異界共闘記
調査2
   領主の部屋と思われる場所に入るとそこには多くの装飾品を身につけた豚のように太ったオッサンと、黒い首輪を付けられた長髪の女がいた
「主、エアリース王国って奴隷制度導入していましたっけ?」
「いや、建国当初から奴隷制度は禁止されてる
   だが、定期的に裏市場に闇奴隷が出回って高額で取引されているらしい
   ここの領主もその1人なんだろ」
「別に何も思われないんですか?」
「ゼイルート領の目先の資源に目がくらむようなやつにろくな奴は居ないだろ
   むしろこういうことがあった方が潰すのが楽で助かる」
「確かにそうですね」
   領主の部屋の奥角に金庫のようなものを見つけた
   金庫と言ってもこの世界のものはダイヤル式と言ったものは無くてほとんどが鍵のみで開け閉めが出来るようになっている
   だから大したセキュリティ一システムじゃないんだが大体の貴族はこの金庫を一つや二つ持っている
   しかし最近王都で各個人の魔力波長の違いを分析する魔道具が発明されてそれを利用して作られた金庫が王家と数人の公爵家で使われ始めたらしい。
   そこから盗るのは大変そうだな…
「証拠になる書類があるとしたらあそこだな
   場所は分かったことだし影は撤収させるか」
   領主の部屋を出て少し進んだところにある部屋の扉が空いているので中を見ると、人の良さそうな女性と2歳位の子供が遊んでいた
「そういえば、数年前に父上がストルペ伯爵のところに第一子が生まれたと言っていたな」
「あんな父を持ってはあの子もかわいそうですね」
「まあ今後の教育次第だろ」
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