俺の考えはあたらない

大空 ヒロト

終業式

今日は終業式だ。この前がテストだったと思ったのに。ものすごい時間がたつのがはやい。俺の考えとは真逆に。俺ももう歳かなぁ~などとばかみたいなことを考えていると、

「だ~れだ」

後から手が出てきた。本来隠すはずの目の位置を大きく外れおでこのへんをおさえているが。

「紅葉さんだろぉ~」

「せいか~い」

笑顔で言ってくる。いつものまぶしい笑顔で。

「びっくりするだろー」

「えへへ~」

「もうすぐ終業式がはじまるな」

「そうだね。もう終わりか~」

この言葉は2学期のことを言っているのか、それともこの世界の事を言っているのか俺には判断できなかった。

「なぁ紅葉今日午後あいてるか?」

「え?どうして?」

「デート、しようぜ」


「竜介君…どこいくの?」

「まぁそうだなー?まず昼飯でも食べないか?」

俺達はファミレスにとりあえず入った。

「あれ、そう言えばここって」

「そう気づいたか?夏休みなんとなく4人できたよな。」

「そうだね~。ほんとになんとなくだったけどとっても楽しかったよ~」

俺達は思い出に花をさかせながら食事を終え店をでた。

「次はどこにいくの~?」

「ゲーセンでもいくか」
 
俺達はゲーセンにむかう。ゲーセンにつきなにをやろうかとあるいていると横に紅葉の姿がなかった。

「あれっ紅葉?」

後ろを見ると大きなぬいぐるみを見てガラスにはりついていた。
なんかあまりみない姿をみれたのですこし笑ってしまった。

「紅葉、それほしいの?」

こくんとうなずいた。

「よし、じゃあとってやるよ」

俺はいいところを見せようとやりはじめた。だが、100円、100円とどんどん吸い込まれていった。

「竜介君いいよ大丈夫ほかのとこいこ」

「いやじゃあラスト一回だ」

俺は100円を投入。慎重に動かす。つかんだ。だがぬいぐるみはするりとぬけていく。しかしその時ぬいぐるみのタグがひっかかった。

「よっしゃーーーーーーーーーーーーーーーー」

「はい紅葉」

「すごいよ竜介君ありがとう。大切にするね」

「ああ」

紅葉はそれをとっても、嬉しそうにだいていた。


「今日は楽しかったね~」

「ああ」

「でもびっくりだよ。竜介君があんなにがんばってくれるなんて」

「はは…自分でもびっくりだよ。最後はとれて本当に良かったよ。あれでとれなかったら最悪だしな」

「ほんとだよ!ほとんどお金使っちゃったんだから」

「あはは」

「笑い事じゃないよぉ~。……でも今日は本当にありがとう」

「ああ!」

「それじゃあ私帰るね」

「送っていかなくていいか?」

「うん。まだ暗くないし大丈夫だよ。じゃあね」

「あっちょっとまった」

「どうしたのっ……!」

俺は振り返った紅葉にキスをした。

「んんっ…」

俺は離すと

「じゃあまたな」

「うん!」

      



       残り約2週間

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