《完結》男が絶滅していく世界で、英雄は女の子たちをペロペロする
第13話~フォルモルⅤ~
フォルモルのベッドで、セイは朝を迎えた。朝日がセイの顔面にふりそそいだ。フォルモルはテーブルについていた。
紅茶を入れているようだ。メイド姿の彼女のその仕草は様になっていたし、板についていた。
「あ……。すみません。オレ、寝てたみたいで」
「いいのよ。セイの分の朝食もできてるから、一緒に食べましょう」
「ありがとうございます」
食パンにバターを塗りこんだものが、テーブルに置かれていた。
「昨晩はすごかったわ。まさか、おっぱいをナめられただけで、あんなスゴイことになるなんて思ってなかったわ」
昨晩のことを思い出してるのか、フォルモルはあからさまにヤらしい表情になっていた。目がトロンとしている。
「おかげで印は重ねられましたよ」
セイはフォルモルの胸元に目をやった。大きく張り出している乳房は今、メイド服によって隠されている。昨日、そこをナめていたんだなぁ――と思うと、下腹部に熱を感じた。あの熱と柔らかい感触はそうそう忘れられそうにはない。
「とっても上手なのね」
「そんなことないと思いますけど」
性技を磨いた覚えはない。
気持ち良くしてやろうと思っていたわけでもない。
「あれも〝英雄印〟のチカラなのかしら。癖になっちゃいそう。また、やってもらおうかしら」
黒いマツゲに縁どられた濡れた瞳を向けてきた。
照れ臭さから、セイは応えあぐねた。
コホン――とひとつ咳払いをして、話を強引に切り替えていくことにした。
「そんなことよりも、オレは治療魔法を会得できました」
「やって見せてちょうだい」
コツはわかる。
印を重ねると、不思議とそのやり方もわかるのだった。
「こうでしょう」
右手に白い光をたずさえた。ほんのりと温もりを感じる。
「合格。上手くいったみたいね」
フォルモルは満足気にうなずいた。
「これで妹さんを治せるかもしれませんね」
自分自身の傷だって治すことができる。便利な魔法を手に入れたものだ。
「そうね――」
さすがにフォルモルはマジメな表情に戻った。物憂げに紅茶をすすっている。
バターパンを食べ終えてさっそく、2人の治療魔法で妹を治せるか試みることにした。フォルモルの妹の部屋は、すぐ隣だ。
妹は相変わらずベッドで眠っていた。ずっと眠ったままなのに――いや、眠ったままだからか――作り物のように肌が白かった。
「変なこと訊いても良いですか?」
「なぁに?」
「下の世話とかはどうしてるんですか?」
「基本的に私がしてるけど、他のメイドたちも協力してくれてるわ」
「良いメイドさんたちですね」
「ホントにね。レフィーさまのところに雇ってもらえて、私は幸せよ」
さっそく治療魔法を実践してみた。
2人で妹の頭に手をあてがった。セイとフォルモルの手から放射される、白い光が妹の頭を包み込んだ。他人の脳に干渉したせいかもしれない。一瞬、幻覚が見えた。
白いローブを羽織ったものたちの姿。
それに襲われる人々。
逃げ惑う2人の少女。
シルベ教に襲撃されて、フォルモルは両親を失ったと言っていた。その映像が、セイの脳裏に流れ込んできたのだった。
「お姉ちゃん?」
妹の目が開いた。
紅茶を入れているようだ。メイド姿の彼女のその仕草は様になっていたし、板についていた。
「あ……。すみません。オレ、寝てたみたいで」
「いいのよ。セイの分の朝食もできてるから、一緒に食べましょう」
「ありがとうございます」
食パンにバターを塗りこんだものが、テーブルに置かれていた。
「昨晩はすごかったわ。まさか、おっぱいをナめられただけで、あんなスゴイことになるなんて思ってなかったわ」
昨晩のことを思い出してるのか、フォルモルはあからさまにヤらしい表情になっていた。目がトロンとしている。
「おかげで印は重ねられましたよ」
セイはフォルモルの胸元に目をやった。大きく張り出している乳房は今、メイド服によって隠されている。昨日、そこをナめていたんだなぁ――と思うと、下腹部に熱を感じた。あの熱と柔らかい感触はそうそう忘れられそうにはない。
「とっても上手なのね」
「そんなことないと思いますけど」
性技を磨いた覚えはない。
気持ち良くしてやろうと思っていたわけでもない。
「あれも〝英雄印〟のチカラなのかしら。癖になっちゃいそう。また、やってもらおうかしら」
黒いマツゲに縁どられた濡れた瞳を向けてきた。
照れ臭さから、セイは応えあぐねた。
コホン――とひとつ咳払いをして、話を強引に切り替えていくことにした。
「そんなことよりも、オレは治療魔法を会得できました」
「やって見せてちょうだい」
コツはわかる。
印を重ねると、不思議とそのやり方もわかるのだった。
「こうでしょう」
右手に白い光をたずさえた。ほんのりと温もりを感じる。
「合格。上手くいったみたいね」
フォルモルは満足気にうなずいた。
「これで妹さんを治せるかもしれませんね」
自分自身の傷だって治すことができる。便利な魔法を手に入れたものだ。
「そうね――」
さすがにフォルモルはマジメな表情に戻った。物憂げに紅茶をすすっている。
バターパンを食べ終えてさっそく、2人の治療魔法で妹を治せるか試みることにした。フォルモルの妹の部屋は、すぐ隣だ。
妹は相変わらずベッドで眠っていた。ずっと眠ったままなのに――いや、眠ったままだからか――作り物のように肌が白かった。
「変なこと訊いても良いですか?」
「なぁに?」
「下の世話とかはどうしてるんですか?」
「基本的に私がしてるけど、他のメイドたちも協力してくれてるわ」
「良いメイドさんたちですね」
「ホントにね。レフィーさまのところに雇ってもらえて、私は幸せよ」
さっそく治療魔法を実践してみた。
2人で妹の頭に手をあてがった。セイとフォルモルの手から放射される、白い光が妹の頭を包み込んだ。他人の脳に干渉したせいかもしれない。一瞬、幻覚が見えた。
白いローブを羽織ったものたちの姿。
それに襲われる人々。
逃げ惑う2人の少女。
シルベ教に襲撃されて、フォルモルは両親を失ったと言っていた。その映像が、セイの脳裏に流れ込んできたのだった。
「お姉ちゃん?」
妹の目が開いた。
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