《完結》男が絶滅していく世界で、英雄は女の子たちをペロペロする

執筆用bot E-021番 

105話~幕間Ⅵ~

 司教座都市――カテミラルダ。
 大聖堂の地下。



〝炎印〟を持つ者たちが多くの明かりを灯していた。みんなシルベ教の模様が描かれた服を着ている。正面には巨大なトビラがある。そのトビラにもやはり目玉の模様が刻まれていた。



 多くの信者が集まる中――先頭には、タギール・ジリアルとマッシュ・ポトトがいた。シドはシラティウスとの戦闘の疲労をひきずりながら、ふたりと合流した。



「ボロボロじゃねェか。シラティウスは仕留め損ねたか」



「はい」
「まあ良い。これで〝封印〟は3つそろったんだ」



 エルフ族長の生首。
 獣人族長の尻尾。
 蜥蜴族長の手。



 おのおの3種に、3様の印がきざまれていた。それこそが神の図書館へのカギとなる――らしい。シドには詳しいことはわからない。



「いよいよ開くときが来たな」
 と、マッシュ・ポトトは涙ぐんでいた。



 永遠の命を手に入れて、完璧な存在になれると聞いている。シドはチカラさえ手に入れれば、それで良い。



 台座があった。
 そこに3つの封印を並べた。
 反応はすぐにあった。



 信者たちの灯している炎がいっせいに吹き消えた。目玉の模様がきざまれたトビラが、地響きとともに開きはじめた。



「おおっ」
 と、どよめきが起こった。



 トビラの向こうに現れたのは、底見えぬ本棚だった。大聖堂に蔵されている書籍よりも、はるかに多い。



「あれが?」



「そう。英雄王ハーレムによって〝封印〟された神の図書館だ!」
 タギールは興奮しているのか、叫ぶように言った。



「何か――来るです」
 シドはダガーを抜いて、身構えた。



 トビラの奥からは、黒々としたバケモノが出てきた。巨人が四足歩行で歩いているような存在だった。バケモノというほかに言いようがなかった。信者たちが狼狽えるのがわかった。



「狼狽えることはねェぜ。あれこそが〝完全印〟の宿主。他人に〝完全印〟を宿すことができる存在だ。その名もサタン」



〝英雄印〟が他人の印をもらう能力だとするなら、〝完全印〟は他人に魔法を付与する能力なのだと言う。まるで対だ。



「ためしに私から」
 タギールが踏み出した。
 マッシュも負けじと歩み寄った。



 サタンが、タギールとマッシュに口づけをしたように見えた。



 ホントウにこれが、人類の進化につながると言うのか――。その禍々しい毒気にシドは当てられた気分だった。



 こんなものに身をゆだねるべきではない。
 シドはそう察して、ソッとその場から立ち去った。 

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