《完結》男が絶滅していく世界で、英雄は女の子たちをペロペロする

執筆用bot E-021番 

第14話~治療印~

 セイはひとり、自分の部屋に戻っていた。フォルモルの妹の体調は戻った。フォルモルは妹と抱き合って喜んでいた。オレは邪魔だな――と思って、セイは再会の場面を後にしてきたのだった。



 木箱をくっつけたベッドに腰かけた。



「ふふっ」
 と、思わず笑ってしまう。



 治療魔法がうまくいった喜びもあるが、それ以上に、フォルモルの意外な一面を見たからだ。大人っぽい色気を醸してはいるが、妹思いの良いお姉さんだ。



『入りますよ』
 と、脳裏に声が響いた。
 レフィール伯爵の声だ。念話による言葉を送り込んできたようだ。



『どうぞ』
 と、セイも念話で返した。



 部屋にレフィール伯爵が入ってきた。



「どうやらうまく〝治療印〟と重ねることができたようですね」



「もしかして、昨夜のこと見てたんですか?」



 フォルモルの大きな乳房にしゃぶりついていたところを見られていたのかと思うと、赤面の思いだった。



「バカッ。見るわけないでしょう。フォルモルから聞いたのです」
 と、レフィール伯爵も顔を赤らめていた。



 レフィール伯爵はフォルモルに比べれば、やや子供っぽいところはある。それでも乳房は大きい。さすがにその乳房の大きさも、フォルモルに比べれば負ける。そんなことを考えていたら、レフィール伯爵は胸もとを手で隠した。



「ちょっとッ、なに見てるんですかッ」
「す、すみません」



「フォルモルに影響されて、ますますエッチな人になったんじゃないでしょうね?」
 と、形の良い眉をつりあげて怒鳴ってきた。



「もとからエッチな人だったみたいな言い方は、やめてください」



「セイはもとからエッチです。私の印を、あんなナめコスっておいて……」
 レフィール伯爵の華奢なカラダがぷるぷると震えている。



「だって、ナめろって言ったのは、レフィール伯爵のほうじゃないですか。それにヘソだったんでしょう」



 変態扱いされるのは、心外だ。



 コホン――とレフィール伯爵はわざとらしく咳払いをした。



「それよりも、この調子でキリアとシラティウスの2人も頼みますよ。あの2人のチカラは、きっと役に立つはずですから」



「たしか……」



 キリアはワンパンでゴブリンを粉砕していた女性だ。シラティウスはドラゴンに変身する少女だ。



「城下町のモンスター処理に、キリアが応援を要請しています。治療魔法と槍術の使えるセイはきっと役に立つはずです」



「モンスター増えてるんですか?」



「この降り続く雨で、男たちはどんどんモンスターになっています。可能なかぎり対策を取っていたのですが……」



「わかりました」



 槍術のほうで活躍できるかは定かではない。だが、治療魔法は役立つはずだ。



「キリアは外郭城門のところにいます。行けばすぐに合流できるはずです」



「了解です。――あ、そうだ」



 行こうとしたのだが、セイはあわてて足を止めた。肝心なことを聞いておかなければならない。



「どうかしましたか?」
 レフィール伯爵は、首をかしげた。



「印の場所なんですけど。キリアとシラティウスは、どこに印を持ってるんですか?」



「それは私の口からは言えません」
 レフィール伯爵はピシャリとそう言った。



「えぇ……」
 それは困る。



 また下乳とかに刻まれていたら、迂闊うかつにナめさせてくれとは言えない。



「とにかく、急いでください」
 レフィール伯爵にそう急かされて、セイは槍を構えて外に出た。

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