《完結》男が絶滅していく世界で、英雄は女の子たちをペロペロする
第40話~宿~
宿。5人部屋だった。寝室と居室がついていた。寝室には5つのベッドが並べられていた。そのうちの1台にはすでに、エルフの娘が寝かされていた。居室にはイスとテーブルがある。そして暖炉が備え付けられていた。
「あのー」
「なにかしら?」
セイの問いかけにフォルモルが応じる。
「5人部屋って、寝るときはオレもここで寝るんですかね?」
「そうよ」
「オレだけ別の部屋、ってわけにはいかなかったんでしょうか?」
他の部屋は満室だったのだ、仕方あるまい。この部屋には暖炉もついていたし――とキリアが言った。
「同じ部屋だと不服? けっこういい部屋だと思うけど」
フォルモルが居室のイスに腰掛けて尋ねてくる。
「いや。不服とかじゃなくて、オレは男なんで同じ部屋だといろいろと不都合があるか――と思いまして」
たまには1人でくつろぎたい。
「でも一部屋でまとめたほうが、安上がりでしょう。レフィーさまから旅の資金はもらってるけど、節約しなくちゃ」
「そう――ですか」
他が満室だというのなら、文句を言っても仕方がない。
「それに今は、セイも女性の姿をしてるんだし問題ないんじゃない?」
「はぁ」
そういう問題なのだろうか。
「エッチなこと考えてるんでしょう」
「考えてませんよ!」
破廉恥なことをしでかしたら、叩きだしてやる――このスケベ――とキリアとシラティウスに言葉をブツけられた。
理不尽だ。
「さすが都市の宿と言うべきかしら。ちゃんとお風呂もついてるみたいよ。冷えたカラダを温めに行きましょうか」
「え!」
セイは困った。
人前で男の姿に戻るわけにはいかない。さりとて、女の姿のまま他の者たちと一緒に入るわけにもいかない。
「一緒に来る?」
と、フォルモルはセイに歩み寄ってきた。
人差し指で、セイのアゴを軽く持ち上げてきた。
カラカわれているとわかっていても、いまだに変な緊張をおぼえる。純情な男心を弄ばないで欲しい。
「冗談じゃないですよ」
「心配しないで。今はダメだけど、夜中にこっそり入れば良いから」
「そうさせてもらいます」
良かった。
セイは安堵の息を漏らした。
「とりあえずエルフちゃんが目が覚めるまでは、ここでユックリさせてもらいましょう。モンスターに関する情報も、この都市にいれば集まってくるだろうし。ここはちゃんと都市として機能してるみたいだし」
「そうですね」
「それじゃあ、お風呂に行ってくるから、お留守番よろしく」
エルフに変なイタズラをするんじゃないぞ。変なことしたら許さないから――とキリアとシラティウスが一言残して出て行った。
「オレもケガ人を襲うほどクズじゃないですよ」
「あら? じゃあ、ケガしてなかったら襲ってたの?」
「襲いませんよ!」
冗談よ――とフォルモルが出ていった。
いっきに静かになった。エルフの寝息がやさしく響いていた。薪と火打金があった。暖炉に火をいれて、セイも濡れたカラダを乾かすことにした。
(炎を操る印も、どこかで手に入れておきたいな)
と、思った。
「あのー」
「なにかしら?」
セイの問いかけにフォルモルが応じる。
「5人部屋って、寝るときはオレもここで寝るんですかね?」
「そうよ」
「オレだけ別の部屋、ってわけにはいかなかったんでしょうか?」
他の部屋は満室だったのだ、仕方あるまい。この部屋には暖炉もついていたし――とキリアが言った。
「同じ部屋だと不服? けっこういい部屋だと思うけど」
フォルモルが居室のイスに腰掛けて尋ねてくる。
「いや。不服とかじゃなくて、オレは男なんで同じ部屋だといろいろと不都合があるか――と思いまして」
たまには1人でくつろぎたい。
「でも一部屋でまとめたほうが、安上がりでしょう。レフィーさまから旅の資金はもらってるけど、節約しなくちゃ」
「そう――ですか」
他が満室だというのなら、文句を言っても仕方がない。
「それに今は、セイも女性の姿をしてるんだし問題ないんじゃない?」
「はぁ」
そういう問題なのだろうか。
「エッチなこと考えてるんでしょう」
「考えてませんよ!」
破廉恥なことをしでかしたら、叩きだしてやる――このスケベ――とキリアとシラティウスに言葉をブツけられた。
理不尽だ。
「さすが都市の宿と言うべきかしら。ちゃんとお風呂もついてるみたいよ。冷えたカラダを温めに行きましょうか」
「え!」
セイは困った。
人前で男の姿に戻るわけにはいかない。さりとて、女の姿のまま他の者たちと一緒に入るわけにもいかない。
「一緒に来る?」
と、フォルモルはセイに歩み寄ってきた。
人差し指で、セイのアゴを軽く持ち上げてきた。
カラカわれているとわかっていても、いまだに変な緊張をおぼえる。純情な男心を弄ばないで欲しい。
「冗談じゃないですよ」
「心配しないで。今はダメだけど、夜中にこっそり入れば良いから」
「そうさせてもらいます」
良かった。
セイは安堵の息を漏らした。
「とりあえずエルフちゃんが目が覚めるまでは、ここでユックリさせてもらいましょう。モンスターに関する情報も、この都市にいれば集まってくるだろうし。ここはちゃんと都市として機能してるみたいだし」
「そうですね」
「それじゃあ、お風呂に行ってくるから、お留守番よろしく」
エルフに変なイタズラをするんじゃないぞ。変なことしたら許さないから――とキリアとシラティウスが一言残して出て行った。
「オレもケガ人を襲うほどクズじゃないですよ」
「あら? じゃあ、ケガしてなかったら襲ってたの?」
「襲いませんよ!」
冗談よ――とフォルモルが出ていった。
いっきに静かになった。エルフの寝息がやさしく響いていた。薪と火打金があった。暖炉に火をいれて、セイも濡れたカラダを乾かすことにした。
(炎を操る印も、どこかで手に入れておきたいな)
と、思った。
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