんて見なくてもオッサンだろう。
俺は片目を無理矢理に開けて、しょぼんだコンタクトで前がぼやけている。
が、何とか涙を出してコンタクトに水分を与えて見える様にする。
すると、オッサンでは無く全身緑の超人バンルクの様なモンスターだった。
「……は?」
「私を見てその程度の驚きとは、むしろ見るのが初めてだからその程度の驚きとか。まぁ、いいから退いて退いて、そこ私の場所。とりあえず横ずれる」
「あ、はい……すいみません」
モンスターと出会ったが、襲われない。と言うか、襲われる以前に超喋るモンスターだ。
怖いを通り越して、普通にビックリだ。
「うーん……しょっ! これが寝やすい!」
「な、な、な──」
緑の……超人バルンクの……オーク風モンスターは小さな光になったと思えば、高校生くらいの女の子に変身してしまった。
「なんだとおおおおおお!?」
「ビックリ!? ビックリした!?」
「したした! てか、モンスター娘とか!?」
「何それ可愛い! いただきそのネーム! 私はオーク科のテイナ。人間の女の子の体を依代とするオーク、モンスターだよ。君は?」
「俺は佐藤豪。たまたま落ちたこのダンジョンを出る為に冒険者登録した地球人だ」
モンスターと会話をしている俺。
──超カッコイイ。
「じゃあ、案内してあげる!」
「モンスターからも守ってあげられる。あ、ちなみに私は元冒険者で、今は無いけど昔に発生したモンスター粒子を吸いすぎたことでモンスターへと変化した善良で中途半端な生き物だから怖くないよ!」
「出会った女の子がモンスターになった時は怖いけどな。じゃあ、ありがとう、案内お願いします」
「はいよー! 任せなさい任せなさい!」
ダンジョンに入り、寝た時間を入れて一時間程。
スマホのデジタル時計は十時を超えたくらい。
モンスター娘に手を引かれ、俺は広場から来た道の向かい茂みへと入っていく。
ダンジョン……出会いの場。
まさかの菌による突然変異でモンスターと化した、黒髪美少女と出会うとは──ついている。
だが、女の子の容姿から変化すると全身緑の筋肉モリモリボディービルダーだ。
木々の合間を抜け、モンスター娘のテイナちゃんに着いていく。
さすが元冒険者。道を知っているからか、サクサクと進んでいくな!
と、思ったのも束の間。テイナちゃんの足が、透き通る綺麗な水が流れる川岸で止まってしまう。
そして全身がプルプルと震え、俺の方を振り向いたと思えば涙を浮かべて、
「豪さん……ま、ま、ままま──迷いましたー! うわはああああああ!」
「なんだってええええええ!?」
俺達は、ダンジョン内で遭難した。
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