《完結》男が絶滅していく世界で、英雄は女の子たちをペロペロする

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第82話~キリア編完結~

 都市サファリアの宿に戻ってきた。



 4人部屋。



 ベッドが4つ並んでいて、シラティウスとフォルモルは昼間から熟睡していた。シラティウスは風邪を引いていたはずだが、様子を見るともうかなり落ち着いているようだった。



 寝室と居間とは木造のパーテーションで仕切られていた。セイとキリアは居間のほうにいた。居間には暖炉があり、簡素な木造テーブルが置かれている。セイは薪を暖炉に放り込んで、火を起こした。



 獣人族の〝封印〟を取り返すことはできなかった。マッシュも逃がしてしまった。獣人族はニヤを族長に据えて、再興するということだ。エルフの住むアカジャックの森と、都市サファリアは距離が近い。いつでも連携がとれる。だが、ゴルゴン鉱山とは連携がとりにくい。



 獣人族たちを連れて、サファリア付近に移住する案も出た。だが、獣人族はあくまでゴルゴン鉱山にとどまるということだった。あの付近を要塞化させて、モンスターたちの襲撃から身を守るということだ。



 荒れ果てたフィルドランタに一点、治安の良い場所が生まれるのは悪いことではない。



「鉱物関係のものが必要になったら、いつでも来ると良い。買い手がすくなくなって、ありあまっておるからのぉ」
 と、ニヤは言っていた。



 この都市サファリアとゴルゴン鉱山の中間あたりにひとつ、交易地点を設けるべきかもしれない。そうすれば、獣人族との連携もとりやすくなるだろう。もっとも、それを考えるのはセイの役目ではない。



「セイ。水は必要ないか? もし良ければ取ってくるが」



「大丈夫ですよ」
「そうか。何かあったら、いつでも言ってくれ」



「なんか、急に優しくなりましたよね」



 キリアの顔がいっきに赤くなった。



「そ、そそそそ、そんなことはない。ただ、貴殿には借りができた。私は貸し借りはキチンとする性質なのだ。それだけだ。変な意味はない。ないからなッ」



 テーブルを叩いていた。
 態度があからさまに変わった。



「そうですか」
「ああ。そうだとも」



「でも、良かったんですか。父親の亡霊を〝霊媒印〟で呼び出さなくても」



「もう、良いのだ」



 キリアはせっかく持っていた父親の形見という、錆びついたナイフをケイテ城に残してきたのだ。形見がなければ〝霊媒印〟で呼び出すことができない。



「キリアが良いのなら、オレは良いんですけどね」



「もう吹っ切れた。私は貴殿の部下として、レフィール伯爵の女騎士としてマットウするつもりだ。どんな命令でも、私に与えてくれて良いのだ」



 どんな命令でもな――とキリアはうるんだ目を、セイに向けてきた。そんな目を向けられると、セイのほうが気まずくなる。



 マジメで不器用。凛として強がっているくせに、内に乙女を抱えている。



 これがキリアという女性なのだった。

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