《完結》男が絶滅していく世界で、英雄は女の子たちをペロペロする

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118話~キリアの戦いⅢ~

「どうやら無事に処理したようじゃねェか――なのだ」



 ロロナはそう言って、大鎌を背負って橋を歩いてきた。真っ赤な服はどこから見ても目立つ。



「バービカンの亡霊どもは?」
 と、キリアは問いかけた。



「全部消えたのだ」
「そうか」



「派手にやらかしたのだ」
 とロロナは顔をしかめた。



 マッシュの肉片が盛大に飛び散っている。汚い返り血だとキリアは思った。



「援護には感謝する。ところで貴様は、どこから都市に入ってきた?」



「見てなかったのだ? 私は城壁を跳び越えてきたのだ」



「そうだったな」



 それはロロナの、跳び抜けた運動神経があるからこそ出来たことだ。マッシュにそれはできない。



「何か気になるのだ?」



「このマッシュ・ポトトがどうやって都市の中に入っていたのかが気になる」



「抜け道でもあるのでは?」



 たしかに城に抜け道は付き物だ。が、マッシュ・ポトトがそれを知っているとは思えない。キリアだって、都市サファリアの抜け道がどこにあるのか知らないのだ。



「手引きした者がいると思うのだが」
「私にもわからんのだ」



 ロロナが急に大鎌を構えたので、キリアも咄嗟にコブシをにぎりしめた。



「なんだ?」
「後ろなのだ。何か……ヤバいのだ」



 振り返る。



 粉砕したはずのマッシュが起きあがっていた。胴体はない。残っているのは首と足だけだ。が、黒い粘液がその首と足をつないでいた。



「なんだ、これは、魔法か?」



「私も知らんのだ。でも、糞デブ領主さまは、ずいぶんと痩せたのだ」



「たしかにな」



 マッシュが生きているようには見えなかった。白目をムいて口をだらしなく開けている。黒い粘液によって動かされている人形のようだった。



 キリアとロロナは、マッシュだったバケモノと相対することになった。

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