《完結》男が絶滅していく世界で、英雄は女の子たちをペロペロする

執筆用bot E-021番 

第61話~朝食~

 3人の乙女が目をさました。



 冒険者ギルドで朝食をとることにした。冒険者ギルドのロビーでは食事も出していた。セイは豚の生姜焼きとポテトサラダをいただいた。生姜焼きは甘辛く、ポテトサラダはほんのりとジャガイモの甘味があった。



 美味しい。
 いくらでも食べられる。



 値段は4シルバーと50カッパー。
 安い。



 お金は既存のものを使っている。金貨、銀貨、銅貨の3種類がある。紙幣と違って硬貨には、それ相応の価値がある。とはいえ、この混乱の中で、通貨がどこまで通用するのかはわからない。



 都市サファリアでは問題なく機能しているが、他では強盗などが横行していることだろう。都市サファリアだけで通じる紙幣を配るのか、それとも、このまま硬貨でやっていくのかは、自治都市を運営している者たちが考えることだろう。



「おはようございます。セーコさま」「他にも何かお持ちしましょうか?」「良ければ私の分も食べてください」



 女たちは、セイにたいして媚びへつらっている。男だと正体がバレているわけではない。それはない。



《キングプロテア級》の冒険者として尊敬されているのが1つ。しかしそれよりも何より、セーコがクロカミ・セイの姉だという設定にしたのが原因だ。



 女たちは決まってこう言うのだ。「どうかセイさまに、私が良い女だとお伝えください」「私のもとに会いに来るように言っておいてください」「いいえ。私こそセイさまの女として相応しいかと」……。



「なによ、あんたなんか」「あんたはセイさまに見向きもされないわよ」「私と逢瀬をかわしてくださるに決まってるのよ」



 口論になる。
 それをいさめるのは、セイの役目だ。



「まあまあ」
 と、仲裁に入る。



 疲れる。



 セイは私の弟だが、居場所を知っているわけではない――と何度も言っているのだが、媚びへつらいゴマをすりすり、女たちは寄ってくる。



 うれしくないわけではない。セイだって本性は男。異性から熱望されるのは有りがたい。有りがたいのだが、あまりに激しすぎるのだ。実際に会ったら、四肢をもがれるんじゃないかとさえ思う。



「相変わらず人気ものだな。貴殿は」
 キリアがそうつぶやいた。



「姉なんて設定にしなけりゃ良かったですよ」



「仕方あるまい。当たり前だが、どことなく面影はあるし、名前にもひねりがないのだからな」



 クロカミ・セイとクロカミ・セーコである。
 名前をもっと工夫すれば良かった。



 実際いい男だから仕方ないわよ――とフォルモルが口をはさんだ。ケルベロス騒動の一件があってから、フォルモルは熱っぽい視線をセイに注ぐようになった。



「いい男――か。強いことは認めるが、私はもう少し年上で筋骨隆々の男が好みなのだがな」
 キリアが言う。



「キリアも、アソコをナめさせたんでしょう」



「は、破廉恥な言い方をするな。印を重ねた。それだけだ」



 キリアは食べていたトーストを口に押しこんでいた。



 どうもキリアは性的なことにたいして嫌煙している節がある。淫らなことを嫌っているのか、照れ隠しなのかはわからない。一方、シラティウスは無表情のまま、ホットミルクをすすっていた。

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