《完結》男が絶滅していく世界で、英雄は女の子たちをペロペロする

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第15話~キリアⅠ~

 キュリンジ城外郭――城門。



「跳ね橋をあげてちょうだいッ」
「ダメよ。城下町のA通りに逃げ遅れてる人たちがいるの」



 外郭はシッカリと石で組上げられている。
カーテン・ウォールと水掘りという二重の防壁により、キュリンジ城の内側を守っている。その出入口となるのが城門跳ね橋だ。



 その跳ね橋の上で女が1人屹立きつりつしていた。漆黒のポニーテールを風になびかせている。



「跳ね橋をあげる必要はない。キリア・ユーナの名にかけてこの跳ね橋は守り通す。早く逃げ遅れたものを城の内側へッ」



 ゴブリンがキリアにトびかかる。



 キリアはワンパンでゴブリンを木端微塵に粉砕する。あいかわらずの怪力だ。ただ、カラダ中に傷を負っている。メイド服が盛大に破れていた。



 城門めがけてミノタウロスが突っ込んできていた。セイはそれに合わせて駆けた。身をかがめて疾駆する。



 ミノタウロスの腹に槍ごと突っ込んだ。右手から槍を滑り出す。グサリ。ミノタウロスの腹に槍が突き刺さった。



「グオオオオッ」
 ミノタウロスが倒れる。



「貴殿は、〝英雄印〟を持つ男か」
「セイです」



「援護感謝する」



「昨日は、こんなにモンスターいなかったですよね」



「今朝、この雨のせいで、川の水があふれたのだ。水を浴びた男たちがモンスターと化して、襲ってきている」



 跳ね橋のすぐ近くには前衛塔がある。そこから矢を射かけていた者がいたが、モンスターの大群によって呑み込まれていた。



「ちッ。前衛塔がやられたか」
 キリアはツバをペッと吐き出した。赤いツバをしていた。血がにじんでいるのだろう。



「とりあえず、傷を治します」
 セイは治療魔法の光を手にまとった。



 キリアは瞠目した。



「それはフォルモルの治療魔法ではないかッ」



「オレの〝英雄印〟は印を重ねると、相手の魔法を使えるようになるみたいですから」



「重ねたのか?」
「ええ」



「は、破廉恥だ」
 あからさまに引かれた。



「は、破廉恥ってことはないでしょう。合意の上ですよ」



「フォルモルの印はだって、胸に……」
 キリアの凛然とした顔が、たちまち赤く染まってゆく。そういう反応をするということは、フォルモルの印のある場所を知っているのだろう。



「いいから、とにかく治療しますよ」
「う、うむ」



 治療魔法の光を、キリアに当てた。キリアのカラダの傷がたちまち治療していく。こうして近くて見てわかったのだが、キリアはメイド服の下にシッカリとチェインメイルを装備しているようだった。



「助かる。カラダが癒される。ホントウにその魔法を会得したのだな」



「ええ」



「貴殿のことはレフィーさまから、すこし聞いている。女体をナめることで、他人の魔法を会得することができるのだろう」



「なんか語弊のありそうな言い方ですけど、まぁ、そうですね」
 別に、女体とはかぎらないのだが……。



「私は、一時的に筋力を上げる魔法を使える。レフィーさまから、貴殿に能力を会得させてやってくれとは聞いているが、私は反対だ」



「ダメですか?」



「私のはダメだ。人に見せられるような場所にある印ではないのだ」



 まぁ、これがふつうの反応だろう。
 厭と言っている相手を、ムリに襲おうとは思わない。



 それにしても、フォルモルにしてもキリアにしても、どうしてもっとナめやすい場所に印がないのか。人によっては手のひらだったり、肩にあったりするものだ。それならば簡単に重ねることができるのに、と思う。



「わかりました。別にオレも、厭がっている相手をナめようとは思いません」



「申し訳ない」



 治療が完了した。



「それにしても、このモンスターを相手にするのは、少々難しいんじゃないですかね」



 正面。
 スライム、ゴブリン、ミノタウロス……。モンスターが、どんどん増えていっている。



「しかし、この跳ね橋を上げたら、もう内側に入る道がないのだ」



「空はどうですか?」
「空?」



「シラティウスさんは、ドラゴンになって飛べるでしょう。城門を閉じても、逃げ遅れた人を乗せて、空から城の内側に入るというのは?」



「それは考えたが、シラティウスは今、調子が悪い」



「ダメですか」
 準備整いました――と城壁の上にチェインメイルを着た女たちが集まっていた。大砲の筒がモンスターの群れに向いていた。



「発射ッ」
 と号令がかかる。



 キリアが耳をふさいでいるのを見て、セイもあわてて耳を閉じた。ドォン。地響きすら起こす轟音が響く。



 モンスターの群集めがけて砲弾が飛んでいた。大爆発とともに、モンスターどもが潰滅した。



「よし、これで城門は大丈夫だろう。この間に、逃げ遅れた者たちを救助しに行く。ついて来てくれるか?」



「もちろん」
 セイはうなずいた。

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