《完結》男が絶滅していく世界で、英雄は女の子たちをペロペロする
106話~籠城戦の合図~
都市サファリアのいつもの宿。
シラティウスとキリアとフォルモルに囲まれて、セイは眠っていた。
カーン、カーン、カーン。
けたたましく響く警鐘の音で目をさました。いったい何を意味する鐘なのかわからなかった。ここ数日、サファリアにとどまっていたが、聞きなれぬ音であることは確かだ。
「敵襲かしら?」
とフォルモルが眠たげに言った。
ベッドシーツをカラダに巻きつけている。豊かな乳房が盛り上がっている。かいま見える乳肉には青い血管が見て取れた。
「敵襲ってこんなときに、戦争なんかしないでしょう」
「でも、ただの鐘じゃなさそうよね」
「ですね」
セイが様子を見に行くことになった。宿から出る。ストリートはあわただしかった。冒険者たちが城門棟のほうに走っている。
「何かあったんですか」
1人を捕まえて、そう尋ねた。
「モンスターどもが徒党を組んで、この都市を包囲しているらしい」
「モンスターが?」
「城門はすぐに閉めたが、かなりの数だって話だ」
と――いうことだった。
今までモンスターと戦ってきたが、都市を攻めるような知恵があったとは思えなかった。ホントウにモンスターがこの都市を包囲しているのか……。疑うわけではないが、自分の目でたしかめなければ、信じられなかった。
都市サファリアの中央付近に、シルベ教の教会がある。シルベ教は、このフィルドランタにあまねく広まっている宗派であるため、たいていの都市には教会や修道院がある。その教会の鐘楼に上ってみることにした。
本日の霧は薄く、ある程度なら遠くのほうまで、よく見える。
聞いた通りだった。
スライム、ゴブリン、ミノタウロス、アムマイト……。有象無象のモンスターどもがサファリアを包囲していた。
応戦しているのは、冒険者たちのようだ。城壁の上から矢を射かけている。そう言えば、ここの冒険者はもともとは都市を守る自警団なのだ。
近隣の村は大丈夫なのだろうか。
心配だ。
「どうだ? 何か見えるか?」
鐘楼の足元から声が飛んできた。
キリアだ。
どうやら様子を見にきたらしい。セイは鐘楼からおりて、キリアの横にならんだ。
「モンスターに囲まれてますね」
「やはりさっきの鐘は敵襲だったのか」
「みたいです」
「援護に入らなくては」
「もちろん、そうなんですけど、その前にレフィール伯爵に連絡を取ってみます。キュリンジ城のほうが無事なのか気になるので」
「それもそうだ」
と、キリアはうなずいた。
シラティウスとキリアとフォルモルに囲まれて、セイは眠っていた。
カーン、カーン、カーン。
けたたましく響く警鐘の音で目をさました。いったい何を意味する鐘なのかわからなかった。ここ数日、サファリアにとどまっていたが、聞きなれぬ音であることは確かだ。
「敵襲かしら?」
とフォルモルが眠たげに言った。
ベッドシーツをカラダに巻きつけている。豊かな乳房が盛り上がっている。かいま見える乳肉には青い血管が見て取れた。
「敵襲ってこんなときに、戦争なんかしないでしょう」
「でも、ただの鐘じゃなさそうよね」
「ですね」
セイが様子を見に行くことになった。宿から出る。ストリートはあわただしかった。冒険者たちが城門棟のほうに走っている。
「何かあったんですか」
1人を捕まえて、そう尋ねた。
「モンスターどもが徒党を組んで、この都市を包囲しているらしい」
「モンスターが?」
「城門はすぐに閉めたが、かなりの数だって話だ」
と――いうことだった。
今までモンスターと戦ってきたが、都市を攻めるような知恵があったとは思えなかった。ホントウにモンスターがこの都市を包囲しているのか……。疑うわけではないが、自分の目でたしかめなければ、信じられなかった。
都市サファリアの中央付近に、シルベ教の教会がある。シルベ教は、このフィルドランタにあまねく広まっている宗派であるため、たいていの都市には教会や修道院がある。その教会の鐘楼に上ってみることにした。
本日の霧は薄く、ある程度なら遠くのほうまで、よく見える。
聞いた通りだった。
スライム、ゴブリン、ミノタウロス、アムマイト……。有象無象のモンスターどもがサファリアを包囲していた。
応戦しているのは、冒険者たちのようだ。城壁の上から矢を射かけている。そう言えば、ここの冒険者はもともとは都市を守る自警団なのだ。
近隣の村は大丈夫なのだろうか。
心配だ。
「どうだ? 何か見えるか?」
鐘楼の足元から声が飛んできた。
キリアだ。
どうやら様子を見にきたらしい。セイは鐘楼からおりて、キリアの横にならんだ。
「モンスターに囲まれてますね」
「やはりさっきの鐘は敵襲だったのか」
「みたいです」
「援護に入らなくては」
「もちろん、そうなんですけど、その前にレフィール伯爵に連絡を取ってみます。キュリンジ城のほうが無事なのか気になるので」
「それもそうだ」
と、キリアはうなずいた。
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