《完結》男が絶滅していく世界で、英雄は女の子たちをペロペロする

執筆用bot E-021番 

第33話~旅のはじまり~

 馬車に乗っていた。


 キュリンジ城にあったキャリッジと馬を、レフィール伯爵からいただいた。馬に乗るぐらいはセイにもできる。だが、馬車を引かせることはやったことがない。御者にもついて来てもらった。


 ガタゴトガタゴト
 ガタゴトガタゴト


 馬車が揺れる。
 おっぱいが……セイの目の前で揺れていた。



 フォルモル・ラレンチェだ。スミレ色の髪を真ん中分けにしている。白いウナジが見えている。メイド服を着ているのだが、その胸元が凶悪なまでにふくらんでいる。オマケに乳揺れに合わせて、「あん……あう……」となまめかしい声まであげるのだ。



「どこ見てるのよ」



 フォルモルは年下の男をカラカうように、セイの顔をのぞきこんできた。ぷっくりと膨れた唇がにやけている。



「見てませんよ」



 目をそらす。



 フォルモルのとなりには、キリア・ユーナが座っている。余計なものをすべて削ぎ落した鋭い魅力がキリアにはあった。髪はポニーテールにかたく縛っている。キリアはその白い頬をサッと赤らめた。



「は、破廉恥な目で私を見るな」
「だから、見てませんって」



 セイはヘキエキして視線を落とした。



 セイは馬車に座席に腰かけている。そのヒザを枕にしてシラティウスが寝転んでいた。



 まだ女性になりきれていない初々しい顔立ちをしている。キリアやフォルモルのように女の輪郭がハッキリとしていなかった。コンデンスミルクよりも白い肌をしている。白銀の瞳と目があった。



「スケベ」
「なんにもしてないだろ!」



 結局、窓の外に目を向けることにした。



 世界中にいる女性を、モンスターの魔手から救い出せとレフィール伯爵から命令をさずかった。レフィール伯爵は伯爵のほうで、何かこの状況を打破する方法を調べてみるということだった。



 で――。



 3人のメイドを連れて、こうして旅に出たわけだが、非常に居たたまれない。ひとりだけ男だからだ。すでにキャリッジの中は、むせ返るような女の香がたちこめている。



「それにしてもカワイソウねぇ」
 フォルモルが粘っこい視線をセイのカラダに這わせながら、そう言った。



「何がですか?」
「だって、まだ童貞なんでしょう」



 なんの恥じらいもなくそう言ってくる。



「それがなんですか」



 実際、童貞なんだから、否定のしようもない。 繊細な部分なので、あまりセンサクして欲しくない。



「この雨が降りやむまでは、女性と交合しちゃいけない――って、レフィーさまから命令されてるんでしょう」



「ええ」



 万が一、男子をはらむことになったら、腹を食い破ってモンスターが出てくると聞いている。その状況を想像するだけで性欲も萎える。



「こんな雨が降ってなかったら、私がもらってあげたのに」



「変なこと言わないでくださいよ」
「冗談よ」



 まったく性質の悪い冗談だ。



 フォルモルはこうして何かと刺激の強い冗談を浴びせてくる。



 馬車が急停止した。



 その勢いでセイの上体が前方に持って行かれた。顔がフォルモルの乳房に埋まった。



「あら、積極的ね」
「破廉恥な!」
「スケベ」



 と、三者三様の言葉をいただくことになった。

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