《完結》男が絶滅していく世界で、英雄は女の子たちをペロペロする

執筆用bot E-021番 

第36話~クト村のレドとアンヌ~

 セイをはじめに、馬車にいたフォルモルとキリアとシラティウスも村に歓待された。村長宅に招かれた。



 大きな木造の空間だった。馬車が5台は入りそうなほど余裕がある。すこし段の高くなったところに女性がひとり座っている。下座にはセイとフォルモルだけが座っていた。残り2人のメイドはキャリッジの中で待っている。



「あの人よ」「男なのにモンスターにならないんだって」「良いかんじの青年じゃない」「すごく強いのよ」「ゴブリンがあっという間に片付いちゃって」「アンヌのことまで助けてくれたんだから」……。



 部屋の戸口から女たちが顔をのぞかせている。 気まずい。



「失礼だろうがッ」
 と、上座に座っていた女が一喝した。



 見覚えがある。さっきゴブリンと戦っていた女の中にいた1人だ。亜麻色の髪をベリーショートにしている。まるで男性のようだが、胸はふくらんでいる。



 一喝を受けて女たちは顔を引っ込めていた。



「申し訳ないな。若いの」
 と上座にいた女性は頭をさげた。
 そういう女性もまだまだ若い。



「いえ。大丈夫です。たしかにモンスターにならないなんて、珍しいでしょうから」



「印のチカラか?」
「はい」



「私もそうなのだ。私も印のチカラでなんとかモンスターにならずに済んでいる」



「は?」



 女性は鼻からモンスターにはならない。
 なにを言ってるんだろうかとセイは怪訝に思った。



「私はここで村をまとめている。レドという者だ。今は女のカッコウをしているが、実は男なのだ」



「男?」



 まだ何を言っているのかわからない。
 乳房はちゃんと膨らんでいるし、顔立ちも女性のものだ。



「私の印は〝男女印〟。男にもなれるし、女にもなれる。いつモンスターになってしまうかもわからんから、男の姿を見せることは出来んがな。この雨が降りやむまでは、女でいようと思っている」



「へぇぇ」
 世の中にはそんな印もあるのだ。
 ビックリだ。



 はははッ、とレドは快活に笑った。



「ビックリしているようだな」
「ええ。それはまぁ」
 どう反応すれば良いのかわからない。



「この印に私は助けられているが、しかし、同時に恨むこともある。不意に男になってモンスターになってしまったらどうしようか……とな。モンスターになるぐらいなら、いっそのことさっさと殺してもらいたいものだ。巨大なモンスターに丸のみにされるぐらいアッサリといきたい」



 よほど怖い思いをしているのだろう。
 そう言うとレドは身をブルッと震わせた。



「おっと、村を救ってくれた恩人にこんな話をするもんではなかったな」



「いえ」



 モンスターになってしまうのも怖ろしいことだが、巨大なモンスターに丸のみされるのも、それはそれで怖ろしいように思う。



「村を救ってくれたこと。女たちを助けてくれたこと。深く感謝する。君たちがいてくれなかったら、すくなくとも1人は死んでいただろうからな。彼女はアンヌ・チェルと言って、私にもしものことがあれば、彼女が村をまとめることになっているのだ。助けてくれてホントウに感謝している」



 レドは深く頭を下げた。



「いえ。気にすることはありません。勝手にやらせてもらったことですから」



「せっかくだ。酒でも出そう――と思ったが、君はまだ飲めんか。何か温かい飲み物でも出そう」



「ありがとうございます」



 子ども扱いされたような気がして、すこし不服だった。

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