《完結》男が絶滅していく世界で、英雄は女の子たちをペロペロする

執筆用bot E-021番 

第5話~ヘソ~

 ゼッタイに見られたくない――ということなので、レフィール伯爵はカラダに巻きつけていたバスタオルを、セイの目に巻きつけた。セイの視界は暗闇に封じられた。



「それでは、四つん這いになって、舌を突き出してください」



「そんなことする必要があるんですか?」
 なかなかプライドに響くものがある。



「いいから言う通りにしてください。お願いします。恥ずかしいのはお互いさまなのですから」



「わかりました」
 命令ならば仕方がない。



 セイのほうは服を着ているぶん、レフィール伯爵に比べれば羞恥心はすくないはずだ。



 言われた通り四つん這いになって、舌を突き出した。



 暗くて何も見えない。 
 温かい手が、セイの頭をつかんだ。やさしく誘導された。眼前に温かいものが迫ってくるのがわかった。



 舌先。
 何かやわらかい肉が触れた。ふにっ、とわずかな弾力が感じられた。



「ひゃうっ」
 と、レフィール伯爵の短い叫び声があがった。



「だ、大丈夫ですか?」
「いいから、黙っていてくださいッ」
「申し訳ありません」



 ふたたび舌先にやわらかい肉が触れた。
 温かくて、とても甘い。



「も、もう少し奥です」
 舌を突き出す。



 セイの舌を、やわらかい肉がはさみこんでいた。そして次から次へと、甘い蜜のようなものがあふれ出てくる。キスしているのかと思ったが、それにしてはセイの頭上から声が落ちてくる。



 とても良い匂いがする。
 すんすん、と鼻をひくつかせると、レフィール伯爵はセイの頭を叩いてきた。



「息は止めていてくださいッ」
「そんな無茶なッ」



「で、できるだけぇ。呼吸はおさえてくださいぃ」
 声が震えている。
 続けて舌を動かした。



「あうっ、あっ、も、もう少しだけ奥です。あ、あんまり激しく動かさないで」



「目隠しされているので、よくわからないんですけど」



「あ、あうっ。しゃべらないでって言ったでしょう。声が振動するので」



 じれったい。
 右へ左へとやわらかい肉の壁を押し分けて、舌を押しこんでみるのだが、これでちゃんと〝念話印〟にたどり着いているのかハッキリしない。ただ、肉の壁の向こうには、温かくてヌメヌメとした感触があった。



「はぁ……はぁ……。そんな乱暴にしないで。あうっ、だ、ダメッ」



 もうヤケクソだ。
 もっと奥まで舌を入れてやろうと思った。



「そ、そんな奥まで。ダメですって、あん……あっ……もっと奥が……じゃなくて、もう少し手前ですから。そ、そんなところ、ナめこすらないでください」




 ナめれば、ナめるほど甘い。
 花の蜜でもナめている気分だった。



「ああああ――ッ」
 そこから先は、よくわからなかった。



 レフィール伯爵がセイの耳を、指で封じてきたのだ。ただ、レフィール伯爵のカラダが激しく波打っていることだけは、触れている感触でわかった。そして花の蜜がいっきに溢れ出してきて、セイの顔を濡らした。



 目隠しが外された。



 そのときにはもうレフィール伯爵は、セイの持ってきたブリオーを着衣していた。そして、顔がひどく紅潮していた。



「うまくいったんでしょうか?」
 相変わらず脱衣所だ。



 ひとつ異変があったのは、足元がやたらと濡れているということだ。他に変わった場所はない。



「うまくイっただなんて、そんなこと質問しないでください」
 レフィール伯爵は目を真っ赤にしていた。
 マナジリに涙が浮かんでいる。



「いや。他人の印に、自分の印を押し付けたことなんてなかったので、上手くいったのか気になって」



「あぁ。そう……そうですね。うまく〝念話印〟を習得することができたと思います」



『聞こえますか?』
 鼓膜を震わせる声ではない。
 脳裏に響いた。



 おのずと返答の仕方がわかった。
『ちゃんと習得できたみたいです』



「しかし、スケベ印なんて言われてバカにされていた〝英雄印〟にこんなチカラがあったなんて、驚きですよ」



 もっと早く知っていれば、セイはもっと騎士として活躍していたかもしれない。いまさら悔いても仕方のないことだが。



「無事にチカラを与えることが出来て良かったです。それでは、私のことを護衛してもらいますからね」



「ところで、レフィール伯爵は、どこに印があるんですか?」



「ヘソです」
 レフィール伯爵は平然と応えた。



「じゃあ、オレはヘソをナめていたんですか?」



「ええ。そうですよ。ヘソです」



 そう言われると、そうかもしれないと思えてくる。なにせ目も耳も塞がれていたので、よくわからなかったのだ。



「ヘソ――でしたか?」



「ええ。ヘソでしたよ。そんなことよりも、さっさと顔を洗って、宿を出ましょう。私も着替え終わりましたし」



「そうですね」



 風呂場には、湯が張られていた。おそらくモンスターが出現する直前まで、風呂屋は稼働していたのだろう。



 湯を張る方法は2つある。給水泉から水を汲んできて、湯を沸かすという方法。魔法で湯を張る方法だ。たいていの風呂屋は、前者だ。



 湯をすくい上げて、顔を洗った。セイの顔には甘い蜜のような液体がべっとりとついていて、洗っても洗っても、その匂いが払拭されることはなかった。

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