《完結》男が絶滅していく世界で、英雄は女の子たちをペロペロする

執筆用bot E-021番 

第13話~フォルモルⅤ~

 フォルモルのベッドで、セイは朝を迎えた。朝日がセイの顔面にふりそそいだ。フォルモルはテーブルについていた。



 紅茶を入れているようだ。メイド姿の彼女のその仕草は様になっていたし、板についていた。



「あ……。すみません。オレ、寝てたみたいで」



「いいのよ。セイの分の朝食もできてるから、一緒に食べましょう」



「ありがとうございます」



 食パンにバターを塗りこんだものが、テーブルに置かれていた。



「昨晩はすごかったわ。まさか、おっぱいをナめられただけで、あんなスゴイことになるなんて思ってなかったわ」



 昨晩のことを思い出してるのか、フォルモルはあからさまにヤらしい表情になっていた。目がトロンとしている。



「おかげで印は重ねられましたよ」



 セイはフォルモルの胸元に目をやった。大きく張り出している乳房は今、メイド服によって隠されている。昨日、そこをナめていたんだなぁ――と思うと、下腹部に熱を感じた。あの熱と柔らかい感触はそうそう忘れられそうにはない。



「とっても上手なのね」
「そんなことないと思いますけど」



 性技を磨いた覚えはない。
 気持ち良くしてやろうと思っていたわけでもない。



「あれも〝英雄印〟のチカラなのかしら。癖になっちゃいそう。また、やってもらおうかしら」



 黒いマツゲに縁どられた濡れた瞳を向けてきた。



 照れ臭さから、セイは応えあぐねた。
 コホン――とひとつ咳払いをして、話を強引に切り替えていくことにした。



「そんなことよりも、オレは治療魔法を会得できました」



「やって見せてちょうだい」



 コツはわかる。
 印を重ねると、不思議とそのやり方もわかるのだった。



「こうでしょう」
 右手に白い光をたずさえた。ほんのりと温もりを感じる。



「合格。上手くいったみたいね」
 フォルモルは満足気にうなずいた。



「これで妹さんを治せるかもしれませんね」
 自分自身の傷だって治すことができる。便利な魔法を手に入れたものだ。



「そうね――」
 さすがにフォルモルはマジメな表情に戻った。物憂げに紅茶をすすっている。



 バターパンを食べ終えてさっそく、2人の治療魔法で妹を治せるか試みることにした。フォルモルの妹の部屋は、すぐ隣だ。



 妹は相変わらずベッドで眠っていた。ずっと眠ったままなのに――いや、眠ったままだからか――作り物のように肌が白かった。



「変なこと訊いても良いですか?」
「なぁに?」



「下の世話とかはどうしてるんですか?」
「基本的に私がしてるけど、他のメイドたちも協力してくれてるわ」



「良いメイドさんたちですね」
「ホントにね。レフィーさまのところに雇ってもらえて、私は幸せよ」



 さっそく治療魔法を実践してみた。



 2人で妹の頭に手をあてがった。セイとフォルモルの手から放射される、白い光が妹の頭を包み込んだ。他人の脳に干渉したせいかもしれない。一瞬、幻覚が見えた。



 白いローブを羽織ったものたちの姿。
 それに襲われる人々。
 逃げ惑う2人の少女。



 シルベ教に襲撃されて、フォルモルは両親を失ったと言っていた。その映像が、セイの脳裏に流れ込んできたのだった。



「お姉ちゃん?」
 妹の目が開いた。

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