《完結》男が絶滅していく世界で、英雄は女の子たちをペロペロする

執筆用bot E-021番 

113話~フォルモルの戦いⅠ~

 東口城門棟。



 跳ね橋が上げられて、門は閉ざされている。モンスターが入ってくる様子は、今のところなさそうだ。



 その城門棟の手前にある広場には、ケガをした冒険者たちが倒れている。薬師のカール・セルヴィルと医師たちが治療にあたっていた。




「私も手を貸すわ」
 と、フォルモルは治療に当たった。フォルモルは〝治療印〟を使って騎士たちを手当していった。医師たちは手を停めて、カールは目をムいていた。



「それと同じ魔法を、私は見たことがあるよ」
 と、カールはフォルモルに話しかけてきた。



「私と同じ魔法?」



「クロカミ・セーコって女が、私の妹のクロニル・セルヴィルを治してくれたんだ」




「クロカミ・セーコは私たちの連れよ」
「え……じゃあ、正体が男性ってことも……?」
 と、カールは耳打ちでそう言ってきた。



「もちろん知ってるわ。っていうか、セイの正体をあなたも知ってるのね」



「まあな」



 カールはすこし羨ましそうな顔をした。フォルモルは優越感をおぼえた。すくなくともこの都市サファリアには、セイひとりしか男がいない。その男であるセイと、ある種の特別な関係であることが誇らしかった。みんなが求めているものを、自分だけが持っている。そういう優越感だった。



「セイが自分から素性をさらしたの?」
 セイは女になることで、巧妙に男性であることを隠している。セイのことを知っている女性がいたことに、フォルモルは驚いた。



「ちょっと理由があってな」
「そう……」



 たった今、優越感をおぼえたところなのに、今度は小さな嫉妬が芽生えた。どうしてセイは、この少女に正体を見せたのだろうか。他の女たちに姿をさらしてはいけない、ということを今度会ったら注意しておかなければならない。



 セイのためではない。
 男という存在が、他の女にわたるのが厭なのだ。




 ドンーーーーーッ!




 大きな振動が響いた。
 城門棟のほうだ。



 ケルベロスが城門棟をよじ登ろうとしているところが見えた。水掘りを越えてきたようだ。城壁にいる冒険者たちが矢を射かけている。大砲が用意されていた。炎印を持つ者たちが、着火する。砲丸がケルベロスめがけて射出された。



「よしッ。当たった!」
 と、カールが興奮したように叫んだ。



「ダメよ」
 フォルモルはそうつぶやいた。
 ケルベロスは砲丸をアッサリとかみ砕いてしまった。



(人選ミスね)
 と、フォルモルは思った。



 ケルベロスを止められるのは、フォルモルの知る限り、キリアかセイの〝怪力印〟か、シラティウスぐらいだ。


 キリアを連れて来るべきだった――と思った。
 城門棟がケルベロスによってしだいに崩れていた。

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