《完結》男が絶滅していく世界で、英雄は女の子たちをペロペロする
第98話~アムマイトを呼んだ者~
アムマイトにも蜥蜴人にも言えることだったが、行動が非常に大振りだった。動きじたいは隙だらけなのだ。硬い皮膚と、強靭な肉体にたよった戦い方である。
たとえるなら、プレートアーマーを装った重装騎士。そこに素早さがくわわったようなものだ。急所を狙って突く――という槍使いのセイにとっては、戦いにくい相手ではなかった。
〝怪力印〟と〝斬印〟さえ上手く働かせれば、どんな物質でも貫くことができる。
フィーを見つけた。
倒壊した藁ぶき屋根の中に、身をひそめていたようだ。
セイの獅子奮迅の活躍と、蜥蜴族の協力によって、どうにかアムマイトを撃退することができた。
「さすがウワサにきく《キングプロテア級》の冒険者ですね」
「ありがとうございます」
まるで戦場跡だった。
藁ぶき屋根は倒壊して、何人かケガをしている蜥蜴人もいた。〝治療印〟を使ってやる必要があった。
あまり人前で魔法をいくつも使いたくはないのだが、だからといってケガ人を見捨てるわけにもいかない。
「戦も強いうえに、変わった魔法まで使えるのですね」
と、ティルは驚いていた。
フィーも興味深そうにセイのことを見ていた。
「それより、アムマイトを呼び寄せていた者は、見つかりましたか?」
いくつも魔法を使えることは、あまりセンサクされたくない。そう質問して、話をそらした。
「それがなかなか……」
「アムマイトを招き入れるような者に、心当たりはないのですか?」
セイはさきほど、蜥蜴族のもとに来たばかりだ。どういう通貨を使っているのか。どういうコミュニティを築いているのか。まだまだ知らないことが多い。裏切り者を見つけ出せるほどの知識はなかった。
「残念ながら、私にも心当たりがありません」
私も知らないとフィーは申し上げます、とフィーもつぶやいていた。
「すぐに見つけ出したほうが良いですね。また呼ばれたら大変なことになりますよ」
「しかし、簡単に見つけ出せるものではありません」
「そうですね」
「ひとまず、外の警戒を強めることにします」
「わかりました」
「セーコさまには申し訳ないのですが、もう少しここにとどまりください。残っているケガ人を治癒していただきたいのです」
ティルがそう言って頭を下げた。
他の蜥蜴人も頭を垂れる。
「もちろんです。私もすこしこちらに用事があるので、もう少しとどまらせていただきます」
おー、と歓声があがった。
オレはいま求められてるんだな――と実感できた。女性たちから求められるのもそうだが、今まで他人から熱望されたことなどなかった。他人から求められるというのは、うれしいものだなぁ――としみじみ思う。
無傷の藁ぶき屋根を用意してもらった。重症の者はさきに手当をしたが、まだケガをしている者には、そこに来てもらうことにした。治療印で治すことにした。
たとえるなら、プレートアーマーを装った重装騎士。そこに素早さがくわわったようなものだ。急所を狙って突く――という槍使いのセイにとっては、戦いにくい相手ではなかった。
〝怪力印〟と〝斬印〟さえ上手く働かせれば、どんな物質でも貫くことができる。
フィーを見つけた。
倒壊した藁ぶき屋根の中に、身をひそめていたようだ。
セイの獅子奮迅の活躍と、蜥蜴族の協力によって、どうにかアムマイトを撃退することができた。
「さすがウワサにきく《キングプロテア級》の冒険者ですね」
「ありがとうございます」
まるで戦場跡だった。
藁ぶき屋根は倒壊して、何人かケガをしている蜥蜴人もいた。〝治療印〟を使ってやる必要があった。
あまり人前で魔法をいくつも使いたくはないのだが、だからといってケガ人を見捨てるわけにもいかない。
「戦も強いうえに、変わった魔法まで使えるのですね」
と、ティルは驚いていた。
フィーも興味深そうにセイのことを見ていた。
「それより、アムマイトを呼び寄せていた者は、見つかりましたか?」
いくつも魔法を使えることは、あまりセンサクされたくない。そう質問して、話をそらした。
「それがなかなか……」
「アムマイトを招き入れるような者に、心当たりはないのですか?」
セイはさきほど、蜥蜴族のもとに来たばかりだ。どういう通貨を使っているのか。どういうコミュニティを築いているのか。まだまだ知らないことが多い。裏切り者を見つけ出せるほどの知識はなかった。
「残念ながら、私にも心当たりがありません」
私も知らないとフィーは申し上げます、とフィーもつぶやいていた。
「すぐに見つけ出したほうが良いですね。また呼ばれたら大変なことになりますよ」
「しかし、簡単に見つけ出せるものではありません」
「そうですね」
「ひとまず、外の警戒を強めることにします」
「わかりました」
「セーコさまには申し訳ないのですが、もう少しここにとどまりください。残っているケガ人を治癒していただきたいのです」
ティルがそう言って頭を下げた。
他の蜥蜴人も頭を垂れる。
「もちろんです。私もすこしこちらに用事があるので、もう少しとどまらせていただきます」
おー、と歓声があがった。
オレはいま求められてるんだな――と実感できた。女性たちから求められるのもそうだが、今まで他人から熱望されたことなどなかった。他人から求められるというのは、うれしいものだなぁ――としみじみ思う。
無傷の藁ぶき屋根を用意してもらった。重症の者はさきに手当をしたが、まだケガをしている者には、そこに来てもらうことにした。治療印で治すことにした。
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