俺の考えはあたらない

大空 ヒロト

体育祭

あの事故にあった日から4日がすぎた。今日は俺の退院する日だ。紅葉や海翔、お母さんのほかにも友達などが来てくれた。

「退院おめでとう~」
「やっとだな!」
「おめでとー」
みんなが声をかけてくれる。素直にうれしかった。

「みんなありがとう」

「よーし、明日から体育祭に向けて特訓だな。俺がきたえてやる」

「え!?退院したばかりなのに!?」

「あたりまえだろぉもうあと3日しかないんだぞ」

「はぁ…そうだったな。じゃあよろしくたのむよ」

「おう、まかせとけ」




          ─3日後─
今日は体育祭当日だ。俺は100にでるだけだからほぼ応援だ。しかしまじでこの3日間海翔に特訓させられるとはおもっていなかったが。そのおかげもあってかどうかわからんが今日は体が軽い。最下位とかにはならなそうだ。なにせ紅葉がとてもはりきっているからな。俺も男だ、女の子まえではずかしいおもいはしたくない。そうこうしているうちに走り幅跳びのところに紅葉の姿がみえてきた。

「おーい紅葉ーがんばれよー」

応援すると言ってしまったのでとりあえず応援。向こうはきずくと手を振ってきた。しかし紅葉の運動神経はどんなものなのだろうか?最近まで入院していたり、特訓があったりでほぼあいつの練習はみれていなかった。そしてあいつの番だ。
「なっ…」
俺は一時停止した。明らかに今までで一番とんでいた。もしかしたら俺よりもとんでいたんじゃないだろうかと思うほどにとんだのだ。紅葉はやったよーと手を振ってくる。

「あいつ運動できたのか!?」

ほんとにびっくりだった。あの力をほんの少しでいいから頭に移すことができないか俺は真剣に考えてしまった。
そしてやはりあいつは1位だった。

「やったな。紅葉。」

「うん。竜介君が応援してくれたおかげだよ~」

「じゃあ次は俺だな」

俺のでる100の時間がせまっていた1位とってくるよと言い残し集合場所にいく。一緒に走る人が横に並ぶんだが俺の横には海翔がいる。

「なんでおまえが横にいんだよ!?」

「それは、まぁ気にすんな」

「気にするわ!同じクラスのやつと走んのか?俺は」

「ああそゆことだ まぁ手は抜かないからかくごしとけよ」

「はぁ…なんでおまえと…でもまけないからな」

「おう」

みんな速いなぁなどと感心しているとすぐに俺らの番がきた。

「ぜってぇ負けねぇ」

海翔はひとりでめっちゃもりあがっていた。
バン!
スタートの合図がなる。最初は並ぶようにして走り出した。おれも、負けるつもりはない。だが海翔は速い。
「くそっ!」
紅葉の声がきこえる。なんとか間をすこしつめる。だがそこまでだ。俺は海翔に負けてしまった。

「やっぱ速ぇなおまえは」

「おまえもだろそれは」

そう言って笑いあう。負けてしまったが悪い感じはしない。久しぶりにこんなに真剣に走った気がした。
自分のクラスのもとにもどると、
「佐藤君すごかったよ」
「おまえ速いんだな」
「竜介君すごかったよ~」

クラスのみんながあつまってきた。なんかはずかしくなってしまった。

「でもやっぱり海翔には勝てなかったな
でも本当にすごかったよ~」

すると100の記録をみにいっていた海翔が帰ってきた。

「学年で俺が1位でおまえが2位だったぜ」

「まじかよ!?」

「おぉ~すご~い」

紅葉が目を輝かせてこっちをみた。そう言えば紅葉はリレーにもでるんじゃなかったか?

「おい紅葉、おまえリレー行かなくて良いのか?もう、集まってるが」

「え、ええ!やばいよ~それじゃあ行ってくるね~」

応援に夢中でわすれていたらしい。それからほかにも競技がおこなわれとても盛り上がりをみせ体育祭は終了した。

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